表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/3

1日目 始まり

勢いで書きました。一応、構想を練った上でですが笑

1作目も途中ですが、こっちを本命書きします。

天は二物を与えず。

神は我々人間に才能を2つも与える事は無い。という意味でよく使われるが、この世には神から多くの才能を与えられる者がいる。また、1つも与えられない者もいる。

ある2人の少年が、この両方に当てはまっている。

名を「海堂 陸斗」スポーツ万能と持て囃され、社交性に優れている。また、勉学においても天才の名を欲しいがままにしている。

この少年は非常に家庭的で母性溢れる1面すらも兼ね備えている。あと、高身長で顔立ちが整っている。

そしてもう1人の少年の名を「東上 メル」

この少年には秘めたる才が在るらしい。本人がいつも、そう喚いているからなのだが。だがこの少年はスポーツをやっても必ず怪我をするし、社交性も優れてはいない。万年ぼっちである。トイレ弁は流石になっていない、というか友達がいないはずなのに昼飯を2人で食べる姿が目撃されているのである。

そしてこの少年、極め付きが高校3年間、全テストにおいて赤点ギリギリ上を取り続けているのである。所謂、学力下の下の下である。趣味も無いのである。色々な事に手を付けてみるも、3日目には超マイナーな部分まで調べ飽きるのである。顔は...まぁ、上の中ぐらい、陸斗と並べればやはり霞む。

そんな2人は、同じクラスで隣の席、小中高計12年ずっと同じである。しかも家も隣りと来たものだ。では何故、メルがぼっちなのか?それはメルが負い目を感じているからである。陸斗は気にしてはいないのだが、メルは「俺みたいな何の取り柄もない奴が、陸斗みたいな凄い奴と一緒になんて居られない」と、小4から思い始めていた。思い始めるだけだったのだ。その時は。だが、小5に上がった頃だろうか、子供達は多感な時期だ。

もし、自分よりも劣る存在が、皆の憧れといつも一緒にいるとしたら、どう思うだろうか?

メルは孤立した。心を閉ざした、家族にも陸斗すらにも。それからというものメルは自分に言い聞かせている「自分が独りで居ることが皆の幸せに繋がるんだ」と。

おっと、メルの話ばかりではなく、陸斗の話もしなければならないね。

陸斗は小さな時からメルを特別な存在だと感じていた。助けられたとか、そういうテンプレは無かったのだが、何故か心の奥底でメルを特別な存在だと感じていたのだ。確かにメルは飽き性で三日坊主だが、陸斗はソレを才能だと感じていた。自分は努力しか知らない。努力によって全てを手に入れてきた。しかし、どんなジャンルであっても3日足らずでマイナーな情報までも頭に詰め込む事は出来なかった。メルはソレをいつもやっているのだ。才能以外の何であろうか?

陸斗はメルに対して嫉妬をした時はなかった、いつだってメルを尊敬していた。だからこそ、いつも一緒に居ることを望んだ。彼女なんて要らなかった。昔のようにメルと共に2人で笑いながら、ただ一緒に居ることを望んでいる。だか、それは叶わない、メルが心を開く事は出来ないのだから。この世界では。

彼は新たな望みを胸に抱く「メルと共に異世界に渡りたい、2人で笑い合える世界に行きたい」と。












―――そしてその願いは










――――――――――――叶わない。








否。違う意味で叶う事になるのだ。

2055年、日本で3作目となるMMORPG[FPW]によって。







コレは、ある神の悪戯により生まれたゲームが、ある2人の少年によって攻略されていく、物語である。そして、2人の少年が自らの気持ちをぶつけ合い、喧嘩し、昔の様な尊い存在へと至る物語である。


――――――――――――――――――――








『キャラメイクをして下さい』


俺にとって初めてのMMORPG。普通とは違うこのゲームを手に入れた時、俺は歓喜した。大声を上げ、奇妙な踊りを踊り、親に心配されるほどに。

リアルとは違う俺になれる世界。どんな世界が広がるのかは分からない、β版が存在しないからだ。それが普通とは違う理由。

実質、俺みたいな第1陣がβテスターでもある。第1陣を手に入れたのは、少なくとも30000人と言われている。


『キャラメイクをして下さい』



忘れてた...。

目の前には一体のマネキンが浮いている。手を横に振ればマネキンが回転する。なにこれ、楽しい!

