デスアンドゲーム
『6話 尊さ』
話をまとめてみる。
このザ・ゲーム(プログラムでは決してないプログラムでもない現実か現世)へどうしてまきこまれたのかと。
よくわかってきた。
僕、も。
まきこまれたかった。
現実という現実がわかっていなかった。
おもいかえしていくと。
都会からVRR-MMOのうわさが流れてきた。
都市砂漠というデマ(かたよったうその情報)みたく考えていたのがバカだったみたいだ。
VRR-MMOというのは本当だ。まちがいない。
心の中のモンスターではなく。
本当にモンスターがいる。
どこからでてきたのでもなく。
ネットワーク集合知によるネットワークのむれの知能でもない。
作成者とは追い詰められて作者になったわけでもない。
つまりは本当に現実で現世が始まっているということである。
ロードスという名前。
もはや。実名になった。
戦場にでたことがあるから現実という言い訳は。
のちのちまでよかった。
本当にアクセス集中でアクセスできないVRR-MMOがあった。
後悔のみである僕は情報屋として戦場を逃げまわっている。
【仮想現実技術とは拡張現実技術とは違い。願望こそお金になる仮想通貨より尊き仮想現実だ】
総長 ベルカーナジャを目の前にして。
ふりかえりながら戦場を逃げた僕にはわからない。
逃げなかったら命の尊さはわからないときがあると。
情報屋ギルド 総長 ベルカーナジャは仮想現実についてそう語ってくれた記憶がある。
VRR-MMOにとって記憶なのか。VRR-MMOにとって記録なのか。VRR-MMOにとって加速する現世なのか。
命の尊さがわかれば。アクセスしようと探さないお話しだったかもしれない。
僕は特別な現世が欲しかった。
現実よりすごい現実。
ゲームだと伝えられたらザ・ゲーム(プログラムではない現実か現世)になった。
VRR-MMOギルドには戦人ギルドがあるらしい。
先陣に一番槍こそうらみごと先駆けて誇り
後詰めへと伝わる尊き軍歌は戦人の歌
情報屋ギルドの意味がわかってきそうな戦人ギルドもいるのだと。
せめて警察権限が正義であったのなら。
どんなによかっただろう。そんな情報を情報屋として流す僕だった。
~続く~




