7話 ロリコン軍団とクラン設立ミッション
原因が原因でもおかしな話だ。ゲームをやるために学校を休んでいる(テスト週間だから問題ないが)俺が、一年生の女子二人を学校に送り迎えしてるということだ。日曜日の一件から二日後の今日の行きの帰り道でそんなことを思った。昨日は石原の殺意に満ちた(俺じゃ無かったら今頃病院だな)攻撃は無かったが、周囲から別の意味の殺気を大量に感じた。何も感じなかったことにしておこう。そんなことを考えているうちに自宅に到着。
「ただいまー。」
もちろん誰もいないが、こういうことを習慣にすることも大切だ。礼儀正しい人間にならなければな。「カチッ」とノートパソコンの電源をON!最近冷静沈着な俺が崩壊しかけているが気にしない。ゲームは人を腐らせるのが得意なのだろう。分かっていながらもレベル上げをする。10レベを越えた途端、レベルが全く上がらなくなってしまった訳なのだが、レベルが上がった達成感に浸ることも出来ず、一人でゲームをずっとやっているというのはちょっと、てか普通につまらない。とりあえずPvPをやりながらそんなことを考える。最近のPvPは負け知らずだ。俺の知名度も上がってきてもいいだろう。今やっている八人制デスマッチも勝利した。すると、Beluのみが侵入してきた俺のチャット欄に、誰かがささやいてきた。
『ロリデビル:お初にかかります。先程のデスマで対戦したロリデビルと申します。お時間ありますでしょうか?』
一見、文面はとても丁寧だが、ロリデビルという名前を無視して話せというのか?でも構ってくれたのは純粋に嬉しかったので、
『パーフェクター:お声をかけて頂きありがとうございます。用件は何でしょうか?』
『ロリデビル:先程の戦いで、あまりにも凄いテクニックと武器を使われていたのを見て、我がクランへ入って頂けないかと思いまして…』
クランへの誘いをされても、自分で設立するつもりなので断らざるを得なかった。仕方がない。
『パーフェクター:お誘いありがとうございます。ですが、身内でのクラン設立予定があるので、今回は断らせて頂きます。すいません。』
『ロリデビル:それでは同盟を組みませんか?パーフェクターさんがマスターになるのなら、クラン設立ミッションをお手伝いしましょう。その後の同盟というのはどうでしょうか?』
確かにここで旗揚げするのもいい。タイミング的には今が最適だ。なら返事はOKの二文字だ。
『パーフェクター:OKです!是非ともお願いします!!』
ていうか同盟ってなんだ?まぁいいや…
『ロリデビル:ありがとうございます!!それではメンバーに召集をかけるので部屋たてておいて下さい!』
ここでロリデビルさんから友達申請がきた。迷わず了承し、ミッションを受けて部屋をつくった。そして、友達覧からロリデビルさんを選択し招待。すると、分隊チャットに
『ロリデビル:メンバー招待するので主下さい。』
ロリデビルの名前を右クリックし、リーダーを委託した。このミッションの上限人数は十人。後藤くんいわく、レベルは鬼級で、クランの新設は至難らしい。葉月いわく、クランに入ってない人が多い理由は、クラン設立すら鬼大変なのに、その貴重なメンバー枠に雑魚は入れられないかららしい。するとロリデビルが残り八人を招待して、リーダーを変換してくれた。全員が揃ったところで分隊チャットに、
『ロリロリハンター:マスター?どんな手順でいく?やっぱりいもる?』
どうやらロリデビルさんのクランはロリコンが多いらしい。マスターとはロリデビルさんのことを指すのか?
『神のロリコン:先にパーフェクターさんのレベと職と武器を教えて下さい。私はロリの聖域を目指す者達のクラマスをやっている神のロリコンです。うちのロリデビが絶賛したほどの腕なら、私達は喜んで同盟をしたいと考えています。』
どうやら、ロリコンの集まりから出来たクランだった。
『パーフェクター:職はアサルター。12レベです。武器はHGのみです。』
『神のロリコン:よほど強いHGか、HGにこだわりを持っているのかもしれませんが、アサルトライフルくらいは持っていってください。』
とは言っても、このHG以外は入れられない訳だが、どう説明したものか…
『パーフェクター:このHG以外は何も入れられないです。』
口で喋る時は頭が動くくせに、文字にすると以外とうまく喋れない。これも機械に弱いということなのか?
