絞め殺しイチジクではありません ~何でエルフを知ったのですか?~
一発ネタは承知です。どうかよろしくお願いいたします。
メープルシロップをたっぷり入れた紅茶の香りが、辺りに広がる。ストレート、もしくは砂糖入りが常識とされるザード王国では異端の味わいだが、ヴェリアン・リール公爵令嬢には、すでに馴染み深いものになっていた。
テーブルを挟んで合い向かいに座るのは、辺境伯令息でエルフの血が色濃く現れているラルフィエール・ファゼット。ヴェリアンの婚約者である。
令息が執事の真似事をするのも妙な話だが、ファゼット家ではごく当たり前とのこと。ちなみに円卓に並べられたクッキー、ドングリを挽いた粉で作ったものだが、これもラルフィエールのお手製だ。エルフに伝わる菓子が元になっているらしい。
カップに注がれた液体を飲むと、知らず知らず心ゆるびの吐息が漏れる。しばらく余韻にひたるつもりであったが、ふと気になった。
「--そういえば、ガッドマギュラ様はどうしたのです?」
「確か用があると言って図書館に……」
ヴェリアンの問いかけに、間髪入れずラルフィエールは言の葉を紡いだが、途中で凍りついた。
とある可能性が浮かんでしまったのだろう。それは質問役も同じ。
ガッドマギュラ。ラルフィエールの親友で、グドゥマ伯爵の養子にあたる。
種族はギガントであるが、幼い頃捨てられ、伯爵に助けられたそうだ。領地が近く年が同じのため、幼少期から親交を深めたのだという。
はしたなさを承知で紅茶をあおる。すでにラルフィエールのカップは空。茶菓子は辺境伯令息の持参した入れ物に戻した。
すぐさまとは言い難いが立ち上がったそのときだ。
「見つけたぞヴェリ! シャロはどこだ!?」
声を聞く覚悟はしていたが、台詞の内容までは予想していなかった。いや、したくもなかった。
源はやはり一人の青年。淡い金髪は荒糸さながらにもつれ、瑠璃を思わせる瞳は目尻が逆立っている。
マルケッタ・ザード。ザード王国の第一王子にしてヴェリアンの元婚約者だ。
「シャロナーナ様がどうかなさいました?」
無機的に公爵令嬢が尋ねると、第一王子は口を開き--ゆっくりと閉じてから、わざとらしく匂いを嗅いでみせる。
「……まったく、また捨てられるのが怖いからといって、こんな鼻の曲がる臭いがするものを飲むとは……」
「あら、わたくしメープルシロップ好きですよ。森の恵みは美味ですし」
さらりと聞き手は受け流す。
然り、半年前ヴェリアンはマルケッタに婚約を解消された。
彼いわく、“運命の恋を見つけた”。
第一王子の側には、当時編入したばかりの男爵令嬢がいた。
シャロナーナ・トゥセール。煌めくストロベリーブロンドを肩まで伸ばし、ピンクサファイアをはめ込んだ如し二重の瞳が印象的な少女。
栗色をした腰までの髪とハシバミ色の双眸を持つヴェリアンとは大違いである。
幸いだったのが、未来の王妃に対する教育が王家の裏側にまで進んでおらず、欠片も教えられなかったことだ。
確かに政略結婚で、胸を焦がす思いもゼロで、酩酊に似た感覚も絶無。しかし“はいそうですか、わかりました”では済まされない。そこを心に留めて父に話したところ、王家との話し合いが行われた。
結果、破棄ではなく解消。
とはいえ傷物になったのは事実。そんなヴェリアンに縁談を申し込んだのが、ラルフィエール本人である、
言わずもがなメリットを鑑みてだろうが、一向に構わない。旨味を見出だしたのは、公爵令嬢も同じだから。
