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伝説の勇者一行がまだ生きている件について  作者: 黒崎マコト
プロローグ 冒険者になる勇者
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第1話 勇者とエルフ

新連載です。よろしくお願いします!

今より数千年前────人間界は魔界から突如現れた魔王率いる魔物によって、侵略されていた。

魔物の圧倒的な力に人々は毎日を恐れながら過ごす事しか出来ていなかった。しかしそんな時、人々の希望となって魔物に戦いを挑んだ者達がいた。


勇者アメダス・リファーラ率いる4人の勇者一行である。


彼らは魔物に支配されていた国々を救い、幾度も奇跡を起こしてきた。そして魔王を倒す為に神々が住む神界へと赴き、人間界で作られた武器とは桁外れな威力を誇る神器をそれぞれ手にした。


神器が持つ強大な力と勇者達の諦めない信念、そして多くの人々の声援によって魔王は討ち滅ぼされ、世界は平和な道を辿る事になった。


伝説の勇者、アメダス・リファーラ。

エルフの大魔法使い、ミレア・シウァレット。

古の賢者、フォルン・シュエル。

異国の剣士、トウカ・アマノ。


この4人の名は、何千年という時が経とうと失われずに歴史に残るだろう──────




















「む〜……む〜っ!」

「何さっきから本見ながら唸ってんだ?」


太陽の光が葉の隙間から差し込む広い森を歩きながら俺、アリファーラは隣を歩くミレットに声を掛けた。

自分の頭と不釣り合いな大きい黒いトンガリ帽子を被り、銀色の髪を腰まで伸ばしたエルフの少女、それがミレットである。エルフにしては珍しく肩や背中、ヘソなどが見える露出の多い服装をしているが、本人が気に入っているから俺から言う事は特にないけど。


「これっ!これ見てよ!」


ミレットが差し出してくるのはさっきから読んでいる本……というより絵本である。確か前の街に立ち寄った時に買ったもんだな。俺達の活躍が絵本にされているからって買ったみたいだが、何か不満な事でも描かれているのか?


「この絵本がどうしたんだよ?」

「ボクのっ!姿をっ!見てっ!!」

「ミレットの姿をか?え〜っと……おっ、いたいた……ん?」


ページを捲り、ミレットの姿を見つけるがそこに描かれているのはエルフの少女──────ではなく、中性的な顔をした少年であった。文章にも少年と書かれているし間違いない。


「お前だけ性別が違うな」

「そうだよっ!もうっ、何でボクって色んな所で少年って伝わってるの!?ボク、女の子なんだよ!?酷いと思わない!?」

「いや、お前女の子って年齢じゃ……ていうか、少年って間違えられてもしょうがないと思うぞ?」


俺はミレットを見ながらそう言った。何故ならばミレットは俺達の誰よりも小柄だ、身長なんて俺の肩に届くか届かないかだし。まぁ、一番の原因はそれじゃなくてミレットが一番気にしている事だろう。


「だってお前、色々と小さいじゃん。身長と……あとこことか」

「〜〜〜〜ッ!!?」


俺はミレットの胸の膨らみに手を当てて、そう告げた。軽く触っただけで揉んだりはしなかったが、一瞬にしてリンゴのように顔を真っ赤にしたミレットは俺から離れてしまった。


「ぁ……ぁ……さ、さわ、られ、たぁぁ……」

「いや、服の上からだったろ。それに真夜中には何度も────」


俯いた顔からはシュウウウッと、まるで水が蒸発した時のように煙が上がっている。別に今までミレットの胸なんて数え切れない位に触っている。男にとっては物足りないかもしれないが、俺としてはあの位が丁度いいミレットの事が大好き────


「ゆ、許さない……ぜっったいに許さない!!」

「ちょっ、何で怒る!?」

「う、うるさいっ!こんな明るい時間に触るなんて馬鹿としか考えられないよ!!」

「……周りには誰もいないぞ?」

「ボクの気持ちの問題なのっ!!とにかく吹き飛べーっ!!!」


いや……吹き飛べって、その掲げた右手の上に生み出しているのって明らかにヤバイ魔法だよな?ミレットが得意としている4つの魔法の内の2つ、炎魔法と闇魔法────それを融合させた複合魔法、【暗黒火炎弾ダークファイアブラスト】。確か昔は1発で魔族の最上位種を消滅させていたような気がする。


「ミレット、落ち着け。まず落ち着いて話をだな」

「やだっ!!」


ドンッ!!と黒い炎の塊は打ち出された。俺は迫ってくるそれに対して避ける気はない。昼間にミレットの胸に触れるのは今後やめるかと考えつつ、俺は腰に差してある鞘から剣を引き抜いた。

次回は明日の昼頃に投稿する予定です。


アリファーラ:伝説の勇者本人。

ミレット:勇者一行の1人。エルフの大魔法使い。

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