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第六話 D級昇格

……はぁ!…おはようございます、今何時ですか?俺の記憶が正しければまだ正月なんですが、え?もう3月?俺の記憶はどこに?3カ月もさぼってたんですか俺は


マジすいませんでした

 ギルドの応接間から出た煉達はランク更新のためギルドの受付カウンターに足を運んでいた。


「こちらがお二人の新しいギルドカードになります、ご確認ください」

「ありがとうございます、これで俺達もD級冒険者か」

「最後に説明事項がございます、お2人は無事D級に上がりましたのでギルドロビー左手側にありますクエストボートからクエスト依頼を受注可能になりました。依頼内容としまして主に各国の研究所で必要な素材や、冒険者の落し物あるいは遺品探し、新しく見つかった新ダンジョン内の探索など色々な依頼がございます」

「これで俺達もクエストを受けれるのか」

「そうなります、ではこれからクエストの注意事項などを説明させてもらいます」


 なぜD級以上じゃないと受けられないかには理由があり、二階層までのダンジョン内にはモンスターしか生まれない為、取れる資源が無く3層以降からしか天然資源が手に入らない、しかし周りにいるモンスターが強くレベル13を超えないとそう易々と探索も満足にできない。そして新エリアが見つかるのが3層以降でしか確認できていないため、色々な理由がありD級冒険者にならないとクエストボートから依頼を受ける事ができないのである。


「それではギルドからの説明は以上になります、何かご質問はございますか?」

「いや大丈夫だ、タクヤ何かあるか?」

「俺も大丈夫だ」

「わかりました、それでは改めまして昇格おめでとうございます。今後のご活躍を心より応援しております」

「ありがとう」


 受付嬢にお礼を言って煉達は受付から離れクエストボードに立ち寄ることにした。




「改めて見るといろんな依頼があるな」

「そうだな、今は見る必要がないって無視してたからわからなかったが、すごくいろいろな依頼があったんだな」


 一番下の依頼でゴブリンの討伐依頼や落とし物の依頼、上で最下層の最上級モンスターの素材依頼や未知の素材集めなど本当に豊富な依頼がある。二人は一通りクエストボードを見て終わり帰路につくため外に出る、ギルドの外に出て背伸びをしながら煉が拓也に話しかける。


「とりあえず、今日は一旦解散するか?なんか緊張が解けてどっと疲れてきたわ」

「お前が緊張する事があるのか?あの心臓に毛が生えてると言われているお前が」

「するわ!この日のために一年頑張ってきたんだ、極めつけに+イレギュラー案件な、流石に緊張したわ」

「D級昇格は嬉しかったがその過程がひどかったからな、緊張で疲れたってよりは疲労で疲れてんだろ」

「そう言われてみればそんな気がしてきた、まぁそういう分けで解散!」


 そうして拓也と煉はそれぞれ別れ、家に帰る。

 その日の夜煉は眠る前にいろいろあった事でステータスを確認していなかった事を思い出いし、一人ベットの上でステータスを開く



 ST9 VI6 DE5 IN7 DE8 AG8 


 ステータス

 名前:池宮 煉  Fランク冒険者

 Lv.18

 MP192/192

 職業:侍

 STR:167  

 VIT:114   

 DEF:97  

 INT:126   

 DEX:137  

 AGI:156  

 CHA:69

 LUK:81


 職業スキル

 〈一刀両断〉〈急所突き〉


 アクティブスキル

 〈体力自動回復 小〉〈物理抵抗 微〉 〈加速〉


 パッシブスキル

 〈身体能力強化 小〉


 称号

 {ゴブリンスレイヤーⅡ}

 ゴブリンを2000体倒した者に送られる

 効果

 ゴブリン系統のモンスターに対しダメージと身体能力が上がる

 ※追加効果

 ゴブリン系統のモンスターは称号{ゴブリンスレイヤーⅡ}保持者に対して畏怖を感じてしまう。

 自分よりレベルが低いゴブリンは逃げてしまう、同じか高いゴブリンは恐怖で動きが少し鈍る。



「おお、ステータスの伸びがいいしスキルも変化してる、多分あのゴブリンジェネラルと戦闘したおかげだな」

 ステータスの上がる数値は人それぞれ異なり煉は他の人よりステータスは1レベルごとに上がる数値が大きい、今回のレベルアップの上昇値はすごく高い、しかもスキルも少し強くなっている。称号も変化していて前よりもっとゴブリンが狩りやすくなった。嬉々として狩っていたわけではないが今後まだまだゴブリンとの戦闘はありそうだし素直にうれしい。