髪は黒髪で短髪、目の色は金色、肌は真っ白。身長は175くらいかな、あんまり高くない方がいい。てか、リアルに近い方が違和感がない気がする。多分...。

中肉中背、あとは黒子とか細い設定は別にどうでもいい。



『キャラメイクが完了しました

次に職業、サブ職業とスキルを決めてください』



わぁー!職業が沢山ある!剣士から始まり、定番の鍛冶師、初めて見る召喚士なんてのもある。どれにしようかな......。やっぱりリアルとは、かけ離れたオリジナルの自分になりたい。

メインは召喚士!サブは薬師だ!

次は、スキルだな。うん。え?は?

ナンダコレ.........?

どんだけあんだよ!?え、これが普通なのか!?

軽く2000はあるぞ!?その中から選べるのは、12個だけ。悩む、めっちゃ悩ましい!









『確認作業へと移ります

次のステータス表記で問題が無ければ、名前を打ち込み、貴方の第2の人生を始めてください

問題があれば、また初めからやり直してください』


『名前:

種族:人

職業:召喚士&薬師

Lv.1

HP:10/10

MP:10/10

STR:10

ATK:5

GRD:4

AGL:6

DEX:7

INT:12

AVO:10

装備品

・駆け出し革鎧

・駆け出しナイフ

スキル

・召喚(職業選択により獲得) ・鑑定(職業選択により獲得) ・調合(職業選択により獲得)

・殴打 ・料理 ・騎士道 ・採取 ・選別 ・土魔法 ・光魔法 ・地図作成 ・空中浮遊 ・隠密 ・百里眼 ・意思疎通



ボーナスポイント0

スキルポイント0』



スキルは、職業によって最初から手に入る、先程の様に欲しいスキルを選択する、スキルポイントを消費することで、手に入れられる。また、騎士の職業でも無くても騎士道のような専用スキルを扱う事が出来る。但し、スキルの性能としては、専用職の3割程でしかない。俺はナイフとか短剣が使いたかったから、コレを選んだ。スキル説明とかが出ないからコレで良かったのは分からないが......。

使ってから考えよう。後の祭りだが、他のスキルもな......。

さっき、専用スキルも選択出来ると言ったが、何故か召喚のスキルは召喚士のみしか扱う事が出来ないようだ。

では、名前を打ち込んで、早速スタートだ!



名前は………メルセルにしよう。



名前を入れた瞬間、俺の身体から光が漏れだし、そして視界が暗転する。

ふと、足に地面の感覚が伝わり、目を開けると。街にいた。


――――――――――――――――――――


僕は今、メルを探している。

メルのお母さんから、メルがこのゲームを購入した事を聞いたので、予約して買ってみた。

初めは、ただのゲームだろうと馬鹿にしていたのだが、僕は先程この考えを改めた。

とてもリアルなのだ。手や足に伝わる感覚もさる事ながら、視界に映る人や建物も本物のように見えてしまう。

メルを探しながらそんな事を考えていたのがいけなかった。


「むにゃっ」


「あ、すみません。余所見をしていました。大丈夫ですか?」


前方から歩いてくる女性に気付かず、ぶつかってしまった。我に帰った僕は直ぐに手を差し出す。


「いえ、こちらこそすみません。あ、ありがとうございます」


彼女はとても、綺麗な女性だった。

MMORPGでは、リアルと離れ過ぎた容姿をすると違和感が出るという。先程、お腹辺りと顔に薄らとズレが生じていたイケメンを見た。

しかし、目の前の女性にはズレなど存在していなかった。初めて僕は、心の底から可愛いと、いや、綺麗だと思った。


「あのっ!」


「えっ、あっ、はい。なんですか?」


「貴方が急に黙ったから、何かあったと思ったんですよ!あ、あと、その、手を離してもらえますか?」


「うわっ!す、すみません!」


無意識のうちに手を握り締めていたようだ。はあ、早くメルを探さないと。


「では、僕はこれで」


「あっ、待って」


「なにか?」


「えっと、その、私と一緒に狩りに行きませんか!?」


「すみません、今から友人と会いに行くので」


一方的にね、はあ。


「そうなんですか...。あ、なら!私とフレンドになってくれませんか?」


「まあ、それなら」

『クロからフレンド申請が届きましたY/N』


は、はやい…。

YESを押し、フレンド登録する。その後少し世間話をして、僕はその場を離れる。











その日、メルを見つけることは無かった。


『名前:リク

種族:獣人(虎族)

