デスアンドゲーム
『99話 0(ゼロ)の門番』
ダンジョンアンドドラゴンVRR-MMOでは0(ゼロ)が0(ゼロ)の理由がある。
天帝と覇帝の決戦の記録(記録本)である。
歴史書ではない人物史からなる決戦の記録(記録本)は、
ダンジョンアンドドラゴンVRR-MMOの名前のある本といっていいだろう。
【結果として天帝は覇帝に敗走させられたが、覇帝に追撃の礼儀をとらせるほどの決戦であった。】
天帝と覇帝の決戦の記録(記録本)にある覇帝を追撃の礼儀こそ、
とらせるということはありえないことだった。
それらは覇帝がパワーゲーム(説明 世界主要プレイヤーのボードゲーム)から一時的とはいえ、
パワープレイヤー(主要人物)ではなくなったことを意味していた。
【天帝がどのようなことをしても敗者(はいしゃ 説明 まけたもの)になることは決定していた。】
【だが。】
【覇帝は追撃の礼儀をとり、】
【決して天帝の殿兵(しんがりへい 説明 敗走中に敵軍を足止めするつわもの)と一戦たりとも戦わなかったと記されていた。】
つまり。
追撃の礼儀とは決戦において追撃をしたら、
負けるという捨て駒ではない一騎打ち(いっきうち)を用意されていたということである。
それらによって。
ダンジョンアンドドラゴンVRR-MMOの人々らは記録(記録本)を知って、
0(ゼロ)が0(ゼロ)になるのには、
かなりの大理由も必要だと知っていた。
ダンジョンアンドドラゴンVRR-MMOにとって。
王が王なりうるには王を王として認めているし、
認め続けているからこその、
天帝の殿兵(しんがりへい 説明 敗走中に敵軍を足止めするつわもの)ぐらいはいると判断するようになった。
【よって。】
【天帝より覇帝のほうが強いとされているのみ。】
【実際のところ。】
【決定という決定は自らのいつだって常に決めるのは自身そのものである。】
~続く~




