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3話 INFINITEーPERFECT

現在の時刻は4時半。部活として活動できる時刻は7時までだ。早くも後藤くんは配線を終了させ、ネット環境を整えるためにパソコンに触りはじめた。

「あー、これから部活をはじめるにいたって、自己紹介をしたいと思う。早速俺からいくぞ。2年D組、一ノ瀬純人だ。特技は何でもできることだ!これからよろしくな!次海成な。」

海成は、待ってましたと言う顔で自己紹介をはじめた。

「同じく2年D組、漆原海成様だ!特技はスポーツだけど…やっぱなんでもない。」

多分海成は、俺にはかなわないとでも言いたかったのだろう。

「次は…そこでパソコンをいじくっている後藤くんな。」

後藤くんは海成とは対照的に、驚いた顔をしながら自己紹介をはじめた。

「クラスは2人と同じです。名前は後藤隆司です。特技はゲームです。よ、よろしく…」

たかし…パッとこない名前だなぁ。と思いながら次の人を指名した。

「葉月ちゃんね。その次が百合ちゃん。」

陽毬はあたふたしながら独り言を呟きはじめてしまった。

「あのー?」

「あ!すみません。ボクは葉月陽毬です。1年D組です。特技は…何にもないですぅ…」

「陽毬と同じクラスの遠藤百合です!特技っていうか、特性っていうか、いわゆる腐女子です!たまに変になってもきにしないで下さい!!」

全員の自己紹介が終わったところで、後藤くんのネットワーク環境の設定が終了した。

「じゃあ後藤くん。グラドニルやろうと思うんだけど、すぐできる?」

「うん。全部にインストール済みだよ!」

「それぞれ席につけぇい!俺奥ね。」

全員が席についた。

「それじゃあ、後藤くん?開き方の説明よろしく!」

後藤くんの説明通りに、それぞれがマウスを動かし、キャラ作成画面にたどり着いた。後藤くんと葉月は既にキャラを持っていたため、俺含めた3人のキャラ作成がはじまった。

「後藤くん?これ、役割分担必要だよな?」

「そうだね…僕のキャラは二次職のウォーリアーだから…葉月さんは何?」

「ボクは、二次職のロングガンナーです。」

「二次職って何だ?」

疑問に思った俺は、そう言った。

「グラドニルのレベルは25レベルが上限で、10レベで二職に転職出来るんだ。ちなみに一次職は、剣士かガンナーしかないよ。」

「三次職もあるか?」

「うん。20レベで三次職になれる。三次職はより1つの武器に特化するから、二次職でどんなチームを構成するかを考えるといいよ。」

「じゃあ一次職はどんなのがあるんだ?」

「剣士の方はウォーリアー、フェンサー、シーフだ。ガンナーはわからないや。」

すると陽毬は、ガンナーの説明をはじめた。

「ガンナーはアサルター、ショートガンナー、ロングガンナーです。」

「二人共、必要不可欠な職業とかある?」

「剣士は、フェンサーは大盾が使えるようになるから、最前線に必要だと思う。ウォーリアーは攻撃力が一番高いだけで、シーフはスピードが高いよ。正直言うと全部欲しいところ」

「ガンナーは、ショートガンナーはショットガンとかガトリングガンとか、火力が高い、連者系の武器が中心で、ロングガンナーは、スナイパーライフルと、グレネードランチャーが中心。アサルターはとにかく扱いが難しいって言うか…何て言うか…」

「じゃあ俺がアサルターをやる。フェンサーとシーフを百合ちゃんと海成で担当。これで決まり。」

こう言った俺に最初に突っかかってにたのは、まさかの葉月だった。

「え?やめたほうがいいですよ!前衛を多くする作戦はいいんですけど、アサルターはとにかく動くって言うか…とにかく武器がサブマシンガンとアサルトライフルしか使えないんで、本当にやめたほうがいいですよ!」

