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4話 疑似ニート生活スタート

《INFINITEーPERFECT》を入手した翌日、俺は授業が頭に入ってこなかった。というか別の勉強をしていた。64種のスキルの詳細、位置の記憶をしているだけだったが。記憶力にはなかなか自信があったが、なかなか頭に入ってこなかった。正直なところ、俺ほどの天才以外の人間が操れるものなのかと、疑問に思った。まず、この武器に要求される技術は多すぎる。それプラス、この武器以外の武器を同時に使うことが出来ない。さらにこの武器には通常攻撃が存在しない。とりあえず部活で聞くことにして、情報を頭に叩き込んだ。

放課後、昨日あったことを全員に説明した。

「Beluって言った?」

後藤くんが真っ先に突っかかってきた。

「おう。」

「Beluは確か…」

「オー・ブリオンのクラマスさんですよ、先輩」

後藤くんよりも先に葉月が答えを導きだした。

「ふーん…そのクランは何なの?」

「ボクが知ってることは、運営さんがつくったテスターチームと聞いています。大会にも参加されていて、過去5回の優勝をおさめています。最近は参加していませんが。」

葉月の知識に補足を加えてきたのは後藤くんだった。

「個人戦大会には一切参加したことがない人達なんだ。最近は専用武器を配布しているとかどうとか聞いたよ。一ノ瀬君がもらったHGも専用武器だと思う。」

「専用武器ってことは俺しか持ってない武器か…」

「どちらにしろ戦力にはなるだろうね。次の個人戦の大会には流石に間に合わないだろうけど。」

ちらっと後藤くんがいった大会の二文字を聞き逃すことはなかった。

「おい、大会いつだ。」

「あ、えっと…」

「6月の最初の日曜日にオンライン予選で、6月の下旬にオフライン決勝です、先輩。」

またしても葉月に助けられた後藤くんだった。

「後藤くんは出場するのか?」

「僕は今回は遠慮しておくよ。三次職になるのを優先させるつもりなんだ。」

「葉月ちゃんは?」

「ボクは出場します。勝てなくても参加賞が欲しいので。先輩はどうしますか?」

どうしようか考えていると、海成が

「俺も参加賞狙いで出よっかなぁ…」

「漆原先輩?出るなら参加登録しなきゃですよ。ボクがやっておきましょうか?」

海成は頷くと、ゲームをはじめた。

「んじゃ百合ちゃんは?」

「私は遠慮しますわ。テストも近いですし私は陽毬の親友として陽毬を応援します!」

俺は頭をフル回転させた。学校で寝泊まりは出来ないから、徹底的にやるとしたら家にこもることになる…いや仮に、家にこもったとしても情報を入手出来ない…一家に一人葉月がいれば…

