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「ただいまー」
家に着いて靴を脱いでいると
「あおい、ちょっと」
お父さんからリビングに呼び出される
「今何時ですか」
「23時14分です……」
「遊ぶのはいいけど、お父さんが言いたいことわかる?」
「……はい」
「どうすればいいかわかるね?」
「……はい、以後気をつけます」
「あおいの選択でイメージダウンしてしまう人がいるってこと忘れないでね」
意味深な言い方……
要はアキくんが夜遅くまで連れ回す人って
思われないように行動しなさいってことだよね……
わかりにくいけどお父さんの言うことは正しい
お風呂に入りながら、反省と気持ちの高ぶりを
ゆっくり味わう
よし!明日からも頑張ろう!!!
アキくんチャージ出来たし、無敵だぁ!!
「さやか〜アキくんが待っててって」
「え!なになに?脈あり?!!」
「そうなの!手繋いできたりするんだよ?」
「お宅らどういう関係?友達以上恋人未満?笑」
「うわーそれだ!!笑笑」
「うわーどっちつかずの嫌なパターンじゃん」
「でも、待っててって」
「え?待つってどのくらい〜?笑」
「意地悪言わないでー!!笑」
「あおいはモテるんだから他の人に取られても知らないぞー!!笑」
「あはは!さやか大丈夫?笑」
「はぁっ、私もきゅんきゅんしたい……」
「さやか、合コン行ったら?笑」
「もう一生行きたくない笑」
「私たちにはまだ早かったね!笑」
「それなぁ!!」
「っていうか、この前合コンの人に会ったんだけど!!笑」
「え、まじで?笑」
「本当最悪だった笑」
「行かなきゃよかったね〜、でも行って学べたこともあるね〜笑」
「まじで、社会勉強だったね笑」
月曜日と火曜日を乗り越えたら
水曜日がくる!!
「アキくん」
バッシュを履きながら手を振る
こっちに走ってきてくれる
「あおいさん、クリスマスちょこっと会えません?」
「え、会えるけど、」
「俺バイトなんで、その後よかったら会いたいです」
「……えっと、遅くなる?
この前帰り遅かったからお父さんからチクチク言われてるの笑」
「20時に上がります、だから待っててほしいです」
「…わかった」
23時に帰って怒られたから21時までに帰ったらいいかな?
バスケの日は22時に終わるから
21時だったら何も言われないかな?
あんまり待てないってこと伝えとこ〜……
あっという間にクリスマスの日になり
20時に駅前のカラオケ屋の近くで待つことに
流石にじっと待ってるのは寒いなぁ……
20時前に着いてしまって、行き交う人々を
見ていると
「…………吉木?」
「っ!!藤瀬くん!?」
「うわっ、何してんの?何でここいんの?笑」
「ええー!普通に人待ってる笑」
「久しぶりだね、高校ぶり」
「ほんとー!懐かしいね」
「ひろみと会ったりしてる?」
「……あ、全然会ってないよ」
「……あの後さ、ひろみと付き合って、
吉木が好きな人いないってわかってひろみと別れたんだよね」
え?、何言ってるの……?
「俺らさ、あの時こじれちゃったけど
両思いだったよね?」
「違うよ?私藤瀬くんのこと好きじゃなかったし何とも思ってなかったよ」
「だから、もうひろみの為に嘘つかなくっていいって」
え?、何か怖い、話が通じない……
「俺ら付き合わない?吉木も俺と同じ気持ちだったろ?」
「やだ!何言ってるの?」
「あの時は邪魔が入ってダメだったけど今なら付き合えるじゃん!!」
手首を掴まれて声を荒げられる
怖い!!!ぎゅっと目を瞑ると涙が滲んでくる
「お兄さん!!!何やってるんすか?」
タイミング良くアキくんが来てくれた
アキくんが私を掴んでる藤瀬くんの手を掴んで
手が離れる、
ホッとしてアキくんの背中に逃げる
「邪魔すんなよ、今やっと和解したとこなんだから」
「これなんすか?」
藤瀬くんの左手には結婚指輪があった
「はは、また邪魔が入ったよ、俺ら運命なのにな」
「何寝ぼけたこと言ってんだよ、あおいさんが好きなら他のやつと付き合ったり結婚なんかしないで向き合えよ」
「邪魔が入るんだよ、お前にはわかんねーだろ」
「邪魔が入っても関係ねーだろ!一途に思えば振り向いてもらえたかもしれねーのに!気付くのが遅ぇんだよ」
「うるせえよ!!」
藤瀬くんが暴れて、アキくんが殴られそうになる!
アキくんが避けて藤瀬くんの拳は宙に舞う
2人が揉めていた声で周りに人が集まってくる
「チッ!もういいよ」
藤瀬くんが帰っていき、私は力が抜けてしまって
その場に膝をついてしゃがみ込む
「っはぁ〜、よかったアキくんが無事で」
「すみません、出てくるのが遅くなって」
「本当だよ〜、助けてくれてありがとう」
「駅まで行きましょうか」
「……うん、」
時計を見るともう20時半だった
「ごめんね?早く帰らないといけないから
少ししか会えなくて」
「逆に待たせて危ない目に合わせてすみません」
「ほんと!びっくりだよね、はは」
少し手が震えていた、隠すようにポケットの中に手を入れる
駅のベンチに座って電車を待つ
ベンチに私だけ座らせて
目の前にアキくんが座る
まるで膝をついてプロポーズされている気分になる
「手出して」
ポケットから手を出すと
ぎゅっと手を握ってくれた
あったかい……
「あおいさんが好き
付き合ってください」
え……
「え……いいの?」
「俺、親に謝ったんだこの前、
そしたら向こうもごめんって謝ってくれて
親父もおかんも反省してたんだけど
タイミング逃して言えなかったって言われて……」
アキくんの目に涙が滲む
「アキくん、すごい!!よかったね!!」
「あおいさんのおかげかなって」
「私何もしてないよ、……でも、本当よかったね」
私までつられて泣いてしまった
プルルルル――
列車が到着します――
アナウンスが入りもうすぐ帰らなくちゃいけない
「あおいさん、待っててくれてありがとう
俺、あおいさんのこと大事にするし
これから幸せにできるように頑張りたい」
「……っうん!よろしくお願いします!!」
――――――――――fin――――――――――