職業:戦士&騎士

Lv.1

HP:15/15

MP:5/5

STR:12

ATK:14

GRD:14

AGL:12

DEX:7

INT:7

AVO:12

装備品

・駆け出し革鎧

・駆け出しボロ盾

・駆け出しソード

スキル

・剣技(職業選択により獲得) ・騎士道(職業選択により獲得) ・盾技(職業選択により獲得)

・索敵 ・瞬歩 ・弓技 ・火魔法 ・水魔法 ・光魔法 ・闇魔法 ・地図作成 ・鑑定 ・解放 ・罠設置 ・料理


ボーナスポイント0

スキルポイント0』


――――――――――――――――――――




私は友達から譲って貰ったMMORPGをプレイしていた。私の名前は「黒川 凛音」

プレイヤー名は「クロ」


その日、私はイケメンに出会った。違和感が感じられない、本物のイケメンだ!目の保養になった、うん。良かったあ

でね、1人での狩りは嫌だな〜って思ったから誘ったけど断られちゃった...。誰に会いに行くんだろ?彼女さんかな?あんなにイケメンだし、彼女ぐらいいるよね。

昔は、ネット恋愛に偏見を持つ人が多かったらしいけど、今は違う、確かに詐欺もあるけど、沢山のカップルが誕生している。私も運命の相手に出会えたらいいな...。







一応、町の外に来てみた。今日はただの様子見、そう思ってたんだけど。

変な人を見かけた、顔立ちはリクさんよりも劣るけど整ってる!

何が変なんだ?って?

その人ね、狼と戯れてるの。モンスターだと思うけど、何故か戯れてるの。

私は思い切って話し掛ける。別に狼をモフりたい訳じゃない。


「あ、あの!」


「なんですか?」


「そ、その。狼さんを触らせて下さい!」


「え、ええ、良いですよ?」




な、なにこれ!嫌がりながらも触れせてくれる狼が可愛過ぎる...!

ふわぁ、もふもふするー。滑らかで艶やかな毛皮に反して、とても反発力のあるこの感触!癖になっちゃう!






「あの?」



おっと、いけない。この人の存在が意識の外に消滅していた。


「すみません!予想以上に手触りが良くて......えへへへ」


「ですよね、この子さっき召喚したばっかりなんですよ!」


「えと、召喚ですか?それって私にも出来るんですかね!?」


「え、あの、すみません。職業に召喚士ってありますか?」


「ううん!無いけどスキルで取れないの?」


「はい、なんか、召喚士限定スキルらしいんですよ」


「そっかあ、残念」


私もモフモフ欲しかったなぁ。


「もし、よれしければですが、俺とフレンドになりませんか?ログインしてる時なら、この子をモフれますよ?」


フレンドらへんで私は操作を開始する。言い終わった瞬間にはもう申請メッセが送られていた。私は無意識だった。


「よ、よろしくお願いします」


その後、お互いのスキルとかについて話したりして、明日狩りをする約束をして解散した。メルセルくんは同い年で彼女が居なかった。


『名前:クロ

種族:天使

職業:魔法少女&剣闘士

Lv.1

HP:6/6

MP:20/20

STR:8

ATK:15

GRD:4

AGL:6

DEX:12

INT:12

AVO:6

装備品

・駆け出しローブ

・駆け出しロッド

スキル

・基本6属性魔法(職業選択により獲得) ・剣技(職業選択により獲得) ・格闘技(職業選択により獲得)

・隠密 ・暗視 ・索敵 ・回復魔法 ・料理 ・家事 ・解放 ・自動MP回復 ・闘気 ・魔拳 ・宝探し ・罠察知


ボーナスポイント0

スキルポイント0』


――――――――――――――――――――



人が沢山いる、酔いそうだ。

早く、町の外に出よう、召喚もしてみたい。


俺は建物と建物の間の路地に入り込み、そのまま町の外まで駆け抜ける。アレは何門だろうか?まあいいや、通り越s......。


「おい、そこの駆け出し冒険者!止まれ!」


「え、俺ですか?」


俺、なにかしたかな?もしかして、スピード出し過ぎちゃった?