「それだぁ!」

「純人?い、いったい何があったのさ?!」

「海成?テスト週間って授業サボっても問題ない?」

「ん?まぁテスト勉強するだけだから…テストの点がとれるなら休んでも評価には関係なかった気がする…ってまさか…」

「そう、俺は学校休んでゲームしたるぅ!!そして、葉月ちゃん。お前も一緒になぁ!」

ゲー研の部室は一瞬にして固まった。永久凍土のように…

「ボ、ボクもですかぁ?!」

「おいおい、お前のテストは問題ないかもしれないが陽毬ちゃんを巻き込むなよ!だいたい、」

「俺はこのゲームをはじめてまだ日が浅い…後藤くんは先生に目つけられてるから休めない…そこで彼女を俺の家に置くことにした。」

ゲー研の部室は再び固まった。より硬く。

「一ノ瀬…先輩?陽毬を家に置くって…え?」

百合の言葉を聞いて、より理解が深まってしまった葉月は、顔を真っ赤にしてちっこく丸まってしまった。その様子は小動物みたいで可愛かった。

「俺は俺の家に葉月を置いて、勉強を教える。逆に俺はゲームのことを教わる。どうだ?」

「確かにテスト週間に塾とか行ってるやつは多いけど、流石に陽毬ちゃんを巻き込むなよ。」

「そうか…いい案だと思ったけどなぁ…テスト週間は部活も出来ないし…まぁ俺一人で何とかしてみるわ。葉月?すまんな。」

葉月は顔を真っ赤にしたまま動かなかった。その雰囲気は、ホッとしたような、どこか残念がってる感じがあった。

「んじゃ、はじめるか!」

その日は、HGをうまく使いこなすことは出来なかった。後藤くんにもスキルを見せたが、驚きというより、これは使えないとの評価だった。レベルは9となった。

翌日、ついに10レベになり、アサルターに転職した。しかし、あいかわらずHGを扱うことは出来なかった。

テスト週間が始まった。学校には行かず、パソコンをはじめた。

しばらくやっていたが、これといったことはなかった。そして、1対1でもやろうかと思った時、部屋の招待メッセージが届いた。送り主はBeluだった。俺は迷わずその部屋に入室した。前と同じく、戦いが始まった。フィールドはあいかわらずのタウン。前と全く同じ位置で隠れた。ある意味意表をつかれた。Beluは前と、全く同じ場所を駆け抜けてきた。前と同じように、タイミングを計った。今度は別のスキルで待ち構えた。そしてその瞬間、《F4F4F1》状態以上を引き起こすコマンド、『麻痺弾』は見事に命中した。それにしてもなぜ前と同じように攻めてくるのかと、疑問を抱いた。今はそれどころではないと頭に念じ、前と同じように移動を開始した。麻痺が続くのはおよそ5秒短いようで凄く長い5秒。距離をとったらすかさず次のスキルを放った。《F1F4F4》今ある全てのSPを弾に込める大技、『インフィニティ・バレット』その名前に秘められた意味は、その名前通りだ。無限の弾丸、無限の力を秘めた弾丸という意味だ。レベル、SP、ステータスに影響されているため、使いどころがあまりなかったが、よく考えると、一対一には有効な技だ。弾は、Beluの頭を貫いた。ものすごいスピードで貫通した弾は、しばらく直進して爆発した。あの弾は、相手のHPを吸い込み、爆発する。吸いとったHPが多ければ多いほど、爆発の規模は大きくなる。これは後藤くん相手に実験済みだ。今回は相当な爆発を引き起こした。相手のHPを6割ほど削った。これが半分のSPで弾を打っても、威力は今の4分の1程度というところが難点だ。しかも運よくヘッドショット判定もとれたため、ダメージは2割ほど上昇していたため、運が良かった。このゲームの防具はオプションだけなため、武器が強ければ、レベルの違いはさほど関係しない。これもこのゲームのいいところだ。SPが切れたため、《F3F4F2》『SPドレイン』を打ちながらその場を離脱した。SPは全開で200、さっきの『SPドレイン』が2発当たって10回復した。HPは1200だった。全開状態では1500なのだが、『インフィニティ・バレット』の代償だ。1発打つごとに体力と、体力の上限値が2割減るという。しばらくはSPの回復を待った。『インフィニティ・バレット』のクールタイムである60秒が経過したところで、動き出した。SPは90まで回復していた。周囲を警戒しながらフィールドを走った。橋の下をくぐろうとしたその刹那、橋の上から横回転してBeluが俺のアバターの体を切り裂いた。あわてて後ろにステップを踏んだ。相手のHPは残り5割と少しになっていた。Beluは距離を詰めようと、スキルで接近してきた。あわてて《F3F3F3》『月下・上弦の月』をはなった。右方向に半円を描くように低空飛行し、Beluの背中をとった。そのまま締めの一発を放った。その弾の軌道と、アバターの軌道は半月を描いていた。すれすれでスキルをやったつもりが、少し剣に触れていたらしく、体力は最初の状態から5割を切っていた。Beluの持つ大剣は恐るべき破壊力だということだ。硬直もなく、そのままバックステップを踏んで、離脱を試みたが、再びあの技がきた。飛行し、大剣の先をこちらに向けて降りかかってきた。『月下・上弦の月』による回避を試みたが攻撃は直撃していた。前回はこの技でほぼ全部のHPを持っていかれていた。今回も数値にして600前後のHPを削られた。レベルが上がったからこそこ、このダメージで済んでいた。お互いに再起動して、すぐに距離をのとりあいになった。俺は距離を広げようとしていたが、Beluのスピードに距離を詰められていた。振るわれる大剣も、避けながら。飛行による離脱を試みたとこで勝負は決した。Beluが切りつけてきた橋目掛けて飛行しようと、Beluの頭上を越えようとしたが、切り上げジャンプのスキルの餌食となった。その日はそれ以降の勝負は一切しなかった。初日からいきなり手に汗握る戦いを繰り広げたが、まだまだ初日ということに期待を膨らませた。ニートという言葉を知るのはもう少し先である。

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