13話 予選初日の大激闘
運営からの招待が届く。いよいよだ。Beluの期待通りにオフラインまで行く!とりあえず部屋名を見ると、『予選 G3ブロック』となっている。対戦フィールドはいきなりの闘技場。相手がゴリ押しの剣士だった場合なんて最悪だ。逆にガンナー相手なら余裕だろう。フィールドは、ランダムに闘技場、森、タウンで行われる。それぞれの場所の特徴を把握して戦えば勝率は上がるだろう。闘技場は接近攻撃が強い職程強いわけだ。だから、ガンナー相手は有利となる(レールガン除く)。大会は、普通のサーバーでは行われず、大会専用サーバーが解放されるらしい。非公式大会を主催したい時とかにも、手続きをすれば解放してくれるらしい。ただし有名プレイヤーのみ…ならば勝って創立祭のために使わせて貰うまでだ!強制スタートされ、カウントダウンがはじまる。さすがの俺でもかなりの緊張感で心臓がバクバクしている。受験では味わえなかった感覚をゲームで得られるとは…得した気分になった。と、ロード画面が終了し、バトルがはじまる。バトルのルールは三勝先取だ。まずは相手の武器から確認だ…最悪だった。最悪のパターンだ。相手は剣士で武器は斧。斧は、ウォーリアーの上位職である、グラディエーターのみが使用可能になる武器だ。数回対面したことがあるが、リーチと破壊力が厄介だ。それに加え、防御力がやたら高い。アサルターとショートガンナーの天敵だ。考えている暇はない!まずは、インフィニティ・バレットの初期クールタイム(十秒)を稼ぐ。SPは消費しなくなったが、残りSPに比例して威力が変化する特性は変わっていないため、あまりSPを消費せずに戦うのが有効だ。距離をとろうと下がろうとすると、敵がいきなり突撃してきた。斧を鞘に入った刀を抜くように構え、思いっきり斧を引き抜き、両手で斧を持ちながら回転してきた。遠心力恐ろしい!かなりのスピードでよって来たため、思わずスキルを使ってしまう。《F3F3F3》『月下・上弦の月』パーフェクトなタイミングにスキルを決めた。二丁拳銃になったお陰で威力が上がっていたが、カウンター攻撃でのダメージは期待できなかった。とりあえずSPドレインでSPの再補給を行う。やはり、斧使いは鈍いため、攻撃が当たりやすかった。SPドレインも二発連続で打てると回復が早まって楽だ。そして十秒が経過した。敵も突撃してきていたため、的だ。《F1F4F4》『インフィニティ・バレット』見事命中したが、体力は四割程度しか削れなかった。初戦から本当に最悪の相手だ。敵は怯まず攻撃してくる。インフィニティ・バレット後の硬直時間のせいでギリギリ届いてしまった。ここから連続攻撃が来る。斧をV字に斬りつけてきた。それだけで、二割近く体力が減った。続いて横に二回転して斬りつけられた。さらに二割程体力が減らされる。回避しようと試みるが、隙が出来ないため回避出来ない。極めつけに一刀両断のごとく、頭上から斧で半分に斬られた。柔らかい俺の防御では即死だ。不覚にも、一勝されてしまった。二戦目、今度は超絶ラッシュに入った。麻痺弾からはじめようとしたが、効かなかった。《F1F2F1》高速接近攻撃『スパイラル』であえて接近しつつ連続ダメージを与え、敵の攻撃が来たところで《F1F2F4》蹴りあげ上方連続攻撃『シュバルツゲイザー』で敵を空中に浮かし、下に潜り込んで連発し、止めに吹っ飛ばし性能つきの弾で前に吹きとばす。そして、落下地点の当たりに、《F1F4F1》『グレネードバレット』を放ちつつ、《F3F2F4》『ドラゴンクロー』で吹っ飛んでいる敵に沿ってHGを連発し、ドラゴンクローのスピードと敵の吹っ飛びスピードの問題で通常以上にダメージを与えつつ敵を止め、落下途中に《F1F2F3》下方向連続攻撃『ヴァイスフローレン』のコマンドを入力する。