「そうだ、お前だ。この東門を通るという事は、東の森に行くのか?確か適正Lvは5~7だった筈だが、そんな装備で大丈夫か?」


「あ、いや、俺は森まで入りませんよ」


なんだ、そんな事かよ。


「そうか、引き留めて済まなかったな。では、無事に戻って来いよ!ガッハッハッハッ」


豪快なオッサンだな、てかリアル過ぎんだろ。このNPC

そのまま俺は走り出し、草が少し生えだしてきた当たりに腰を下ろす。多分、平原扱いされるだろう、場所だ。

よし、召喚しよう!







…………。どうすんだろ?ウ〜ン、あ、そうだ、鑑定してみりゃいいんだ。

えっと、鑑定したいのを指定して...。


『スキル:召喚

召喚と念じる事で発動する。

MPを使用する事で特定のモンスターを召喚、使役する事ができる。Lv10毎に1体召喚することが出来る。

また、モンスターには好感度がある。好感度が低ければ懐いてくれない、命令を聞かない。高ければ信頼度も一緒に上昇する』



...なるほど、今はまだ一体だけなんだな。

特定のモンスターってのは何だろう?試すしかないかぁ。


「(召喚)」

『初期召喚モンスター一覧

・犬

・猫

・狼

・鷹

・猿

・ランダム』


へー、5体もいるんだ。でも初期って事は増え続けるって事だよな?楽しみだな。

犬とか猫は現実世界でも触れるし、残りの3体のどれかで考えるかな。どれにしようかな、うん、メリットを考えてみよう。

・素速い ・地上での索敵行動が出来る ・俺よりも五感が優れている

・空での索敵行動が出来る ・視野が広い ・空からの急襲が出来る

・分からない


よし、先ずは地上戦力を揃えるために狼を召喚しよう。


「(召喚:狼)」


ほう。なにも無いところに、光の粒子が集まっていく。集まったら光の粒子が渦を巻き、四本足の姿を形作っていく。


「くぅん」


可愛い。

純白の毛を持つ狼がそこにいた。胴体が純白の毛を持ち、羽根ペンのような尻尾は少し鈍い光を放つ銀色。手足の先も尻尾のような銀色が輝いている。しかし、手足を上げて見てみると、猫で言う肉球の部分......まぁ、手のひらは茶色になっている。

可愛い。大事な事だから二回言わせてもらう。

つぶらな瞳で俺の事を見てくる。コチラも見返すと、鼻を擦り付けてくる。

瞳は、黒と茶の混じる色をしていて、鼻先は手のひらと同じ茶色だ。

足に鼻を擦り付け、数秒経つと、腹を見せ付けるように仰向けになる。

……構って欲しいのかな?


『召喚に成功、名前を付けてください』


インフォが聞こえたので、先にそちらを済ませる事にする。

安易に「シロ」と名付けたいが、そうするとコレから召喚する動物達の名前も手を抜きそうだ。やっぱり名前は大切な物だから、ちゃんと付けてあげよう。うん。







よし、決めた!

この子の名前は「ミルク」だ!

ちゃ、ちゃんと考えたんだぞ、でも結局安易な名前になってしまった。


『名前:ミルク

種族:孤狼

Lv.1

HP:30/30

MP:2/2

STR:15

ATK:26

GRD:8

AGL:27

DEX:4

INT:10

AVO:18

スキル

・瞬歩 ・速攻 ・魔装 ・空歩 ・風魔法』


つ、強い!?え、召喚獣?でいいのかな?強過ぎるよね!

俺が弱いだけなんだろうか?わからん。

てか、孤狼ってなんだ?鑑定しよう鑑定。


『種族:孤狼

別名、1匹狼と言われる。

群れでの活動はあまりしないが、大人しい性格が多く、人間に懐きやすい。また、種族数は動物の中では非常に少ない。

普段は山奥などで狩りをする。寒い所が苦手。

個体により強さは異なるが、孤狼自体攻撃力と敏捷はピカイチ』



なるほど、群れをなさないのに人間には懐くと。不思議な奴だな。てか、モンスターじゃねぇのか......。


「がうっ」


おっと、忘れる所だった。一鳴きすると、ミルクは俺が気付いたのが分かったのか、また仰向けになった。うん、めっちゃ可愛い!