こうしてことは収まった……と、二度目の婚約が成立した乙女は納得していたのだが、そうは行かなかった。
思い当たる節がなく、首をひねるばかりだが、元婚約者がヴェリアンに絡みだしたのだ。
現婚約者からのプレゼントであるイヤーカフをつけていたら、「そんな耳に合う飾りを探す暇があったら、形を魔術師に変えてもらえばいいだろう」とせせら笑う。
髪飾りを銀のティアラから柘植のマジェステに変えたら、「男の趣味だけでなく装飾品の趣味も悪くなったか」と仰々しく肩をすくめる。
挙句、「いくら樫の木が巨大だからといって、絞め殺しイチジクだけでなくカエンタケまで抱えていたら倒れるだろうに」。それも、ラルフィエールとガッドマギュラのいる前で。
自分を馬鹿にするだけなら許される。しかし彼は王国に住まう者として、何より上に立つ存在として禁句を口にした。
絞め殺しイチジク--
それはガッドマギュラ及びギガントに対する蔑称だから。種族差別などもってのほか。
公爵令嬢が諌めるより早く、辺境伯令息は柔らかくたしなめたが、第一王子は意味を読み取れぬに違いない。何せ謝ることを知らない男だ。おまけに、他人同然に戻った女を未だに愛称で呼ぶ無神経な輩。
だが、さらにヴェリアンの脳味噌を疲弊させる人物が。
シャロナーナである。
思い人と婚約できたのだから、それでいいはずだ。しかし、心の底から不可解なのだが、公爵令嬢と辺境伯令息の悪口を伯爵令息に吹き込んでいるのだ。
さらに違和感が纏わりつくのだが、何故かガッドマギュラをラルフィエールと思い込んでいる模様。聴いたところによると、顔を合わせる度に事実を明言しているのだが、まったくもって聞き入れてくれないのだとか。
ヴェリアンも説明しているのだが、シャロナーナは無視一辺倒。
「それより、お急ぎではないのですか?」
ラルフィエールが尋ねると、マルケッタは慌てて髪を撫でつけ、咳払いしてから、
「実はシャロを探しているのだが、見当たらなくてな。知らないか?」
質問の体をなしているが、明らかに犯人扱いである。
「いいえ、ここには来てませんよ」
代わりに答えたのは辺境伯令息。
闖入者は舌打ちをした。そして、演技じみた動作で二人がリラックスしていた空間を見回し、
「……ところであのギガントはどこだ?」
名を呼ぶのも汚らわしいとばかりに、言い放つ。
「--殿下、それは失礼ですよ。あの方にはガッドマギュラという立派なお名前があるのですから」
一歩も引かぬとばかりに公爵令嬢は告げる。
「……もしかして、二人で話しているとか?」
思いつきがラルフィエールの喉奥から転がっただけやも知れぬが、ヴェリアンとマルケッタを真顔にさせるには充分な威力を持っていた。仮説を立てるに足る要素を導いたらしく、辺境伯令息も口を閉ざす。
「……図書館に行ったんですよね?」
公爵令嬢がぎこちない口調で訊くと、現婚約者は首肯する。すでに元婚約者は駆け出していた。
「ち! ちょっと殿下!」
ヴェリアンが呼ぶも、マルケッタに止まる気配はない。
「--行こうリア、何にしても止めないと」
決然とした態度のラルフィエールに、無言で肯定する。誰をか今はわからないが、放ってはおけない。
品がないのは承知の上で、公爵令嬢は辺境伯令息と肩を並べて第一王子を追う。せわしなく靴底で地面を叩き、腕を振って。
何事もありませんように、何事もありませんように……と願いながら。
だが--
「きゃあああああああああああ!」
重厚な外観の図書館、入口まであと少しのところで、絹を裂くような悲鳴が響き渡る。裏側から。