「ありがたいなこの上昇は、もっと強くなって俺は…」




 その頃拓也も一人家の部屋で今日の試験の事を思い出していた。


「…クソッ、これじゃ今後レンの足を引っ張るだけだ、どうにかしてあいつに追いつかないと」


 La-La-♪


 着信音が鳴り、名前を見ると煉バカ(咲坂ひな)と書いてある


「…なんだよ」

『今日の試験お疲れさん、聞くまでもないと思うけどちゃんと合格したんでしょ?どうだったのよ受けた感じは』

「レンに聞けばいいだろ」

『レンには今から長電話するから先にあんたに聞こうと思ったのよ、レンは自分が普通だと思ってるけど周りからしたら異常だもの、普通じゃない人の普通を聞いたって参考にはならない、それでいうとあんたもおかしいけどそれでもまだ普通の人枠だもん』

「ちげぇねぇ」


 ひなのそんな本気7割冗談3割の言葉を聞いて笑ってしまう拓也


『どうだったの、てかあんたなんか落ち込んでない?なんで不機嫌なのよ』

「……やっぱり、あいつはすげー奴だよ」

『……何があったの?』

「すまん詳細は言えねぇ、ギルドとの契約だ。が大雑把に言うとあいつに追いつくのは生半可な覚悟じゃだめそうだなって思ってたところだ」

『そんなにレンは強かったの?』

「あぁ、正直たかがレベル差2だと思ってた、が実際はそれ以上の差があったのさ。そらそうだ、俺はパーティーで潜ってて、あいつはソロで潜ってたんだ。現実はゲームと違う、ゲームじゃソロの方が経験値効率は良いだろうがここは現実だ、どうしてもソロじゃ限界があるはずなのにあいつは15になるまで一人で切り抜いてきた。その差が今回明るみにでちまっ」

『はいはい、あんた話長いのよ、御託はいいからどうするのか言いなさい、早くこっちはレンに電話したいのよ』

「……お前ほんとひどいな、泣くぞこっち」

『やめてよ、レンなら歓迎だけどそれ以外の男の涙なんて誰得なのよ』

「はぁ、あほらし」

『そもそも、レンが規格外なのは昔からでしょ、レンは自分の事普通だと思ってるけどね』

「それに追いつくためにどんだけ大変なんだか」

『そこよ、あんただけなのよいつもレンに負けるかと追いかけ追い越そうとしてくれる存在は、他の人達はレンの才能を見て諦めるだけ、そこだけは男と認めてあげるわ』

「……あんがとよ」

『まぁ、男としてもレンに勝てないけどね』

「惚気どうも、ふう…よし、ありがとな、もう大丈夫だこれ以上レンと差を広げてたまるかよ」

『そのいきよ、あんたがその調子じゃレンも落ち込むんだからしっかりしなさいよね』

「はいはい、すいませんでした」

『じゃ、そう言うことでまた学校で』


 そう言ってひなは電話を切る


「ほんとにあいつの基準がレンかそれ以下か過ぎて笑える……俺は絶対にあいつに追いつくんだ、あいつを一人にしてやるかよ」



 眠い、昨日の夜にまたひなとの長電話に付き合って終わるころにはもう4時過ぎてたかな?もう最後らへんは全然覚えてないわ、うんうんって返事してたとうっすら覚えてるけど、なんの会話だったかな?


 火曜日の朝、煉は眠る直前でかかってきたひなとの長電話のおかげで疲労困憊になっていた、戦闘の疲れが残っているのかはたまた長電話の疲れなのかわからない状態だ、スキルのおかげで身体の疲れは取れているものの精神面の疲れが取れていなかった、楽しかったがそれでも疲れるもんはつかれる、それを言ったら日にはどんな仕打ちを食らうか、口が裂けても言えない煉だった。


「何眠そうな顔してんだよレン」


 振り向くと拓也が後ろに立っていた、昨日の帰り際はいつもより元気がなかったから心配してたが見る感じ大丈夫そうで安心する煉


「なーに疲れた顔してんだよ、今日まだ始まったばかりだぞ」

「おはようタクヤ。いや、朝の四時までひなの電話に付き合ってて寝不足」

「はは、そんな所だと思ったよ、ほれどうせ朝ごはんも食べてないんだろ?これでも食べろ」


 そう言って拓也は二つ入りのサンドイッチを一つくれた


「あざす、助かった」

「昨日のパフェの代わりだ、昨日はすまん迷惑かけた」


 そう言った拓也の顔に薄暗い様子はなく吹っ切れた顔をしていた。

 2人で昨日の話と今後の話をしている途中でひなも合流、そこから三人で学校を目指し歩いていると前方に視線を感じ前を見てみると二人組の女性が立っていた。


「あれは、四宮七瀬とあの時助けた女の子じゃないか?」


 拓也に言われてよく顔をよく見るという通りその二人が立っていた、俺達を待っていたみたいでこちらに対してお辞儀をする彼女達に俺達も軽くお辞儀をして二人にが待っている場所まで移動する。


