15話 因縁の対決
G3ブロック決勝のの舞台までやってきた。だんだんゲーム慣れしてきて、一回一回の対戦で進化している。準決勝の相手は俺に手も足も出ず、ストレートだった。だが決勝はそうはいかないだろう。相手はゴルもん。はじめてこのゲームをやってはじめて負けた相手だ。彼と対戦出来なかったらゲームに興味を持てなかったかもしれない。リベンジマッチだ!戦いがはじまる。この決勝戦以降の戦いは全て生放送される。フィールドは森。ゴルもんの得意と思われる場所だ。まずは相手の居場所を突き止めるところからだ。予想される攻撃パターンは二つ。一つは、木の枝を移動し、爆弾による攻撃。もう一つは短剣の無限攻撃。短剣の無限攻撃を避けるために木の上に飛ぶ。辺りを見渡す。しばらくたってもゴルもんは現れなかった。恐らくこちらの位置はばれている。これだけ時間が経過しても見つからないということは…《F1F4F2》『インフィニティ・レイン』。弾の雨が降り、下の方でhit音が聞こえた。木を飛び降りると、インフィニティ・レインにはまっている木登り中のゴルもんを発見した。《F1F2F3》『ヴァイスフローレン』でゴルもんを地面に突き落とす。インフィニティ・レインのダメージも上乗せされているため、大ダメージを与えることに成功した。ゴルもんは、剣速が命の短剣使いだが、シーフから転職しないことによりスワイプの無限攻撃を得ている。そのかわりに、転職していないため、少しステータスは低い。いきなり体力を二割弱削っていた。インフィニティ・バレットを使いたいのはやまやまだが、コンボのフィニッシュに使わないと避けられる可能性が高い。地面に弾を撃つ。ゴルもんはそれに気がつき、爆弾を投げてきた。もちろん地雷弾は起動してしまう。地雷と爆弾の煙が晴れると、木の枝にゴルもんを発見した。彼は、爆弾を投げは木を移動しはじめた。とんでくる爆弾を避けようとしたが、爆弾の数と、位置が計算されているのか、避けられないパターンもあり、少しずつではあるが、体力が減少している。今木の上に登ったら短剣で襲いかかって来るだろう。今有効な選択肢は狙撃!《F3F2F1》『竜の息吹』この攻撃は、レーザー攻撃だ。三秒間はレーザーが発射されている。上手く照射を合わせ、ゴルもんに当てようとするがあまりにもすばしっこい動きには追い付けなかった。シーフのスピードは、やはり伊達じゃない。次の手に移る。木の枝に向かう。ゴルもんは動きを変え、一番速く切りつけられるように様子を伺っていた。《F1F3F3》『エアダウン』木の枝に姿を現した俺に、迷いなく攻撃してくるゴルもんは、エアダウンの連続攻撃の餌食になった。木の枝での奇襲に成功したが、状況はここから展開していかないとまた相手のペースにされてしまう。ゴルもんは、起きあがってすぐに、地面に移動した。『銃雷』が発動し、爆発音が鳴り響く。木の枝を移動しながら爆弾を投げていると、煙やスピードの問題で、スキルの発動に気がつけなかったのだろう。ノックバックしている間にきめる!木の上から飛び降り、出来るだけ接近し、直撃から逃れられない程近くで…《F1F4F4》『インフィニティ・バレット』SPが減っていたが、いつもの半分程のダメージを与えることは出来た。野菜ジュースの時と同じパターンだ。そのまま《F1F2F4》『シュバルツゲイザー』フィニッシュで吹っ飛んだゴルもんを飛行し追いかけ、《F3F2F4》『ドラゴンクロー』で追撃し、ゴルもんが着地する前にとどめをいれる。《F3F2F2》打ち上げ攻撃『翔龍・燕上』このスキルは、相手を次々に発射される弾によって相手をだんだんと空に向かって上昇させるスキルだ。着地寸前のゴルもんは次から次にとんでくる弾の餌食となる。木の枝付近まで打ち上げられたところでスキルは終了した。それと同時に、ゴルもんの体力ゲージはゼロになった。画面に勝利の文字が表示され、休む間もなく次の戦いがはじまる。少し移動し、辺りを見渡そうとすると、後ろから切りつけられた。スワイプは、その場に止まる必用があるため、まだ大丈夫だ。接近戦がはじまる。ウルツァイト砲で応戦するが、短剣の素早さには追い付けない。スワイプが発動出来ないように立ち回っていたが、スワイプに気をとられすぎて、体力に目がいっていなかった。体力は七割前後まで減らされていた。このペースでいくと、いずれやられてしまう。F5系統は、外すと直撃よりも発動時間が長くなるため、慎重に使っていたが、全てさばくためにはF5中心に攻撃するしかない。が短剣のスピードに翻弄されているのには変わりない。その時一刻と迫っていた。銃雷を撃つ暇もなく、少し早まってしまったその瞬間、《F5F1》『強突き』をワンテンポ速く放ってしまった。ゴルもんはこのまま移動すると強突きにあたる進路を変更した。強突きを外したその瞬間は、防御の使用もなく、横から放たれる。『スワイプ』……まだ諦める訳にはいかない。最悪のパターンに陥ったことには変わり無かったが、このループ状態から脱出出来る方法があるかもしれない。が、前回戦った時のスワイプよりも若干隙が減っていた。エアダウンをやって抜けるしかあるまい。F5系統は、こちらがあたるまえにスワイプがあたり、キャンセルされてしまう。タイミングを計り《F1F3F3》『エアダウン』が、微動だに動けず、SPだけが減ってしまった。無限攻撃が止んだ時には、敗北の二文字が画面に表示されていた。これで一対一になった。戦いはまだ始まったばかりだ。