音域に覚えがある。シャロナーナのものだ。建造物の側面が拝める位置に出たのは幸か不幸か。
「シャァァァァァロォォォォォオオ! 今行くぞぉぉぉぉおおお!!」
さらにはマルケッタの姿が。
心臓が限界を超えて脈動し、体内で暴れ回る。空気が肺に入ってくれない。それでもヴェリアンは前へ、前へ強引に両足を招く。後ろに目をやるラルフィエールに笑いかけて。
しばらくして、二人は目的地に辿り着いた。第一王子にやや遅れる形で。
そこにいたのは女一人男一人。
「あ、あ、あ、あ、あ……」
腰を抜かして震えているシャロナーナと、
「--ああ、マルケッタ様にラルフにヴェリアン様、どうされました?」
巌の如く落ち着いたガッドマギュラが。
「……一体どういうことか説明してもらおうか?」
伯爵令息をねめつけて、第一王子が詰問する。
「大したことではありませんよ。シャロナーナ様がわたくしをラルフィエールだと前々から勘違いしておりまして、口でわからないなら、わたくしの身体で証明しようと思ったのですが……どうやらやりすぎてしまったようですね」
自嘲気味に口角を上げるガッドマギュラは、確かに普段の姿とは変わっていた。銀の髪はそのままだが、アイスブルーの瞳は白目が黒く、色があった場所は白くなっている。肌の露出しているところには無数の筋が浮き出ていたし、爪は手より長い。
「……そう言えば、ガッドマギュラ様はギガント族の先祖返りでしたよね」
ヴェリアンは記憶を引き出すや、紡いでいた。書物から知識を仕入れ、さらに伯爵令息本人から彼の特性を聴いていたが、豹変後の肉体を見たのは初めてだ。
「自分も拝んだのは数回だけだよ。しかも事が済んだらすぐさま元の姿に戻したし」
ラルフィエールは念を押すように言う。重々しい口調から、どのような状況で披露したか、否、見せざるを得なかったか想像できた。
塑像を連想させる雰囲気で停止していたマルケッタだが、ガッドマギュラの語りを飲み込めたか鼻で笑い、
「言い訳ならもっとマシな言い訳を考えたらどうだ? お前の尖った耳を見て、誰がエルフと勘違いできる?」
「……へ?」
間の抜けた声が、ヴェリアンの鼓膜を震わせた。
「どうかしました? シャロナーナ様」
公爵令嬢は穏やかに尋ねるも、男爵令嬢は応えない。油の切れたカラクリ人形を彷彿とさせる、滑らかさとは程遠い様で首を稼働させる。
「……エルフ、じゃ、ないの?」
疑問を吐き出すが、ロクに舌の筋肉が機能していない。
「--どうやらマルケッタ様の意見は認められるようですね」
起きた出来事を分析し、淡々とガッドマギュラは奏でる。
ふう……とヴェリアンの横でラルフィエールが息をついた。安堵が大半を占めているのは理解できる。公爵令嬢も同感だからだ。
「……シャロ?」
愛しの君を呼ぶ第一王子につられ、元政略結婚の相手も意識を誘われ、面が導かれる。
刹那、左右だけでなく上下が白目になる域で、男爵令嬢は瞠目し、こめかみが眉を引き上げた。
「さ! 詐欺よ詐欺! あんたわたしを騙していたの!? なんでそんな耳しているのにエルフじゃないのよ!?」
「騙すも何も初めから言ってたじゃありませんか?」
唐辛子を漬けたワインを一気飲みしたセイレーンも飛び去る大音声が、シャロナーナからほとばしるも、ガッドマギュラは凪いだ海だ。
だが、ヴェリアンの口は一瞬上向きの弧を描いた。
聴いた、耳に届いた。
“そんな耳しているのにエルフじゃないのよ!?”?
