クロス・スター　ディメンション・アラトニア

主人公『乱堂桜馬』(らんどうおうま)は有名大学4年生。
裕福な家庭としたたかな友人の間柄で育った彼は誰からも好かれ慕われる人生を送り、既に就職も決まっている上に婚約者までいるという、何の不自由もない人生を送っていた。

だが彼にも悩みがあった。
それは他人の恩恵を受けすぎていること。
自分がこんな幸せな人生を送れるのは両親のおかげ。
楽しい学校生活を送れるのは、友人達のおかげ。
就職と婚約者にいたっては自分が特に干渉せず両親が決めた事。

そんな彼の趣味は『RPG』『TRPG』『ボードゲーム』この３種。
架空のものであれ、これらをプレイしている時だけ、自分自身の力で人生を送っている気分になっていた。
それで満足していた。

だが、刻が来た。
婚約者とのデートの最中に大型トラックに引かれそうになった時、時が制止して巨大なゲートが出現しゲートの中に吸い込まれた。

その先で待っていたのは、創作物でよくみるファンタジー世界。
サイコロ・・・いや『ダイスによって支配された世界』その名も『ディメンション・アラトニア』であった。
彼は異世界転移したのだ。

更に彼はその一国『ガイラルド』の皇子『オーマ・ランドゥー』に間違われ『ガイラルド皇子』になってしまう。
立ちはだかるは、『革新派』『魔王軍』『悪徳な転生者』自分よりも、遥かに上を行く強敵ばかり。

が、彼には戦う暇は無かった。
彼は還るべき世界がある。
そこには家族友人婚約者が待っている。
だからこそ帰還せねばならない。
かくして彼の『偽の皇子生活』と『現実世界への帰還』の物語が始まった。