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2話 ゲーム研究部設立

今俺は、後藤くんの席のの横で、彼と会議をしていた。昨日の一件のあと銀行に行き、口座から5万ほど引き出し、持ち運び便利なノートパソコン、無線LANなどなどの道具を一式揃えたのはよかったものの、滅法機械には弱い俺だ。よって後藤くんにわからないところを聞いてはメモっての作業を繰り返している訳だ。そう言えば後藤くんの下の名前ってなんなんだろう?

「一ノ瀬君?一ノ瀬君?聞いてるの?」

「あ、わりい。全く聞いてなかった。んで何だっけ?」

「もしよかったらパソコンの初期設定はやるよ?持ってきてるんでしょ?放課後とかなら多分バレないと思うし…」

「んじゃ頼むわ!」

俺は即答した。現在は昼休みだ。周囲は普段静かな子達しか残っていない。後藤くんはいつも弁当を食べていると思われる(学食で見たことがないから)。

「んじゃ俺は飯食ってくるな!また放課後よろしくな!」

そう言って学食に向かった。

学食の中はほぼ満席だった。がしかし俺は完璧超人な人気者だ。三年生の男子には妬みの感情を抱かれているが、他の生徒は俺のことをよく思ってくれている。すると背後から肩を叩かれた。

「さぁ、今日はどこに座らせてもらうか…人気者は大変だねぇ!」

「それは大きな間違いだ。あくまでもお前は俺のハッピーセットだ。」

「なにそれひどぉ!!」

こいつは俺の親友の漆原海成。一年の頃から同じクラスで、わりかし心を許しあってる(のか?)仲だ。俺が去年の11月に起こした騒動以降、学食の席選び放題になってから俺の横に座り、彼女獲得に力を注いでいるっぽい。まぁこいつは見てて面白いから飯を一緒にするのもなかなかいい。俺が海成と仲がいいことは有名なため、俺達に横に来てもらいたい女子達はわざと二席開けておく訳だ。俺は決めるのが面倒なため、漆原に決めさせている。

「お!あそこの一年かわいい!あ!あそこの三年生美人!!」

「漆原?飯何食べる?俺はカレー食うけどお前もカレーでいいか?」

「おう!俺は先に席とっとくな!」

女子一同は静まりかえって漆原に熱い眼差しを送っていた。騒がしくするとおばちゃんに叱られるため、こういうアピールしか出来ないのだろう。俺は手早くカレーの食券を買って、カレーを両手に載せて漆原の元へ向かう。

「海成?決めたな?」

「んじゃあそこ!」

海成が指名したのは控えめそうな一年生と思われる二人がいた席だった。海成に指名されたことに驚いている二人はあたふたしていてかわいかった。どうせ彼女をつくるならゆるふわ系の方が和みそうでいい。デート時間もずっと頭をなでなでしたいところだ。そんなことを考えながら席に向かうと、背後から殺気を感じた。妬みの視線が二人に向けられていたのだ。いつものことだが、ゆるふわを守るべく俺は立ち止まって振り返った。そしてニコッと笑った。女子達の殺気は一瞬で歓声に変わったが、学食のおばちゃんの鋭い視線で一瞬にして消された。俺は足早に席に向かった。

「二人ともなんて名前なの?」

海成が初めて話す二人に向けた最初の言葉だった。二人は、眼鏡黒髪ロングと、もふもふ感のあるブロンドショートの純心そうな女の子だった。最初に黒髪ロングの方が口を開いた。

「えっと、私が遠藤百合で、この可愛いのが葉月陽毬です!」

「ぼ、ボク可愛くなんてないよぉー。」

「二人とも可愛いよ!俺がこの席を選んだんだから自信を持っていいぜ!」

「あの…ちょっとお伺いしたかったことがあったんですけど…いいですか?」

「純人への質問か?何でもいいぞ!」

オイオイ、勝手にオーケするなよ。俺がいいよって言おうとしたのに…てかまだ一言も喋ってないし…

「一ノ瀬先輩が去年の11月に起こした事件のことです。何をしたんですか?」

「あぁ…純人!説明ヨロシク!!」

喋るタイミングが出来てホッとしているのもつかの間、事件のことを説明するのは長いから面倒だ。

「11月の中旬に、部活動やってる連中の心を全部へし折っちゃったんだよね。」

11月の中旬、退屈しのぎに部活動に割り込んで、戦った。俺が壊した部活は2つ、サッカー部。テニス部。もうひとつ、生徒会を壊した。理由は、3つの組織に関係していたことがある。主導権が2年生にになった時期だった。俺のクラスの男子連中が部活ではいじめ、生徒会には権力による恐喝行為が行われていたことを俺に話してくれたことから始まった。進学校のうちの高校でそのような事件が起きると、教師の名誉の失墜が起きるため、教師の介入は期待できなかった。真っ向からケンカでかたずけることもできたが、それこそ問題になるためやめた。最初にサッカー部に乗り込んだ。二年共は、サッカーに絶対の自信を持っていたため、簡単に潰せた。1対11の試合に勝利して、二年を全員退部にした。テニス部も同様に潰した。生徒会は主に生徒会長の獰猛なふるまいを潰すため、同様の模試で勝負した。当時一年の俺に二年の範囲まで出題される模試で、生徒会長は負けた。そこから心が折れかけた会長に対して、いろいろなことをして退学にまで追い込んだ。教師には感謝される行為だっため、この事件はなかったことにされた。

「つー訳だ。俺は俺より偉ぶってるやつが嫌いだ。」

「先輩何やってるんですか?」

「昔中国拳法やら、柔道やら、空手とか、身体的にいろいろ底上げしてたからなぁ。その気になればいろいろ世界一目指せるんだけどな。」

「先輩凄い!ね!陽毬?」

「あ、うぅー、うん。」

いやーあたふたしてる陽毬ちゃん可愛い!