『神のロリコン:分かりました。後方で死なないようにお願いします。作戦は、超ラッシュが来るまでは適当で、超ラッシュは、フェンサー類がガンナーを守って中央に円をつくる。ガンナーは内側で援護射撃。今いるフェンサー類は四人しかいないから、パーフェクターさんは上手く立ち回って下さい。死んでも構いません。連携がとれない以上ガンナーはきついので、』
ちょっと気にくわないが了承するあるまい。
『パーフェクター:分かりました。』
『神のロリコン:超ラッシュを抜けたらボスが三体来るので、フェンサー類が一人ひとつ受け持って、一体ずつ倒す感じで行きます。それでは準備お願いします。準備完了しだい出発お願いします。』
俺は出発ボタンを押した。カウントダウンがはじまる。3、2、1、0。ロード画面に移行。ロードが修了し、PvEスタートだ。最初の指令は、《街に存在する全ての敵の殲滅》だ。このステージ自体が、クラン設立をもとに設計されているため、エネミーに支配された街を奪い、クランの基地にするというストーリ上、敵の殲滅は必須だ。街はなかなか広いため、集団で回ると時間がかかってしまう。と、
『神のロリコン:敵殲滅は、各自手早く終わらせること。アイテムは使わないように。』
早速命令が下った。マスターはなかなか楽しそうだなんて思う。敵は、二足歩行の剣士やガンナーだけだが、種類が多い。やりがいもなかなかある。『SPドレイン』と攻撃スキルを上手く使って敵を倒していくのが一番効率がいい。敵は全部で百体いた。三匹目を倒した当たりで、八十匹の討伐が完了していた。まさしくプロフェッショナルだ。ミッション開始から十分後、敵の数が0になった瞬間、画面がだんだん暗くなってきて、ストーリーが進んだ。拠点となる街の中央に強制集合した。すると、全方位から敵の大軍がやって来ているストーリーが流れた。画面が元に戻ると、敵の数が表示された。その数三万匹!無茶苦茶な数だ。敵の体力はそこまでないが、初心者はここで敗退するに違いない。指令が出た。《街に急襲をかける全ての敵の殲滅》と。中央には円を作っている神のロリコン、略して神ロリ達が敵の急襲を待っていた。屋根上から敵が来ているため、屋根の下を移動しながら攻撃する他ない。ある程度の敵を引き付け、振り向きざまにスキルを放つ。《F1F4F1》正面広域殲滅スキル『グレネードバレット』は銃口から、グレネードを放つ、とんでもない攻撃だ。事実そういうHGがあるらしいから尚更恐ろしい。最初はそれなりにその戦法でなんとかなっていたが、半分を切ったところで、中ボスが現れた。中ボスは、斧と、ガトリングガンもちのデか物だ。そのせいで、中央で戦っている神ロリ軍団の攻撃が中ボスに集中してしまった。よって雑魚が増える一方だ。結果俺は、全方位囲まれてしまっている。ギリギリまで引き付けてエアダウンや、《F1F4F2》全方位広域攻撃スキル『インフィニティ・レイン』を使用した。『インフィニティ・レイン』は空中に、エネルギー弾を放ち、そのエネルギー弾を細かい弾にして降らせて攻撃する。殲滅にはもってこいだが、敵ガンナーのアサルトライフルによる被弾がでてきていた。体力は五割を切っていた。残り二割を切る手前で、中ボスが倒れ、残りのエネミー数は六千体にまで減っていた。ラストスパートをかけて、『HPドレイン』や『SPドレイン』を駆使し、なんとか最後まで生き残った。ここまでで計一時間はかかってるだろう。
『神のロリコン:ボスが来るまでは少し時間があるから、HPとSPを回復しておくこと。』
回復アイテムを使用し、全快させた。アイテムは効果なため、こんなに使うのは久し振りだ。と、
