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調査

俺は宝具の作成に取りかかった。


まず移動用の宝具をつくる。

鉄を錬金術で箱の形にして、操縦席などの座席を取り付ける、キツキツで10人ほど乗れそうだ。

そして浮遊と推進の宝具をミスリルで作成し取り付る。

浮遊の宝具は箱の四隅に、推進の宝具は側面に前進と後進が出来る様に取り付けた。


うん小さい輸送用装甲車みたいだ。


錬金術で装甲を厚くして。余裕が出来た所に魔力増幅回路と強靭、効果増幅を刻んでいく。今までの宝具とは違ってかなりデカいので回路の量に困る事は全くない。死ぬほど刻んでやる!


うん完成。


前進はは後ろの宝具を、後進は前の、上昇と下降は底面の宝具をそれぞれ調整しながら行う。

旋回は前進と後進の宝具を左右で調整。

屋根の宝具は転倒した時用。


あ!あと結界入れとこう。

トイレもいるか。


結果、操縦席には7つも魔力印がある。間違えそう。

だが完成!満足だ。


次は要塞用の結界、普通に、結界と刻んでも3、4メートルくらいの結界にしかならないので、範囲拡大の文字を刻むことにした。この文字かなり燃費悪いので殆ど使われない。


要塞と防壁を結界の範囲に入れるまで大きくしなければならないので宝具を大きくして魔力増幅回路を極限まで刻む。


3メートル四方のミスリルの立方体になった。

中は回路で埋め尽くされているので物理的に少し脆い。

魔力印は直列で4つつけてあり、4人で同時に起動する。

要塞内に設置した。



「どうだ!ギュンター中々だろう?」

「錬金術でこんなでっかい物作れるもんなんですね。」


「努力の結晶さ!」


そう、俺は王都で血の滲むような努力のしたのだ。

アリアナさんとイチャイチャしたいのを必死に、我慢して修行した!

お館様、そろそろ休憩に、一緒にお茶でも

とか言われても

いや、もう少しやるから、キリッ!!!

吐血するわ!!

今ならホワイ◯ベースだって作れるわ!


ごめんウソ。


「明日にでも出発しますか?」

「そうだな、早いほうがいい。」


「では選抜メンバーとは今日顔合わせといきましょう。司令室に連れて行きます。待ってて下さい。」


「頼む。」


俺は司令室に入って、机に肘をつき手を鼻の前に組む。少し見下すような視線にする。

………。

しばらく待つ。

……………。

疲れるやめよう。


「司令!連れてきました。」

「入ってくれ。」

「失礼します。」


男性が4人、女性が2人だ

「紹介します、まずビリーとピーター殿、それぞれ鉱物と農業の専門家です。」

「よろしくお願いします。」

「よろしく。」


「騎士のスヴェン・フォン・メルケルとホーク殿それぞれ剣の達人です。」

「よろしくお願いします。」

「よろしく。」


「イナ殿、火龍の扱いに最も長けています。ハンナ殿、調査隊随一の魔力量を誇ります。」

「司令よろしくお願いします。」

「よ、よろしく頼む。」


ヤバイ新しい女性に緊張してどもった。頼む!気にしないでくれ!