「純人?最近、現生徒会長の野郎がお前に仕返しする計画をたててるとかの噂が流れてるぞ?」

「まぁ俺は何があろうと全て蹴散らすけどな。そうだ!二人はなんか趣味あるの?」

「私は…あの腐ってるっていうか…家に帰ってBL同人誌読む…ってあぁぁぁ!!!忘れて下さい。」

すると海成は突然肩を組んで顔を近づけてきた。

「こんな感じ?」

「何がこんな感じだよ。離せ。」

「あ、いい!っう。」

百合は完全に自分の世界に入りこんでいた。

「陽毬ちゃんは?」

海成が何事もなかったように聞く。

「あの…ボクはゲームとか大好きです。ネットゲームとか…」

思わず立ち上がった。

「どうした?」と海成に聞かれて、咳払いしながら座る。

「君もゲーム好きなのか…」

「一ノ瀬さんもお好きなんですか??」

「昨日からな。」

「え!あの一ノ瀬純人がゲームを、やったぁ!!?」

「そんな驚くことか?」

「ボク、ゲーム大好きなんですけど、ゲーム一緒にやる人とかいないんです…部活でもあればいいのに…なんて、あはははぁ」

「それだぁ!!!二人共放課後俺の教室に来い!!」

放課後、俺、葉月、遠藤、後藤くん、なぜか海成が集まった。

「えっと、漆原君は知りませんが、他の3人!よく聞け、」

「ちょいちょい。俺も混ぜろよぉ。」

「まぁ海成も聞け。俺はこれからゲーム研究部。ゲー研の設立をしようと思う!」

『…ってええーぇ!』

俺は詳しく説明し、部活設立の用紙に全員の名前(なぜか海成も)を記入し、職員室にむかった。

「純人?何しにいくの?」

「顧問探しにいく。」

無言で職員室のドアを開けて、なかに入っていった。俺は教師に、結構いい目で見られている、むしろ俺が教師を助けた事もあって、すぐに顧問は見つかった。

「と言うことで俺達の顧問の鬼藤先生だ。先生?なんか一言。」

「えー私がお前達の顧問となる鬼藤だ。一ノ瀬の頼みとあっちゃしょうがないからな。以上解散。」

「と言うことで次は生徒会室にいくぞー。」

「おいおい!生徒会室かよ?あの生徒会長に許可とるの無理だろ?」

「まぁ行くぞ、勝算はある。」

そして、生徒会室に着いた。俺は、みんなにここで待っていろと言って、一人生徒会室に乗り込んだ。

「会長いる?」

「おやおや、これは一ノ瀬君じゃありませんか。いったいあなたが潰した生徒会に何のようですか? 」

ポケットにいれていた書類を全ての渡して説明を始めた。

「と言うことだ。何か異論はあるか?」

「こんな部活認められません。こんなお遊びの娯楽部活なんて…」

「よく聞け、これでお前は納得せざるを得ない。まず遊びじゃない。俺達の部活は、グラドニルオンラインなどの大会に参加する。これで功績は残る。つまり遊びではなく、正式な戦いだ。もちろん賞金も出るらしいから、それは校納させてもらう。そして、娯楽とは何か?スポーツもれっきとした娯楽だ。」

「そんなへりくつが通るか…」

会長の敬語が無くなったのを確認した俺は次のカードを提示した。

「俺はこの学校の秩序を守った。前生徒会長が不正に使った金はまだ集まってないのだろう?いろいろ使ってたもんなー。だから俺は校長に話をつけた。俺が生徒会の借金返済に、部で獲得した賞金を回すと、勿論勝てる保証はない。校長は、生徒会長の許可が出なかったから、生徒会自体を一回崩さないといけないと言う結論をだした。」

「なぜだ!なぜそんな筋の通っていない話が通る!生徒会を潰すってどういうことだぁ!!」

「だーかーら。金がないの。個人で20万近くも使った馬鹿な組織の会長のせいで。うちは私立じゃないから、金の余裕がない。各部の予算を回す方法もあるけど、サッカー部とテニス部の騒動の影響で、予算使ったらしい。去年の分はね。それなのに、お前ら生徒会が余った予算を使おうとして、部費やらなんやらの経費を計算せず、そのまま教師に提出した。今年の予算はそんなにない。そもそも、生徒会の個人経費として扱われてるから、学校からは、その金が出せない。出したらいろいろ厄介ごとになる。」

俺は会長に承認の印鑑を押してもらい、空いている教室の使用許可をとった。

「と言うことで、パソコン室からパソコンを5台かりてきたわけだが、配線は後藤くんに任せるとして、我々の部の目的は1つ…大会の賞金狙いだぁ!!」

「純人?半分こじつけだよね?筋通ってないよね?」

「学校としては、不正に使われた金をもみ消す方法があればなんでもいいらしい。と言うことで、ゲーム研究部設立に拍手!!」

こうして、無理やりな目的のもと、ゲー研の活動ははじまった。


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