この意見に反論したのは俺ではなく、後藤くんだった。

「葉月さん?一ノ瀬君の指の動きは尋常じゃないから問題ないよ。」

葉月は、ちょっと不満げな顔をしながらパソコンに目線を移した。

結果、フェンサーが海成。シーフが百合となった。名前選択のとこで、なかなか迷ったが、『パーフェクター』と言う片仮名の名前にした。チュートリアルを手早く終了させ、PvPによるレベル上げを始めた。聞いたところによると、PvE(プレイヤーバーサスエネミー)は、お金の取得。PvPは、レベル上げが可能と言うことだった。10レベなら2日程やっていればなれるとのことだったが、後藤くんが18レベで、葉月が15レベだった。その日は各自のレベル上げだけで部活は終了した。俺は6レベ、海成は4レベ、百合も4レベまでレベルが上がった。後藤くんが言っていた、レベルアップボーナスの振り分けは放置していた。後藤くんには一応設定をしてもらうことが出来たため、帰ってからもログインした。フレンドリストには4人の名前がのっているが、いずれもログオフ状態だった。とりあえずPvEでお金を稼ぎ、武器などのアイテムを揃えた。時刻は11時、あと一時間PvPをやろうと思い、一対一形式のタイマン戦の部屋に入った。相手の名前はBeluと書いてあった。部屋主であるBeluがスタートを押し、3秒のカウントダウンがはじまった。0になったら、ロード画面になり、ロードが終了すると対戦フィールドに移動した。場所はタウン。タイマン専用仕様にされているため、三つの分かれ道が二つになっていた。制限時間は十分。アサルトライフルを片手に真ん中のロングを見張っていた。一分程見張っていると、ロングを、物凄い勢いでこちらに向かって突っ走ってきた。張れていないことを祈り、すれ違う瞬間を待った。そして、物陰に隠れている俺とBeluがすれ違う瞬間にスキルを使用した。自動連射攻撃『速射』を使用した。俺の攻撃は見事全弾命中したが、相手のHPの3割しか削ることが出来なかった。しかし、このスキル自体が、現在構えている場所にしか打ってくれない

ため、なかなか扱いの難しいスキルだった。まだただのガンナーだが、アサルトライフル自体の扱いがなかなか難しいことがなんとなく分かった。急いで物陰から出て、Beluがリターンしてくるまでにロングを走りはじめたが、Beluのスピードとこちらのスピードだといずれ追い付かれそうだった。Beluがリターンし、だんだん距離が狭まってきた。振り返りながらも、通常攻撃をしていたが、45発打ち切っても相手のHPは一割すら削れなかった。ブレの影響もあったため、30発当たったかどうかと言うラインだった。距離が大分狭まってきたところで、Beluはスキルらしきものを使ってきた。飛行しながら両手用大剣の先をこちらに向けて飛んできた。左右に小刻みに動いても、Beluもそれに合わせて移動してきた。そして、そのまま直撃した。Beluは刺さった剣を引き抜いた。ここでBeluのスキル後の硬直がきた。すかさず『速射』をしようとしたが、こちらも倒れてしまっていた。しかも残り体力も一割を切っていた。相手の硬直が解けたと同時にこちらの足が動いた。前方攻撃『弾幕』アサルトライフルとサブ武器のサブマシンガンで前方に弾の壁を作った。Beluはのけぞり、その間に俺はその場の離脱を試みたが、Beluはすぐに次の攻撃をやってきた。俺は諦めて、攻撃を避けつつ通常攻撃で少しずつ体力を減らす戦法にでた。が30秒も持たないうちに体力が0になった。結果は相手体力は半分いったかどうかという体力だった。バトルが終了し、部屋からでた。すると、Beluから友達申請がきた。とりあえず許可すると、チャットが来た。

『君は筋がいい。今、最も扱いづらいが、最も強いハンドガンを手紙に添付した。次やるときは二次職の時だ。その時また戦おう。』

意味深なのかなんなのかわからない文章を読んでいると、手紙マークが点滅した。手紙には何も書いてなかったが、アイテムが添付されていた。アイテムを受け取り、開封ボタンをクリックした。すると、《INFINITEーPERFECT》というハンドガンだった。そのハンドガンには専用スキルの欄があった。専用スキルは、武器が持っているスキルだ。後藤くんはシューティングスターがそうだ。スキルはF1ボタンからF6ボタンまでセット可能だ。だが、その武器は6つの概念を壊していた。そのハンドガンを武器スロットにセットしただけで、F1からF4までが固定スキルとなった。固定スロットはシューティングスターもそうだが、4つもスキルがあるとは思ってもいなかった。が、それだけではなかった。1つずつ、スキルの詳細を確認しようとスキルをクリックすると、スキルが分裂したのだ。F1からF4のスロットに分かれた4つのスキルのうち、一つを押すと再び4つに分かれた。F1からF4までがスキルに分かれた。そして、スキルの詳細を確認した。F1、F1、F1と押したところにあるスキルは単発攻撃『フルパワーショット』だった。もしや…と思い、残りのF2からF4にあるスキルも確認したが同じように、スキルがあった。驚愕だった。たった一つのハンドガンには、合計64個ものスキルが存在していた。とりあえずPvEをソロでやりにいったが、スキルの位置やスキルの内容も全く覚えていなかったが、圧倒的だった。HPドレインやSPドレインなど、多彩過ぎるスキルを行使して、先に進んだ。このHG(ハンドガン)には通常攻撃がなかった。つまり、オールスキルだ。いったいどれだけの神経を指先に集中させればいいのかと、考えるだけで、ぞくぞくした。そして、この日出会ったBeluと《INFINITEーPERFECT》がこれから先の戦いにどう影響するかを、まだ俺は知らなかった。

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