下方向に堕ちる敵をHGで突き付けながら落下し、ゼロ距離からの発砲をする。ちょうどグレネードバレットの爆発に直撃し、次なるコマンドを押そうとF4を押そうとしたが、間違えてF5を押し、続いてF3F4と押してしまった。これでは後方に下がることが出来なく、完成隙を与えてしまっている。スキルは発動しないはずだからもう一度スキルコマンドを押したが別のスキルが発動していた。ただ、右手で銃を持ったまま、手首を突きだして攻撃してるような感じだった。しかし敵はまだ立っていないため、不発し、そのまま連続攻撃され、体力がゼロになった。インフィニティ・バレットを使わなかった分の体力はあってもなくても変わらないようだ。だが、大きな成果があった。知らないうちにF5にスキルが追加されていることだ。だがもう一回も負けられないのには変わりはない。三戦目がはじまる。さっきと同じように技を繰り出し少しずつダメージを与えた。だが、焦っているのか再び手元を狂わせてしまい、相手の連続攻撃の波に飲まれてしまった。ラスト一発の状態になった。相手の斧が上から降ってきた。やけくそでコマンドを入力する。《F5F1》F4近接攻撃『強突き』は見事に敵の腹に直撃し、スキル発動をキャンセルさせた。そこからは、必死の猛攻だった。《F4F1F4》弾幕や《F3F2F1》竜の息吹《F1F2F2》ブリゲイトステップ等の攻撃や回避技に加え、《F4F3F1》『スピードブースト』《F4F3F4》『射撃スピードUP』などの能力値を上げるスキルも合間にいれながらSP0になってやっと一勝目をもぎ取った。残りの二戦も、インフィニティ・バレットの発動タイミングも掴め、楽に体力を削ることが出来た。勢いに乗ったことでそのまま一回戦の勝利までこじつけることが出来た。不有利な場所で、しかもレベルの差もある状態で、あそこまでのことができるってやっぱり天才?と素直に思える程の戦いだったと思う。同時に、ギリギリの戦いだった。勝利の余韻に浸っていると、後藤くんから電話がかかってきた。
「うそうそうそうそ!すごいよぉー!!勝っちゃったー!ねぇ?ねぇ?!聞いてる?」
「うるさいなぁ。一回戦くらい勝てないと天才の代表として情けないだろ?」
「違うんだ!一ノ瀬君の戦った相手。前回の大会でレールガンに当たって、負けちゃったベスト16のプレイヤーだよ?!そんな相手に勝っちゃったんだよ?すごすぎるよぉ!」
レールガンは当たったら即死。さっきのやつは動く的みたいなもんだ。俺そんなやつに、しかも闘技場で勝ったのか…
「てかどこで見たんだよ?」
「どこって、公式HPからトーナメント表に、終わった対戦のとこから公開されてるんだよ。」
HPを見ると確かに俺の名前があった。相手は…ドワイトとなっていた。
「ちなみに闘技場で勝ったぜ!とりあえずちょっと休ませて」
「あうん。てか本当にすごい人だよ。まぁ頑張って!」
電話をきってトーナメント表を見る。A4ブロックに海成の名前を見つけた。相手は醤油煮林檎神さんで、見事に勝っていた。奇跡なのか?奇跡なのか?大事なことなので二度と念じました。まぁ次の試合は、八時からはじまる。仮眠しよう。いや可愛い愛しのひーまりんの結果を見てからにしよう!あれ?頭の回線がぶっ壊れたか?まぁ暇だから次のテス勉やっとくか…何だかんだで七時半まで勉強をしてしまっていた。陽毬は無事勝利していたみたいだ。とりあえず俺のブロックを見た。そして唖然となった。このG3ブロックを勝ち上がるには、決勝でゴルもんとあたることになる。ゴルもんは今まで戦った相手とは違って異質な存在だ。慎重に戦わないと負ける。とりあえず今は次の相手だ!二回戦の相手は、再びグラディエーターと当たった。大剣使いで、斧ほどでは無かったが厄介な武器だった。しかも闘技場。明らかに過酷な一日目が終わった。だが、戦いはまだ始まったばかりだ。