自然と視線が向かったのは--伯爵令息が持つ横に長い顔の一部。
なんとも言えないズレを嗅ぎ取る公爵令嬢だが、男爵令嬢は止まらない。続いてラルフィエールを人差し指で差すと、
「じゃあ何!? そいつがエルフなの!? バカ言わないで! そんな奴がエルフなわけないじゃない! どう見てもギガントでしょうが!」
「……正確には“エルフの血が色濃く現れている”だけで、エルフではありませんけどね」
訂正する辺境伯令息だが、男爵令嬢は突き進む。
「そんなのどうだっていいわよ! だいたいねえ! そんな山猿みたいな品性のない奴のどこがエルフだって言うのよ!!」
--ヴェリアンの頭に血液が集束する。そのくせやたらと冷えきっていた。
「……そちらこそ、どのようなものでエルフを知ってきたのです? エルフは“森の人”“神に愛された存在”。この福耳が見えなかったんですか? さらにこの赤いお髪はエルフの住まう森で育まれた楓を表し、この黄緑色の瞳は若葉の象徴。それ以前にラルフィエール様がわたくしの婚約者と聴いていたなら、おそろいのモチーフをもつ耳飾りを見て判断しなかったのですか?」
「……引っかけだと思ったんだもん」
公爵令嬢から目をそらし、男爵令嬢は口内で言葉をこね回す。
そう、ラルフィエールは長くて下ぶくれの耳朶で知られる、エルフの特徴を如実に表していた。なんでもそのような姿持つ先祖が、砂漠に雨を降らし、恵みをもたらしたところから、“エルフは福耳”として知られている。場合によっては、わざわざ重りをつけて伸ばす者もいれば、穴を開けて宝石や細工物をはめる民もいるとか。
広げたり垂らしたりするつもりはなかろうが、辺境伯令息が肉体に持つ降雨の証には、雫型のピアスが揺れている。公爵令嬢のイヤーカフにも、同じ形状のものが動きに合わせて軌跡を描いていた。
ヴェリアンには耳たぶがない。それゆえにマルケッタには馬鹿にされていたのだが、ラルフィエールは言ってくれたのだ。
「夫婦とはお互いの欠点を補い、長所を引き出すもの。二人で頑張りましょう」と。
ヴェリアンが双眸をそらさぬままにしていると、シャロナーナの面差しが変わっていく。サナトリウムの住民ではなく、手負いの野獣だ。
「……だってエルフって尖った耳がお約束じゃない!? マンガでもアニメでもゲームでも! わたしが見てきたやつじゃそうだったもん!!」
「「まんが? あにめ? げーむ?」」
聞き慣れぬ単語を公爵令嬢が反射的に口にしたら、現婚約者と唱和してしまった。
「……すみません、少々気になるのですが、その“まんが”や“あにめ”や“げーむ”とは、演劇や小説みたいなものでよろしいでしょうか?」
どうやら伯爵令息の方が、柔軟な思考と明晰な頭脳を誇る様子。公爵令嬢は情報を整理できなかった己を張り倒したくなった。
「まあそんなところね。自分で選択肢選ぶやつもあるけど」
「なるほど」
顎を突き出したシャロナーナの返答に、ガッドマギュラは首を二回縦に振り、
「つまりあなたの見てきたものは絵姿のようなもの。いわゆる虚像ですね」
一刀両断に切り捨てた。姿を元に戻し、宗教画より後光が似合う笑みで。
「な……」
男爵令嬢は鼻白む。
「--マギ、それは言いすぎじゃないか?」
語調円かにラルフィエールは指摘する。
「そうとしか思えないぞ。まあ、どこでそれを観たか気になるが、そもそもなんで虚像をこの世界のエルフに当てはめたんだ? 所詮紙に描いたエルフの絵なのに」
ガッドマギュラの疑問ももっともだが、ヴェリアンには他にも無視できないことが。
その一つに--
「……殿下、どうかなさいましたか?」
先程からまばたきすらしない、元婚約者を呼んでみる。
呪縛から解放されたか、マルケッタの目に光が宿った。
でもそれは事故を引き起こし--
「……だいたいねえ! なんで卒業パーティーの前に婚約解消したのよ! 第一王子ルートにそんなのなかったのに! どうしてくれんのよ!」
