ep1『異世界邂逅』
暖かい家庭。
楽しい友人達。
優しい恋人。
理想的な人生じゃないか・・・。
なにをまたも不安がる・・・。
今、再び俺の現状を確認しよう。
俺の名前は乱堂桜馬昨日、県内有名大学にを卒業して来た所だ。
4月から就職し、今から恋人に婚約を申し込む所だ。
俺によぎる不安は恋人への婚約申請ではない、俺の人生そのものへの不安。
幾度とばかり確認しても思う、『俺は自力で物事を
為し遂げていない』。
俺が今、理想的な人生を送れるのは『みんなのおかげ』そう、『他人の力』で幸せな日々を送れているんだ。
わかっている贅沢な悩みだということは、世の中の大半の人間は理想的な人生なんて送れていない、幸せな日々も送れている人も希少だ。
だがこれでは、俺は一生『他力本願の人生』を送ったしまう恐れがある。
自立するのは可能だ、というより就職共にそうするつもりだ。
だが怖い・・・何かしらの災難の際に両親や友人に頼ってしまいそうな自分自身が恐ろしい。
だが脳内で思っても何も変わらない。
所詮は自分自身の性格・精神・志し一朝一夕で変えられない。
住まいや周囲が変わった所で変えられるものではない。
天才が天才になるべように産まれるように、無味乾燥な人間は無味乾燥で終わる。
まぁ世界そのものが変われば変われる可能性はあるがな。
だからこそ、俺にはこの趣味がある・・それがこの