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エルフさんと癒され日帰り温泉旅へ  作者: タカハシあん


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第29話 藤沼温泉やまゆり荘

 猪苗代湖。


 これまで湖なんて見ない人生だったが、こうして湖畔から見る山々、磐梯山が見惚れてしまうくらい綺麗だった。


 ここでキャンプしたくなるのもよくわかる。オレも椅子に座りながらコーヒーを飲みたいものだ。


「いいですよ、ルーシャさん!」


 プロ根性と言うのだろうか。砂浜を転がったり、湖に入ったりと、知らない人が見たら奇行種にしか見えない。カメラマンとは恐ろしいものだ……。


「自分の姉があんなだとは思わなかったです」


 妹としては思うところがたくさんあるだろうよ。他人だから冷静に見てられるんだからな。


 無料駐車場があったから舟津浜湖水浴場と言うところに来たが、キャンプをしている人が結構いる。


 何事かと眺める人もそれなりにいる。


「エルフのコスプレか?」


「凄いね。耳とか本物にしか見えないわ」

 

 本当にコスプレと思っている。まあ、現代社会に本物のエルフがいるとは思わんわな。オレだって知らなきゃコスプレだと思うだろうよ。


 オレと阿佐ヶ谷妹は、他の人の邪魔にならないようにと、近づいて来ないようにスタッフ然としてカメラに写らないようにしていた。


 いろんなパターンで撮っているのだが、素人にはなにが違うのかさっぱりわからない。


「あんなに撮って意味あるのか?」


「その中から奇跡の一枚を選ぶみたいですよ。光りや角度でなにか違うみたいですね」


 阿佐ヶ谷妹もよくわかってないようだ。


「実子さん。そろそろお昼にしましょうか」


 昼はとっくに過ぎて十四時になりそうだ。ルーシャもそろそろ空腹になる時間だろうよ。


「おねーちゃん、ほどほどにね! ルーシャさんも疲れているんだから!」


 スイッチが入ったら終われないタイプでも、ルーシャには気を使っているようで、妹の言葉に素直に従った。


 スマホでキャンピングカーが停められる食堂を探し、ソースカツ丼が気に入った阿佐ヶ谷妹の決断でかしわやさんって食堂に向かった。


 混んでいるかな? と思ったが、十四時は過ぎていたので一組しかいなかった。


「あたしはソースカツ丼で!」


「オレもソースカツ丼食べてみるかな」


「わたしもそうしようかな。あと、チャーシューメンも」


「わたしはチャーハンでいいかな? まだ昨日のお酒が残ってるし」


 昨日の酒はさっきので消えたとしか思えない動きしてなかったか?


 まあ、食べたくないのなら無理しなくてもいい。無理なときはルーシャが食べてくれるだろうからな。


 美味しくいただいたら国道294号線を須賀川市に抜け、藤沼温泉ってところに向かった。


 他県の者にはカーナビがなければ辿り着けないところにあったが、自然公園の中にあるところで、親子連れが結構やって来ていた。


 やまゆり荘という日帰り温泉の駐車場も半分くらい埋まっていた。


 キャンピングカーでもなんとか停められ、十七時までゆっくりすることにした。


 風呂はそこまで広くはなかったが、露天風呂はあって景色もまあまあ。一時間くらいはゆっくり入ってられた。


「いい湯だ」


 湯に当たり風に当たる。まさに至福の時である。


 一時間くらいは、と思ったが、やはり四十分くらいが限界と、脱衣場で涼み、落ち着いたらロビーに出た。


「たまには炭酸でも飲んでみるか」


 運転手の悲しいとこ。いつか風呂上がりにビールを飲んでみたいものだ。


「道の駅に併設した温泉なら飲めそうだな。てか、久しぶりコーラを飲んだよ。こんなに美味かったっけ?」


 栄養ドリンクやエナジードリンクは死ぬほど飲んできたが、コーラは本当に久しぶりだ。もう五、六年は飲んでなかったんじゃないか?


 マッサージ機で体を解していたら女性陣も上がって来た。


「あたしもやりたいです」


 と、阿佐ヶ谷妹が言ってきたので小銭を渡した。ずっと運転手だもんな。揉まれなさい。

 

「ビール飲みたいわね」


「付き合うわ」


 やっと酒が抜けたのにまた飲むんかい。


「飲兵衛ばかりですね」


 阿佐ヶ谷妹は酒はあまり飲めないようで、缶チューハイを飲んだらすぐ眠りついていたよ。


「そうだね」


 マッサージが終わり、食堂に向かったらジョッキが四つ置かれていた。まだ別れて十分と過ぎてないのにな。


「ほどほどにな」


 どうせ夜に飲むんだから抑えておきなさいよ。特に阿佐ヶ谷姉は……。


 十七時までゆっくりしたら道の駅季の里天栄へと向かった。


 閉店十分前だったので店に入ることはせず、車中泊する準備をした。


「了さん。あたしたちコンビニに行って来ますね。なにか必要なものありますか?」


「オレはないかな? ルーシャは?」


「わたしもないわ」


「わかりました。じゃあ、行って来ますね~」

 

 阿佐ヶ谷姉妹がコンビニに出かけ、オレは電話をしに外に出た。リフォームのことや隣の平屋も借りたいことを伝えるために。


 長いこと電話をして戻ると、阿佐ヶ谷姉妹は戻っており、アイスを食べていた。


「了さんもどうぞ」


「アイスか。久しぶりだな」


 なんか久しぶりのものばかり。オレの二十代、アイスも食わないものだったんだな……。


「美味い」


 アイスってこんな味してたんだな。すっかり忘れていたよ。


「了。焼き肉やろう」


「あいよ」


 ホットプレートを出し、天窓をオープン。外国産の牛肉を出して、焼き肉パーティーを始めた。

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