『ロリロリハンター:てかパーフェさん強すぎでしょ!?HGだけでここまで残ってるとかw』
『神のロリコン:本当に凄いですよ!少し見くびっていましたwあと、そろそろです。』
誉められた言葉に返答する暇なく、ボスがやって来た。ストーリーが進行し、三体のボスがやって来た。敵の名前は、ソルエドラ。三体供だ。バトルが始まると、作戦通り、分断が始まった。上手く三体を分けることが出来たが、ソルエドラはバネのような2本足と、石の片手剣を使い、高速かつ重い攻撃を放っていた。一体目は順調に体力を削り、あと少しのところまできた。が、ここでハプニングが起きた。ソルエドラを引き付けていた二人が運悪く接触し、自分が引き付けていたのとは別のソルエドラに致命傷を負わせられていた。だが、ここで攻撃をやめたら、余計にパニックになってしまうため、一体に集中した。が、一体目の討伐が終わった時に既に、残り人数は俺含め二人になっていた。もう一人の名前は唯一創世スル者と、不明の名前のやつだった。武器は、首をえぐれそうなU字型の短剣と小盾だった。
『唯一創世スル者:じぶんみぎやるからきみひだり』
敵に攻撃されるかもしれないのに、こうして打ってくれたお陰で、勝利への道が開かれたと思った。ソルエドラの攻撃を上手く避けつつ、もう一体と離れて攻撃をする、至難の業だ。ましてやガンナーのやることではないがやるしかない。十分ほど格闘を続けていると、強そうに見えた創世スル者はこのフィールドから立ち去った(普通に死んだ)…HPは全快。SPも全快。残り一体まで使わずにいるつもりだった『インフィニティ・バレット』を放った。創世スル者が戦っていた方に当てると、まさかの一撃で倒した。死んでいったあいつも、相当なダメージを与えていてくれだろう…お前の死は無駄にはしないぃ!なんて思っていると、最後の一体が吠えた。白色だったからだには、赤いラインがついた。変わったのは見た目だけでは無かった。スピードも格段に早くなっていた。
「ここからが本番ってか?面白い!」
思わず口に出ていた。そして、俺の頭は勝利への計算式を組み立てていた。ソルエドラに与えられるダメージから計算したおよその総HPと防御力。そして、こちらの攻撃のパターン。一瞬にして64個のスキルの組み合わせパターンを組み立てた。相手の攻撃パターンも組み入れ、全ての攻撃が上手くいくようなパターンが完成した。その技は一ノ瀬純人という、完璧超人だからこそなせる技だった。SPを回復させ、(残SP250)《 F1F1F1》『フルパワーショット』×2(残SP200)から始まり、後ろに下がりながら0.3秒後《F3F4F2》『SPドレイン』(残SP205)、ソルエドラの片手剣の切り下げ攻撃を《F3F3F3》『月下・上弦の月』(残SP190)でかわしつつダメージを与え、『SPドレイン』×2(残SP200)
から、敵の攻撃の足払い攻撃からの振り上げ攻撃を飛行しつつ『SPドレイン』×2(残SP210)振り上げ攻撃は、《F3F2F4》飛行状態で発動可能『ドラゴンクロー』(残SP150)。『ドラゴンクロー』は、攻撃対象の頭上から裏へと曲線を描きつつ、ダメージを与え、背後をとったら、連射というスキルだ。そこから、『フルパワーショット』に戻り、何度も繰り返し、相手との間合いを考え、少しスキルを変えることで、ちょうどSPが0になるまで、ダメージを与え続けた。一切のダメージを受けずに。ここで最後のSP回復薬を使って全快させる。
「THE END」
その言葉と共に、《F1F4F4》『インフィニティ・バレット』を放った。光速の弾丸は、ソルエドラの体を貫き、貫いた弾は大爆発を起こした。俺は見事な勝利を納めた。