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なんで!?どうしてこうなった!?(M

「君とこれから愛を育んでいきたいんだ」


目の前の放蕩キャラ…もとい、乙女ゲーム騎士団長息子枠の美青年が微笑んだ。


放蕩癖設定あったから口説くのもお手のものですね、と、内心思いながらもその美貌に抗うことができずに。



どうしてこうなった?!



されるがまま唇を奪われた。


場所は永遠を誓い合う教会。

目の前には一生に一度の晴れ衣装を着た美形。

私も同じくウェディングドレスという花嫁衣装に身を包み。


攻略キャラである第三王子を婚約者から寝取ったアバズレもといヒロインが招待席で睨み付ける中。



永遠の誓いを行ったのだ。



どうしてこうなった?!








転生だと気付いたのは、目の前に現れたヒロインのサポートキャラ…猫の妖精だった。

怪我をして学園の塀のそばで蹲っていた猫ちゃんを手当てしようと抱き上げた時、衝撃が走ったのだ。


頭の中に次々と情報が駆け巡り、目の前の猫ちゃんが乙女ゲーム[廻り合うラブシーズン]の世界で、私は転生…していたのだ、と。



最初の記憶は赤ちゃんの時だった。

あれ?私手が小さい?なんで?などとグーやらチョキやら手を動かしていると、周りが天才だと叫んでいたことがある。

思えば生後何ヶ月かの赤ちゃんだったのだろうな。

それから通称天才の子爵令嬢マリーベルは時が経つにつれて平凡へと変化していった。

前世の記憶と今世の記憶が混合して、薄れていっていた前世の記憶が猫ちゃんによって呼び出されたのだ。






「ありがとにゃー!」


動物病院に連れて行き、応急処置を行い自宅の自室に帰ると開口一番目を細めて猫ちゃんは喋り出したのだ。



…喋ったのだ。



「いやいやいや、サポートキャラの時も話していたし!!…うんっ!そうよ、そう!君はヒロインの妖精だもんね!」


自分に言い聞かせるように私は話すと猫ちゃんは首を傾げた。


「オイラ、怪我した衝撃で何も覚えてないにゃー。お嬢ちゃんの名前は?」


まさかのサポートキャラ、記憶喪失?!


目の前の黒猫ちゃんを凝視すれば可愛い顔して首を傾げる可愛い生き物がいた。






とりあえずかいつまんで説明した。

ここは乙女ゲームの世界であること。

君はヒロインのキッカ(名前変更可能)の妖精兼、ゲーム内サポートキャラという役割の攻略キャラの好意度表示や行動のサポートをする猫だということ。


攻略キャラは国の正義感強い第三王子、オラオラ系宰相子息、女好き騎士団長子息、ミステリアス教皇子息、隠しキャラの人型妖精と人間のハーフ(職業不明)

ヒロインの見た目はピンク髪で、攻略キャラやゲームに出てくるキャラは目立つ髪色をしていること。

ちなみにゲーム内で私が攻略してないキャラは女好き騎士団長子息、全員攻略しないと出てこない隠しキャラだと付け加えて。だって、攻略する前にこの世界にやって来たんだもの。隠しキャラの見た目すらわからないわよ。


「私はモブよ、モブ。モブのマリーベル・ランティア子爵令嬢よ」

18歳、学園に通う背景の一部である、ちなみに記憶を辿れば隣の教室に目立つ髪色のピンクがいるので正真正銘のモブなんだろう。


黒猫ちゃんが話を聞きながら頷いていく。

モブは何かと聞かれれば脇役と即答し、記憶はないけど一度ヒロインの元に帰るということで見送ったのだ。





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