「川原さんお久しぶりです、そちらのお二人は初めまして四宮七瀬と申します。」

「ダンジョンで助けてもらった白鳥百恵です、あの時助けていただきありがとうございました!」

「初めまして、池宮煉です」

「咲坂ひなです、初めまして」


 お互い挨拶をしたところで登校時間もそこそこ厳しい時間になってきたので五人で学校まで行きながらしゃべることにした。

 登校最中は煉と拓也に百恵さんが感謝を述べながらその時の戦闘シーンを他の2人に説明してそれに興味を持った七瀬が2人に質問する事をしながらそれぞれの教室まで移動する。ギルドから口止めされたのはゴブリンジェネラルとスタンピードの事なのでその前までに起こった事は話しても大丈夫なのであった、百恵達はジェネラルの存在を把握していなかったのでギルドも口止めする必要もないと不要な話と契約をしていなかった。


「ほんとにあの時はだめだと思ったのですごく感謝してます」

「私からも言わせて、百恵を助けてくれてありがとう、昇格試験の時は別パーティーにいて襲われた話を聞いたのは医療キャンプに運ばれてきた時だったの」

「あの時ほんとに間に合って良かった、それに他の子達も無事で良かったよ、内村さん達が来なかったら他の子達を救えなかったし、感謝内村さんにした方がいいよ」

「いえ!中村さん達にも感謝はしていますが、私を救ってその後も大量のゴブリン達を引き留めて逃がしてくれたのは池宮さん達です!だから私が感謝するのはお二人にです!!」

「そ、そうなんだ、とりあえず少し近いから離れようか?」

「え?あ…すすみません!」


 俺の顔近くまで興奮気味に近づいてきた百恵さんに注意すると慌てて離れて七瀬さんの近くまで下がる、顔がとても真っ赤になっていてとてもかわいい。…ぎぁ!


「煉?赤くなってかわいいなんて思ってないよね?何デレデレしてるの?」

「してないしてない!だから痛いからやめて!」


 背中をつねりながら虚ろな目になりかけているひなを慰めてる煉


「彼、意外と普通の人なんですね」

「あぁ?…基本は普通の奴だよあいつは。ただやることが規格外なだけだ、なんでまたこんな所で待ってたんだ?」

「今の所そんな感じはしないのですが。百恵がどうしても会って謝りたいと言っていたので」

「そかそか、まぁ危うく殺されそうになってしな。いい子じゃねーか」

「ええ、いい子過ぎて困ってます」


 拓也は煉とひなの間をあたふたしながら二人の謝る百恵をみながらそれもあるだろうしそれだけじゃないだろうなと拓也は思っていた。実際百恵が待っていた理由はそうなのだが七瀬はまた別の思惑があり、同行していたのだ。


(あの百恵があんなに異性を相手に怯えることなく近づくなんて今までありませんでした、しかも百恵から話を聞いた彼の姿と今の姿は全く逆の印象を感じます。あの川原拓也より強い同年代がいるなんて今まで全く話を聞いたことがありません、これは百恵のためにも見極める必要があります)


 七瀬が今回一緒に待っていたは百恵が一人だと緊張してしまうから一緒に行ってほしいとお願いされたのと、助けられた時の話を聞いてにわかに信じられなかったからだ。拓也が強いのは東京周辺の学校では周知の事実として伝わっていた、まだ齢16でレベル12超えを果した天才だと有名だったのだ。その後はレベル12を超えると2階までのモンスターを倒してもレベルが全然上がらず上げるのがとても大変だと言われていていて2月頃にはここにいる七瀬や全国各地でレベル12を超えた生徒がどんどん出てきたのだがそれでも他の者より早く超えた拓也は有名であった。


 ではなぜ煉に誰もが気付かなかったのかというと、ダンジョンに潜っていたから友達は誰も煉の状況を知らなく、そしてAランクの恵里香さんが煉に対して情報規制していたからだ、もしかしたら勧誘を受けてくれる可能性と他のクランに煉が見つかる可能性があるためギルドにちょっとした”圧”をかけていたのである。そのおかげで煉はあまり有名になることはなく、本当に知っているのは極わずかの人数だけだったのである。


 そうして煉一行は他愛もない会話をしながら学校へと向かっていく。

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