「それでは諸君明日の朝に内陸部の調査に出発する。調査には移動用宝具『飛龍』を使用する。最優先目標は暗黒大陸で農業用地及び鉱山の発見だ。」


ビリーとピーターがなる程とうなずく。


「それとこれは他言無用だが原住民がいる可能性がある、対応は極めて慎重に行う必要がある、くれぐれも短慮な行動をしないよう気を付けてくれ。」


「司令。原住民がいたとしてどの様な対応を考えられてるのですか?」


ハンナさんが話しかけてくれた。


「できれば協力関係が望ましい。調査隊は250 人しかいない。人手は多いに越した事は無い。」

「わかりました。」


ハンナさんが返事してくれた。


「他に質問は?」

「司令。飛龍というのは?」


「それは明日見せようと思う、諸君らは乗っているだけだから特に問題はないよ。ただ周囲の警戒や目標の発見には協力して貰う。」


「わかりました。」


「他には?」

「ありません。」


「各自龍玉と龍鱗はすぐに使える様に練習しておいてくれ、それと持っていく装備の準備を頼む、食料は飛龍に積んでおくので心配は無用だ。」


「了解!」

「では解散だ。」


ギュンター以外部屋から出て行った。

「司令、ハンナが好みなんですか?」

「うるせぇぇぇぇぇ!」



翌日、朝食をとり全員飛龍の前に集合した。

みんな何これ!といった顔だ。


「では出発する。助手席も含めれば全員座れるようになっているから席についてくれ。操縦は私がする。」


「了解?」

これからどうなるの?って顔に書いてある。


助手席にはイナが来た。好奇心からかワクワクしている。おじさんドキドキしている。


「ではシートベルトをして下さい。」

「え?」「あ、これ?」


と、みんな不安一杯でベルトをつけている。


「司令!気をつけて行ってきて下さいよ!」

「ありがとうギュンター。留守を頼むよ!」

「了解です。」


「よし!出発!」

俺は龍玉を起動して飛龍に魔力を流し込んだ。

飛龍が浮き上がる。


よし安定してるな。


防壁を超える高さまで上昇してから推進に魔力を流す。

キーンという音と共に飛龍が加速していく、どんどん要塞が小さくなっていく。


目指すは東だ!


イナや男性陣は、スゲーとかはや!とか楽しんでいるがハンナはかなり怖いのか目を押さえてる。可愛い。でも酔うよ?


魔力回復量と釣り合う様にスピードを落としていく。まぁこんな感じかな。


地上10メートルを流れる様に進んでいく。やっぱり空飛ぶ車ってロマンだよな。全然揺れないし前世の車を軽く超えてるよ。


「じゃあ、みんな周囲の警戒を頼む、壁の遠視の宝具も使ってくれて構わない。」

「わかりました。」


5人は周り見渡しだした。

ハンナは震えている。


すぐに山や森が見えてきた。これで森の恵みは確定。あの山鉱山だったらいいのにな。


森から少しそれた所を進んでいると


「ピーター殿あれはもしや畑では?」

「なに!本当だ畑だ!間違いない!」

「やっぱり原住民が!」


スヴェンが見つけてくれた様だ。


「司令!」

「上空から周囲を確認する!」

「え?」


俺は魔力を多く込めて飛龍を上昇させた。

「きゃあぁぁぁぁ!」

ハンナごめん。

一気に50メートルくらい上昇し森と畑の周囲を旋回する。


「司令!森の中に集落らしきものがあります!」


本当に居たよ。向こうもこっちに気づいたようだ。指差してる。


「森の外に飛龍を下ろして徒歩で周囲の確認を行おう。」


森から少し離れた位置に着陸した。

「飛龍の防衛にスヴェン、ハンナ、ピーター、ビリーが残ってくれ。最悪戦わなくていい、飛龍の結界を起動していれば大丈夫だ。」


「了解。」

ハンナは目を回している。


「ホーク、イナは俺と森の中を偵察する!」

「了解!」

「行動開始だ。」


ホークが先導、俺とイナが火龍を構えて中衛と後衛だ。俺は主に結界役だな。


集落にはすぐ着いた。様子をうかがう。


え?ダークエルフ?褐色っ娘だ!耳長い!

これはクロードポイント高いよ!凄い良い!


「ホーク、イナどう思う?」

「警戒していますね兵士が集まっています。言葉が聞こえてこないのが不気味です。しかし私の腕と司令が作った宝具があれば全員切って捨てられます。」


「私も!全員燃やせると思います!」


「やめろ!それは最終手段だ。」

ふざけんな褐色っ娘だぞ。貴重だぞ?前世では絶滅危惧種だったんだぞ?


「むぅ。」「はーいわかりました。」

こいつら脳筋だ。


「よし、結界を起動して踏み込もう、俺が良いというまで武器は使うなよ?襲われたら基本飛龍まで後退だ。」


「了解。」

コラコラ舌舐めずりしないの。


俺たちは結界を起動して集落に踏み込んだ。

すぐに取り囲まれた。


【何者だ!】


な!声が音じゃない、頭に響く!


「俺たちはこの大陸の外から来た。ルーネ王国の調査隊だ。この大陸の調査を行うのが目的だ。貴方たちとは交流を持てれば嬉しい。」


【力を持たぬものと交わす言葉などない】


ホークとイナの殺気が膨れ上がる。

「切る」「燃やしたい燃やしたい燃やしたい」


ヤバイ

「武力はそれなりにあると思うが?」

【そんなはずは無い、お前たちからは蚊ほども力を感じない】


何故だ?結界も展開している、少なくとも魔力は出してる。違う力を持っているのか?


「その力とやら見せてくれないのか?相手は俺がするぞ?」


「司令それならば私が!」「いや私が!」


「いや、得体の知れない力だとしたら、くらう事自体が危険な可能性がある。俺の宝具ならまずくらわない」

「はい?」


【後悔するなよ?】


銀髪の褐色っ娘の1人が前に出る。


なにぃぃぃ!それは卑怯だ!すっごいポイント高いよこの子!

