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新技

「では、ドレイク男爵頼んだぞ。王都での屋敷は押さえさせている、これだ。まずはそこを活動の拠点にしなさい。」

そういって国王は屋敷の場所を書いた紙を渡して帰って行った。


国王は大きな投資をしてくれたようだ。頑張らないとな。

まずは錬金術からだ。

「アルケーミア伯爵よろしくお願いします。」

「こちらこそドレイク男爵。明日から修行を開始ししましょう。」



一方ドーズ辺境伯やスイード男爵は領地に帰る事になった。


「ではドレイク男爵、寄子の手続きはやっておくから。ちゃんと面倒みるからね!そうだ、結婚相手も探さないと!」


く、こんな女の子に結婚相手を紹介されるとは!!

しかし、それならカナリアさんをください!


「私はサラの街復興の指揮を取ることになる。本当は手伝って欲しかったけどね。陛下に持っていかれたからね。」

「大変お世話になりました。私に出来ることがあれば何でも言ってください。」


2人は連れてきた軍と共に帰っていった。


取り敢えず下賜された屋敷を見に行こう。


良かった、普通だ、普通の男爵の屋敷だ。

「ごめんください」俺の屋敷やけど。

「お帰りなさいませお館様。」


「え!?」

そこにはカナリアさんがいた。


「か、カナリアさん?」

まさか辺境伯の所を辞めてまで俺の所に来てくれたのか?

あなたは俺の心をどうしたいんだ!

イヤ、もうどうにでもしてくれぇぇぇ!

大好きだぁぁぁぁぁ!


「いえ、妹のアリアナです。」


「え、……!!」

姉妹!似すぎ!ポ◯モンか!


「竜討伐の英雄にお仕え出来て光栄です。陛下からしばらくこちらで働く様指示を受けています。今は私1人ですが、すぐに他の使用人もやってまいります。」


陛下、見事な手際でございます。有難うございます。


しかしアリアナさん、初恋の人に似てますよ作戦はヤバイ!!クロードポイント高いわぁ。


1人葛藤している俺をアリアナさんが不思議そうに見ている。ヤバイ。


「うん、これからよろしくお願いします。」


「夕食までおくつろぎになりますか?」

「ええ、屋敷の中を見て回っておきます。」

「ではご案内します。」


屋敷は20位部屋があり、更に食堂や厨房、工房などがある様だ。

「一階の何部屋かは使用人の部屋になる予定です。」

「そしてここがお館様の寝室です。」

キングサイズのベッドやクローゼットはとても綺麗だった。


「とても良い屋敷だね。案内ありがとう。」

「いえ、それと陛下から今回の竜討伐の報酬が届いております。」

アリアナさんは寝室のテーブルに置いてあった俺の身の丈ほどもある布袋を示した。


「多くない?」

「竜の討伐ですから、ちなみにこの屋敷を買った残りのお金ですので。」


まさかのお釣り。

でも多分これも投資なんだろう、暗黒大陸開拓のための準備に使おう。


「では私は夕食を準備して来ます、夕食では残りの使用人を紹介できると思います。」


俺は寝室のベッドでゴロゴロした。

気持ちいい。


夕食の時間になった。

「執事のコルドです。」

黒髪の美青年で30歳くらいの様だ。

「メイドのロエルです。」

こちらも黒髪の30位のおねーさんだ。

「よろしくお願いします。」

「こちらこそ宜しく頼みます。」


この3人で屋敷を取り仕切ってくれる様だ。なんか頼れる人オーラが凄いわ。


夕食は大変美味しく頂きました。

アリアナさんは料理も上手いのかーあー悩むわー。


翌日、伯爵邸で修行が始まった。

「まずはドレイク男爵の刻印魔法から教えてほしいわ、昨日から楽しみで仕方なかったの。」

「ええ、私の魔法の種は簡単ですので、その方が良いでしょう。」


簡単なの?という顔の伯爵。


まず鉄板に簡単な光の宝具を作成した。

「これが普通の宝具の作り方ですね。」

「そうね」


次に別の鉄板に魔力増幅回路を刻み宝具を作った。当然内部に刻むので外からは回路が無い様に見える。

「これが私独自の宝具の作り方になります。両方に魔力を通してみてください。」


伯爵はわからないわという顔で魔力を通した。

「何故か回路が無いにも関わらずこちらの方が光が圧倒的に強いわ。」


「種明かしをすると、回路は鉄板の中に刻んであります。

「?何故そんな事を?」

「では次は表面に刻んでみましょう。」


俺は次の鉄板の表面に魔力増幅回路を刻んで見せた。

「!全て文字で構成しているの?しかしこれでは回路の耐久性が著しく低くなってしまう、なるほど!!それで内部に!」


伯爵は得心がいったと言う顔をしたが、だんだんと顔が暗くなっていく。


「ではどの様に内部に刻んでいるの?」

「素材の中に魔力を送り込んでそこで文字の形に魔力を練り、刻印魔法を発動させます。」


「……。」


伯爵?