そのまま俺の両手は不可視の力に押されるように、ミルクの腹に向かい、鷲掴みにした瞬間!モフる!モフモフだ!


「!? きゃうんっ」


クッ、可愛い。可愛いよ。ミルクが可愛いよ。










何分やっていただろうか、俺とミルクの行為は1人の天使の声と同時に終りを迎えた。


「あ、あの!」


へ?綺麗だ。

整った顔立ちにも目を惹かれるが、何よりもその姿に目を奪われてしまう。煌びやかな1対の羽が、肩甲骨当たりから斜め上に伸びている。あまり大きくはないが、何故だろうか、存在感が半端ない!


「なんですか?」


出来るだけ普通に返答する。

何故、こんな綺麗な美人が俺なんかに話しかけてきたのだろうか、もしや、遂に俺にもモテ期が到来か!?この際、ネトゲでも充分だ!というか、リアルは......。リアルに俺がいていい場所はない。


「そ、その。狼さんを触らせて下さい!」





ですよねー、どうせ俺なんて。










その後、俺はクロさんと明日狩りをする約束をして。フレンドになりその場をあとにした。いやー、凄かった。何が?だって?フレンド申請のスピードが神ってたんだよ!ビックリし過ぎて、どもっちまったが......。






クロさんのことを考えながら歩いていたら俺は、森の中にいた。どうしよう。でも、大丈夫なはずだ、俺にはミルクが付いているしな!



「グギャッ!」「ゲギャ?グゲギャッ!」



アレは確かゴブリンって言ったっけ?てか、気付かれているのか?相手は2体か、何とかなるのか?


「行くぞ!ミルク!」

「がうっ!」


ミルクが駆け出しゴブリン1体を引き離してくれた。もう1体が俺に向かって来る。右手に棍棒を持ち、目が血走り、涎を垂れ流している。正直、気持ち悪い。

俺は、ゴブリンの大振りの棍棒をバランスを崩しながらも何とか回避したが、ゴブリンの左手を避けるには至らなかった。

クソッ、ダメージを受けちまった。痛みもとてもリアリティー溢れる。何が言いたいかって?めちゃくちゃ痛い!糞ゴブリンが!


攻撃を受けて座り込んだ俺目掛けて、棍棒が降ってくる。横に転がりながら避けて、ナイフを向かって来る左手に突き出してやった。2度目を貰うほど俺は馬鹿じゃない!テストとかはズタボロだけどね!

左手の痛みに耐えられないのか、蹲ったゴブリン。これはチャンスだ!何処を狙う?頭を潰したら殺せるだろうが、今の俺に潰せるような武器はない......いや、ある!

ゴブリンが投げ捨てた棍棒を俺は取りに行く。

結構重い棍棒を持ち上げ、ゴブリンに振り返ると、まだ蹲っている。ゆっくり近付き、棍棒を振りかぶる、ゴブリンが顔を上げて俺を見る。

なんだ...?怯える様な顔をするゴブリン。その顔に一瞬俺の身体が止まってしまう。慌てて棍棒を叩きつけようと思ったが、遅かった。


臭い?


気付けば、背中が地面に近付き、顔にベットリと涎が落ちてくる。目の前には醜悪な緑色の顔が大きな口を、更に大きく限界まで開けていた。

死ぬ...!目を瞑った直後、俺を押え付ける重みが無くなる。目を開くとグチャグチャになったゴブリンに爪と手を叩き付けるミルクの姿が見えた。

こうして俺の初戦は終わった。経験値は全部、ミルクが持って行った。







急いで町に帰った。勿論、ミルクも一緒に、入る時に一悶着あったが、何とかミルクと一緒に町に入れた。周りには奇異の目で見られた。のは、言わなくてもいいだろ?いや、もう言っちまったか......。

そして俺はログアウトする。初日から散々な結果だった。













俺は忘れないだろう。

あの時の怯えるゴブリンの顔と、死ぬと感じた瞬間の何とも言えない感覚を。

そして、グチャグチャな血の海を。

お読み頂きありがとうございます!

御感想お待ちしております。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