愛で結ばれたはずの未来の伴侶に、男爵令嬢は唾を飛ばして暴言をぶつける。それは予想の範囲だが、内容があまりにも支離滅裂。平時は余裕綽々なマルケッタも逃げ腰だ。
ヴェリアンは悟る。ここでこうしていても、どうにもならないのは明白だ。
「……とりあえず、場所を変えません?」
苦肉の策は承知だが、どうにか男性三人は賛成してくれた。
数日後--
事件の傷跡を癒す如く、ヴェリアンとラルフィエール、さらに一番の被害者であるガッドマギュラは、ハーブティーを飲んでいた。リール公爵領で取れた、ミントとカモミールをブレンドしたものだ。
あのあと--
迂闊な場所では聴けないと判じた結果、四人は人払いをした上で、学園の一室にシャロナーナを連れてきた。王族とその婚約者には“影”がついているが、元政略結婚の相手は沈黙を保つ。
そこで男爵令嬢はしゃべり出した。
曰く、この世界は『永遠の愛をあなたと紡いで』なる“げーむ”で、異なる魅力を持つ男性との疑似恋愛を堪能する遊戯物。第一王子、マルケッタも相手役の一人。自分は主人公であるシャロナーナに転生。
第一王子と絆を育む中で、障害となるのが“悪役令嬢”であるヴェリアン。本来は卒業パーティーでマルケッタはヴェリアンに婚約破棄を告げるはずだったそうだ。
しかし今回は一年半前に二人の関係は“解消”。おまけに、落ちるところまで落ちるはずの“悪役令嬢”は、“エルフ”の血を引く男子に見初められた。
そんなことはありえない、と結論づけ、ヴェリアンとラルフィエールの仲を妨害しようと企てたのだとか。まあ、標的を間違えたわけだが。
「だって耳が尖っていたし、マルケッタ様も“絞め殺しイチジク”って言うから、そう思い込んだのよ」
口を尖らせる“シャロナーナ”に、冷めた眼差しでガッドマギュラは、
「……そもそもあんたがその身体に入った時点で、世界が歪むのは当然だろ。それ以前に二人の仲を妨害するなよ」
容赦なく言い捨てた。
……一連の事件は、王族に任せた。
マルケッタとシャロナーナの婚約は破棄。
マルケッタは卒業後、離れの塔に幽閉、やはりギガント族を“絞め殺しイチジク”呼ばわりは、種族平等を掲げるザード王国にはふさわしくないとのこと。
シャロナーナは特殊施療院で“療養”と判断された。
第一王子も男爵令嬢も、処遇の撤回を求める手紙を公爵令嬢に送ってきたが、すべて拒否した。
「……それにしても……授業を受けていればわかっていたことでしたのに……」
嘆息するヴェリアンだが、
「--この世界を知っている驕りと思い込みがあったのでしょう」
ためらいなくガッドマギュラは応えた。
「……結局は、本人の資質だね」
言うと、ラルフィエールは遠くを見つめる。
「--リア、マギ、シャロナーナ様が言うに、この世界は虚像らしいけど、自分は信じられないんだ。だって、ここで生きてきたんだよ。今までずっと、ううん、これからも」
己に言い聞かせている風情。
「だったらそれもまた一興です。ラルフィエール様、この世界が真実でも偽りでも、わたくしたちが生きているのは事実です。だから共に生きていきましょう」
「わたしもヴェリアン様と同じ意見だ。極論を承知で言うが、この世界や自分の存在が嘘だとして、お前はそれをあっさり受け入れられるのか?」
公爵令嬢に続き、伯爵令息も説く。
「……無理だな」
辺境伯令息は頬を上げて応えた。
--ヴェリアンは胸が高鳴るのを自覚した。
うぬぼれてもいいだろうか。ラルフィエールと自分の間に確かな絆があると。公爵令嬢は両手の平でティーカップを包み込むように持っていた。
むかーし見た毛むくじゃらエルフでかまそうかと思いましたが、とあるマンガのキャラを見て、「福耳でやってみたい」と思いまして……安直は承知で、エルフらしからぬエルフネタかましてみました。
だいたいエルフの外見は同じ(尖り耳)パターンだから、どんなマンガやアニメみても、たくさんゲームやっても、逆に先入観や固定観念が強化されそうだなって思いまして。