「つまり遠隔で魔力の形を変え、刻印魔法を使ったと!?」

「はい。」

「男爵、それは、普通出来ない事よ。古の魔道にも通じる様な魔力操作、年単位で魔力操作に特化した訓練をしても習得出来るかどうかというレベルのものよ。」


「そんなはずは……。」

結構普通に出来てたよな?魔力の形を変えるのも簡単だったし。


「魔力を浮かすだけなら簡単、しかしその状態で形を変えたり、刻印魔法を使ったりとなると出来るものはかなり限られる。しかもこんなに早く、細かくとなると、天才よ?」


なる程、納得。俺スゲー。


「私の錬金術でも魔力の遠隔操作をするわ、でもそれは全体の大まかな形を決める際に使う程度のものなのよ。」


つまり細かい事は無理だと。


「しかし、良い目標ね練習してみましょう。ちなみに男爵はどんな方法で練習を?」


「ひたすらこの方法で宝具を作ったというのもありますが、暇な時に手の上に魔力で文字を書いています。この様に。」

俺は手のひらの上を文字列が流れていくのを見せた。


「な、なるほど……。わかった。努力あるのみね。」

伯爵は引き気味だ。


「し、しかし男爵にも苦労してもらうわ。錬金術を教えるわ!」

伯爵気合いが入ってるな。


「錬金術とは読んで字の如く金属を練る技術。本番では主に魔力に反応しやすいミスリルを使用するけど、練習用にするには貴重すぎるため、鉄で練習します。」


やっぱり貴重なんだ。


「錬金術に必要なのも魔力操作だけど金属を変形させるほど力強く魔力を動かさなくてはならない。」


まさかの力技。


「また出来るだけ多くの魔力を宝具が完成するまで動かし続ける持久力も必要よ。」


もう脳筋。


「ドレイク男爵の魔力では全く足りない、最初に魔力増幅訓練をしてもらう事になるわ。全魔力を練り続けるのよ。」


そういう事なら解決策がある。

「この位なら足りますか?」

俺は龍玉を発動し尋ねた。


「な、なによそれぇぇぇ!!魔力増えたじゃない!私より遥かに多いじゃない!どういうこと!?」


ビックリした。

「龍玉という宝具です、装備者の魔力を増幅してくれます。」


「なにその画期的な宝具!でもそうね!魔力増幅の回路があれば装備者魔力増幅なんて文字も使用できるのね!凄い!欲しい!」


伯爵、キャラ崩壊してます、全然妖艶じゃない。見た目は物凄い綺麗なのに。


「それ貸してくれる?」

「勿論どうぞ。」


伯爵は魔力を増幅して鉄を弄りはじめた。

凄い魔力だ。俺なんか及びもつかない。


鉄塊が瞬く間にいろんな形になっていく、壺とか鎧とか槍とか。自由自在だ。

「凄い魔力だわ!ミスリルであればかなり巨大な物を作れるはず。」


伯爵ご機嫌だ。


「では男爵はこの宝具を使いながら錬金術を習得していきましょう、魔力を強く動かすにはそれなりにコツがいるからね。習得してから魔力の増幅訓練をコツコツしていけば更に上達するはず。」


「はい!」

俺は龍玉をつけて魔力を込めた。


「まず鉄板で練習しましょう、魔力量は十分なので動かすイメージが大事になる。魔力を鉄板に込めなさい。」

俺は出来るだけ多くの魔力を鉄板に込めた。


「魔力が鉄より圧倒的に硬く、力があるイメージを持って、そして鉄板を覆っている魔力を目的の形に変形させていく。」


俺はまず曲げるイメージで変形させた。ゆっくりと鉄板が曲がっていく。

おお!凄い。だんだんコツが分かってきた。

俺は調子に乗って鉄板を丸めていく。


楽しいかも……。


魔力で鉄を変形させるごとに、自分の常識が変形していく。魔力は鉄より硬い。


どんどん変形が加速する。


鉄板は鉄球になった。


「初めてで成功。流石の魔力操作だわ。魔力が多過ぎるのはあるけど、文句無しの合格点ね。」


「では伯爵、これを繰り返してイメージを固めていけば何でも作れるようになるって事ですね?」


「そうね、間違ってはいないわ、自在に形を成型していく工程はかなりの経験が必要、私も何年も費やしているわ。これを持って帰って練習しなさい。」

伯爵は50センチ位の鉄塊に軽量の文字を刻んで渡してきた。


「とはいってもそれは第一段階、まだまだ練習の域を出ないレベル。錬金術とは言えないわ。」


練習?


「次の段階では金属を液体の様なものとして扱えるほど魔力を強くしなくてはならないの。」


「もしかして伯爵がミスリルを錬金術で鍛えたと言っていた、その方法ですか?」


「そうよ、融合という技、金属と魔力が均一になる様に…混ぜる!」


混ぜる!固体を?


「それは難しそうですね。」

「そうねコツがいるし、単に金属の形を変えるという程度のイメージでは無理、まさに液体同士を混ぜる様に魔力で金属を変形させながら魔力を注いでいく。見せてあげるわ。」


伯爵は右手で鉄塊に魔力を込めた、鉄が液体の様にプルプルと震えだし餅でもこねるかのように蠢き出す。


「ここで魔力を混ぜる!」


今度は左手を添えて魔力を鉄に注いでいく。


少し混ぜたあと、球形に成型し、俺の前に置いた。


「ここまでやって錬金術と呼ぶに値するの。私は宝具師でもあるから、融合の後宝具の形に成形していくわ。」


俺は伯爵が成形した鉄を触ってみた。


「普通の鉄ではない感じがします。」

「そうねミスリルほどではないけどこれで宝具を作れば性能が上がるわ。」


これは極めるまでかなりかかるな。


「まず第一段階で鉄塊に硬さを感じなくなったら、融合の練習をしなさい。」


「わかりました、では伯爵また来ます!」

「ええ、私も必要になったら伺うわ。」


俺は鉄塊を持って屋敷に戻り、自室に入った。10歳の子供が鉄塊を抱えて走ってるのはかなり周りを驚かせた様だった。


「よし!やるぞ!」


俺が錬金術を極めるまで5年かかった。

今回も読んでくださってありがとうございました。皆様が少しでも楽しんでいただけたら幸いです。

これからも少しずつ良い小説にしていこうと思います。よろしくお願いします。

個人的に錬金術はロマンです。使ってみたい!

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