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エルフさんと癒され日帰り温泉旅へ  作者: タカハシあん


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第22話 戦闘力53

 風呂から上がったら施設で休むことなく道の駅に帰った。


 我慢に我慢を重ねたあとのビールは美味い。生き返るとはこのことだろう。


「いや~。最近のキャンピングカーってエアコンもしっかりしているんですね」


 風呂上がりだからではなく、今日は気温が高い。まだ二十度はあるんじゃないか? エアコンがなければ夏の旅なんて出来ないだろうよ。


「そうですね。ありがたい限りです」


 エアコンが効いた車内で飲むビール。今日は二缶は飲めそうだ。


 ルーシャと矢代さんはもう日本酒に移っている。相変わらずペースが早い二人だよ。


「なにか食べる?」


 鳩のマークのスーパーで惣菜は買ってある。オレは刺身が食いたかったので盛合せを買いました。


「はい、お願いします!」


 矢代さんも海鮮系だが、イカの塩辛やニシン漬けと言った加工品が、いや、酒のつまみ系が好きなようだ。てか、塩分取りすぎ。明日の朝はバナナを食べなさい。


 ルーシャは揚げ物系が好きなようで、コロッケで日本酒を飲めるエルフだ。ちなみにコロッケには醤油派のようだ。オレはマヨね派なのは黙っておこう。


 オレは刺身を肴に二缶目のビールに手を伸ばす。


「道端さん、今日は飲みますね。日本酒も行きます?」


「明日も運転があるから止めておくよ。矢代さんもほどほどにしておいたほうがいいですよ」


 明日は土曜日。さらに混むことだろう。さすがに居座るのはマナー違反だろうよ。


「あー。車が小さくできたらキャンピングカーにお邪魔できるのにな~。ルーシャさん、なんかいい魔法ありませんか?」


「あるわよ」


 さらっと答えるルーシャ。マジなの?


「小さくする魔法はないけど、魔法の鞄になら入れられるわよ。さらに容量を増やしたから」


 ま、魔法って便利やな~。って感想しか出て来ない。


「鞄の中で転がったりしないんですか?」


「しないわよ。入ったままの状態で固定されるわ。まあ、人を入れたらどうなるかは試してみないとかわらないけど」


 それは一生試さないでください。怖いから。


「それは最高~! 遠慮なく飲めますね!」


 いや、遠慮しなさいよ。通風になっても知らないからね。


「ほどほどにね」


 どうせ言っても聞きやしない。オレは先に眠らせてもらうから。運転手は体調管理が大切なんでね。


 ベッドにしたところで横になり、すぐに眠りについた。


 ビールを二本も飲んだからか、夜中にトイレに行きたくなって目覚めた。


 二人も宴会を終了させており、ルーシャはいつものようにバンクベッドに上がっており、矢代さんはオレの横で眠っていた。


 ……この人はオレの横でじゃないと眠れないのか……?


 もう同じ夜を過ごした仲とは言え、もっと警戒とかしなさいよ。オレだって正常な男なんだからさ。


 と言って手を出すような勇気もなし。てか、この人に手を出したらなんかいろいろ終わりそうな気がする。自分の将来を考えて毛布をかけ直してトイレに。すっきりしたらまた深く眠りについた。


 物音がして目覚めると、ルーシャがトイレに起きたようだ。


「早いね?」


「うん。喉が乾いてね」


 ルーシャの中で決まりがあるのか、朝は酒を飲んだりはしない。二リットルの水を一気飲み。ほんと、不思議な胃を持ったエルフである。


「トイレに行って来る」


 耳を隠せるキャスケットって帽子をかぶって出て行った。


 まだ五時半なので、もう少し眠るとする──が、なんか目が覚めてしまったので、ルーシャが戻って来たら散歩に出てみる。


「わたしも行くわ。少し体を動かしたいから」


 と言うので二人で散歩に出かけた。


 川沿いの道の駅なので、川を見に行ってみる。


 公園みたいなのがあり、車中泊した人なのか、犬の散歩をさせていた。


「小さい頃、犬を飼ってたっけ」


「ここの人って犬を飼う人多いよね。それだけ豊かってことなのか」


 異世界にも犬はいるようで、金持ちがよく飼っているそうだ。


「体を鍛えるためなランニングしようかな?」


 ジムに行ってまで鍛えようとは思わない。朝に走るだけでも体は鍛えられるはずだ。


「それなら剣を教えてあげる。結構体を使うから鍛えられるわよ」


「ルーシャ、剣を使えるんだ」


 魔法使いだから魔法で戦うのかと思ってたよ。


「達人ってほどではないけど、熊くらいの魔物なら何度も倒したことはあるわ」


 剣で熊とか倒せるんだ。しかも、なんか余裕っぽい。戦闘力、53とあるんじゃなかろうか?


 ……オレはきっと戦闘力2のゴミなんだろうな……。


「じゃあ、お願いしようかな。って、棒になるものがないな」


 川だから探せば手頃な枝が落ちているか?


「大丈夫よ。あるから」


 と、どこからか木刀を出した。


 魔法があるからどこからか出しても驚きはないが、この木刀、この世界のものだよね? いつの間に買ったのよ? いや、まだ令和の時代に木刀なんて売っているところあったんだ。


「米沢のお城で売ってたから買っておいたわ」


 そう言えば、欲しいものがあるからと一万円を渡したっけ。あのときに買ったんかい。魔法を万引きに使わないでくれよ。


 木刀を受け取り、素振りしてみる。


 中学の体育で竹刀を持っていらいか? どう振るんだっけ?


「型とか構えとか気にしなくていいわ。わたしに打ってきて。思いっきりよ。どうせ当たらないと思うから」


 そりゃ戦闘力53はありそうだもんな。戦闘力2のゴミが当てられるわけがない。なので、本気で打ち込んで行った。

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