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信心するなら強いのがいいから、最強の神を探し求めるおれの話をちょっと読んでけ  作者: naro_naro
第四章 ウルテリウサドリ領――〝力〟と〝暴力〟

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 その後、隊長の作った書類に署名し、もめ事を起こすなよと再度釘を刺されて詰所を出た。日はもう中天を越え、傾きつつある。おれは教会に向かった。


「どうした!」

 建物の影から出てきたディーミディは左手に包帯を巻いていた。

「ちょっとな。不意をつかれた」

「けがは?」

「大丈夫。幸いドゥミナウス領からの隊商がいて、グレシャ様の癒やしのまじないかけてくれた。ちゃんとしたやつを。これは明日にゃはずせる」 と、なんでもないことを示すように左手を握ったり開いたりした。

「純粋主義者、だな?」

「ああ、番兵に捕まって連れてかれた」

 突然意味不明なことを怒鳴って刃物を振りかざしてきたと言う。とっさにかばった手の甲を切られたと。

 おれも別れてからのことを話した。

「じゃ、二、三巡日は安全、とも言えないな」 ディーミディはあきれていた。「ここの治安、水面下じゃめちゃくちゃだ」

「どうする?」

「すぐにここから去ろう」 ディーミディは即答した。

「いいのか」

「良くはない。ないけどしょうがない。身の安全が第一だからな」

 それはそうだ。紹介状はもったいないが。


 でも、聞いたのはそういう意味じゃない。


「いいのかってのは、やられっぱなしでいいのかって意味だ」 おれはあえて落ち着いた声で言った。

 ディーミディは心配げな目でおれを見上げた。

「あのとき、逃げろって合図したおまえはどこ行った? 冷静で最善の判断だと思ったぞ。いまもそうだ。この場合、逃げる以上のいい手はない」

「奴らはおれの相棒を傷つけた」

 さっきよりもっと冷たい声だった。自分の口から出たとは思えなかった。


 夕日がディーミディの顔を照らし、白銀の髪を紅に染め、目に炎が宿った。


「ルシエス、お節介だろうが、エルフの格言を教えてやる。〝麦を育てるなら怒りを肥やしにするなかれ〟ってんだ。わかるか。怒りから発する行動はことごとくいい結果を生まないぞ」


 おれはその忠告を飲み込んだ。それでも気は変わらなかった。


「支払いはさせる」

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