いや、うまくやれば……。くっ集中が!


「ホーク剣を貸してくれ」

「司令?剣を使えるんですか?」


「大丈夫だよ壊さないから。」

「そうじゃないです。大丈夫なんですね?」


「まかせろ。」


俺は褐色っ娘に向けて剣を構えた。

「よし、いつでも来い!」

「司令!腰が引けてますよ!」

「うるせぇぇ!」


【その様なもの私には通じない、いくぞ!】


褐色っ娘は俺に向けて手をかざした。

掌が歪んで見える。

何か飛んでくる!

俺は直感的に横に飛びながら隠龍を起動した。


俺がさっきまでいた所が吹き飛んだ。かなりの威力だ!しかしこれが力なら結界で受けても問題なさそうだ。


【何!消えた?】


褐色っ娘はまわりを見回している。

良かったー視覚は人間と同じかな?


俺はゆっくりと歩く、認識阻害が全ての認識から俺を外す。迷彩が俺を風景に同化させる。


真後ろだ!いい匂い!

俺は膝裏を蹴って跪かせ首を押さえつけながら剣を突きつけて隠龍を解いた。


「動くな!お前の負けだ。」


褐色っ娘が信じられないものを見る様な目で見てくる。ホークもイナも呆けた顔をしている。


「力は示した、合格か?」

【私もろとも殺せ!】


「司令!」

俺は龍鱗を起動した。


集落全員の手からさっきの攻撃が飛んでくる。

視界が爆炎で埋め尽くされ、爆音が耳を塞ぐ。

が、

俺には届かない。押さえつけられた褐色っ娘は訳がわからない様子だ。


視界が戻ると化物を見る様な目が俺を見つめている。


【何者なのだ、お前は。】


「ルーネ王国調査隊司令官、クロード・フォン・ドレイクだ。話をさせろ。」


【わかった。掟に従い、強き者に従う。】


褐色っ娘から力が抜けるのを感じ、解放した。


褐色っ娘は立ち上がってこちらを見つめている。


【長の所に案内する。】

「ありがとう。」


俺とホーク、イナは他より少し大きめの家に案内された。

中では老人が待っていた。

「今回の来訪者は伝えられているものと随分様子が違うな、外の世界は変わったのか?」


「!俺たちの言葉が喋れるのか!?」

「ワシだけだ、他のものは思念でしか外界の者とは喋れぬ。」


「何故貴方は喋れるのです?」


「500年ほど前にこの地に初めて外界の民が来た。その中でこの大陸に取り残された者が居たのだ。ワシらの祖先はその者たちを助けた。そこで言葉が伝わった様だ。思念を用いる為我らは言葉の意味に困る事はない。」


そこまで喋ると少し老人から怒りを感じた。


「しかし、その後に来た者どもはこの大地で殺戮を行った。多くの仲間が殺された。」


怒りが膨れ上がる。


「我らの祖先は思念の力を使い魔獣に外の民を追い出させたのだ。以来それらがここまで来た事はない。」


「理解しました。当時多くの国がこの大陸を目指したとうかがっています。我が国が虐殺を行ったかは聞かされておりませんが、謝罪を、申し訳ない。」


「ふむ、お主の思念は正直だ本心で謝罪しているのが分かる。」


「心が読めるので?」


「いや、お主が話す事象自体を我らは感じとっているのだ。言葉自体は意味がない。」


「なる程どんな者とも会話が成立すると。」


「お主からは何か他と違うモノを感じる、他の者では感じた事のないモノだ。」


ヤベ転生がバレてるのかな。


「魔獣達に私たちを攻撃しない様に指示出来ますか?」


「それは、ある意味不可能だ。魔獣達と話すには条件がある、魔獣達より強いか、魔獣達に生贄を捧げるかだ。」


「な!それは!」

「当時、魔獣達を御せる程の英雄がいた、その者が最強の思念を発すると共に生贄になった。」


「その英雄を越えるほどの思念を出す者は存在しないし、我らは襲われぬ為、我らにはその必要もない。」


「わかりました。」


「ではこの集落と交流を持ちたいと思います。私達には情報が無い、あなた方には対価となるものを渡しましょう。」


「良いだろう。お主は信用できる。フェイを連れて行け、掟でもそうなる予定だった、ちょうど良い。」


「はい?」


隣の銀髪の褐色っ子が顔を真っ赤にしてモジモジしていた。


え?

今回も読んで頂きありがとうございます。少しでも楽しんで頂けていたら幸いです。

褐色っ娘がすごく好きです、でもメインヒロインにはあまり見かけませんよね。無いなら作りたいと思ってます。多分。

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