北極戦線⑫ :瞬間、そして2秒後の未来
※キャラクター投票・実施中。実施中なのん?
URLは⇒http://enq-maker.com/41XpKfV
でう。あ、噛んだ。おヒマであればやってみてくださいね。(投票期間:100票集まるまで。感想欄・メッセージでも受け付けてますー)
part-s
ミオもまた、不可解な光を捉えていた。
距離はかなりあるようだったが――北極基地から2km近くあるこの場所でも、遮蔽物がなければ光は届く。
(……なんだ?)
ミオはモニターを広角化させ、基地の様子が映るように調節した。しかし詳細な動向は見えない――というのも何らかの作用によって蒸発した水蒸気の霧が、氷の大陸を覆うように隠しているからだ。
「トモカ、なにか見えるか?」
『大量の水分が電磁波を遮っていて……いえ、モニター回復しました。
っ! こ、これは……!』
「どうした?」
『北極基地中心部に巨大な熱量、1! 識別信号イエロー、コード名〈イーサー・ヴァルチャ〉です!!』
「……っ!?」
モニターのなか、次第に水蒸気の霧が晴れてゆく――そこから現れたのは、以前にも見たことのある緑の機体。外見は二機の〈クランツ〉の中間に近いが、装甲が厚いためかサイズが大きい。
ロシュランテの街を一撃で焼き払い――
何の罪もないレゼアを下半身不随へ追いやった――
憎むべき敵が、そこにいた。
ミオは沸き上がってくる激情に駆られるまま、
「トモカ、アイツをやるぞ。ヤツだけはここで沈めておく、いいな!?」
『は、はい!』
ミオは続くまま「レナ、――」と言いかけた言葉を呑んで回線へ、
「そこの〈アクト〉のパイロット、聞こえるな!? 今すぐあのデカいのをやる!」
『わかってる! なんでいつも邪魔されんのよ、あたしたちはっ!!』
「知るか! そこの二機は俺と反対側からアイツを止めろ、タダじゃ近づけすらしない! そこの新型、聞こえてるのか!?」
ミオは怒鳴り声のまま、氷の足場へ立つ新型機――そのパイロットへ叫んだ。銀灰色の機体は、しかし金縛りにでもされたように動かない。
(たしか……あの機体のパイロットは)
ロシュランテで、レゼアが最後まで動こうとしなかったとき――彼女がようやく機体を跳躍させて助けようとしたのが、刀を装備した〈エーラント〉だった。
そしてレゼアは――不幸な目にあった。
ミオは、くっ、と機体を駆って新型機へ掴みかかり、
「ボーッとするな、このバカ! 俺たちは、死ぬために戦場にいるんじゃないだろ!」
『……ケタが、違いすぎる……』
「だったら強くなれ! 死んでからじゃ何もかもが遅せぇんだよ!!」
銀灰色の機体を突き放した勢いのまま、〈オルウェントクランツ〉は全開のバーニアを噴かして目的地へ――目標は緑の機体。
ミオは回線へ向かって、
「トモカ――」
『はい。視えます』
彼女はゆっくり――その双鉾をひらくように、
『視えます。――二秒後の、未来が』
さて、こんなカンジで(どんなカンジで?)お送りしました。
まずはキャラ投票してくださった3人の勇者さま、ありがとうございました。それぞれロト、セフィロト、ロトシックスさんと呼ばせていただきますー。
どうやらレゼアが先行してるみたいですね。100票集まるまでが期間なので、まぁじっくりやっていこうかなぁ。
さて、予告です予告。
予告。
ついに対面するミオとレー。二人に秘められた秘密と関係は……?
そして紅い瞳の少年へ叫ぶミオ。
「殺してやる……おまえは……っ! おまえだけはっ!」
――その中では、何かが吹っ切れていた。
次話、『北極戦線⑬ :澪と零』