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12話 創立祭の出し物と予選

「あれからしばらくたったが、何も見つからないと…真面目に考えたか?」

俺、一ノ瀬純人は、ゲー研の設立やら大会やらですっかりすっぽかしていた進路希望という最大の壁に直撃してしまっていた。

「先生方?俺部活が…大会近いですし…」

「鬼藤先生にも許可をとったから、今日は何がなんでも逃がさないですよ?」

「山道先生…?俺はやっぱり就職でいいですよ…そうだ!ゲーマとか…?」

先生二人は「はぁ…」とため息をつく。そした、再び山道先生の口が開く。

「確かに一ノ瀬君は私達がほっといても問題ないと思うけど…家庭の事情的に進学したほうがいいと思うな…?それにゲーマは仕事じゃないし。」

「山道先生?一ノ瀬の考え方がこれじゃあらちがあかないですから、また後日やりましょう?あと一ノ瀬はしっかり考えておけ。以上」

本当に進路は悩みどころだ。まぁそんな固いことは考えずにゲームしよ…。結局何も考えずに部室に入ると、

「あ!先輩来た!先輩?今度の創立祭なんですが、グラ使って私達とゲストで対決はどうですか?」

グラとはグラドニルのことだろう。確かにゲーマは集まるだろう。そこから精鋭を引き抜けば終わりだ。なかなかいい案だ。

「いいぞ?申請書はつくったか?」

「はい!顧問の印鑑も貰ったのであとは部長の承認と提出です!生徒会に…」

結局生徒会が絡んでくるな…いっそ潰してしまおうか?

「ん?でも俺の承認いらないぞ?部長俺じゃないし。」

『!?』

部室には五人揃っていたが、純人を除く四人が同時に無言で純人を見る。

「あの、純人さん?今なんて…」

「だから部長は俺じゃないって言っただけだが?」

「じゃあ誰…?」

「後藤君。だけど?」

そして後藤君の十分程の話し合いの結果部長は後藤くんになり副部長が俺となる。

「僕が承認すればいいの?」

後藤くんは百合から紙を受けとる。

「遠藤さん?この物品販売って?」

百合はビクッとして後藤くんの耳元で囁く。後藤くんはため息をついたが承認されたみたいだ。

「んじゃ提出は俺と陽毬で生徒会に行ってくるわ。ちょっくら牽制してくる。」

「ボ、ボグですかぁ?!」

陽毬が驚いて立ち上がる。

「あぁ?その方が効果的だ。来てくれるか?」

「は、はぃ。」

陽毬のプレイが終わるまで待ってから二人で生徒会に向かう。

「あの一ノ瀬先輩?ボクは何をすれば…?」

「お前にはちょっと悪いが感情をあらわにして俺の話を聞いてくれればいい。」

「??」

そして生徒会室に入る。

「頼もぉー!」

まずは場の雰囲気をぶち壊す。殺風景は部屋の暗い感じは少し和らいだ。と手前にいる見ない顔(一年生?)の役員が口を開く。

「あのぉ!こっちは仕事をしているので静かにしていただけますか?」

かなり威嚇的なやつだった。生徒会に入っているやつなどろくなやつがいない。正直なところ成績の悪いバカがやった方がいい生徒会になるだろう。まぁこの生徒会のメンバーで俺に喧嘩を売ってくる野郎は石原しかいない。他はこうやって突っかかってくるタイミングで黙らせているからだ。笑顔を維持し、綺麗に無視する。

「会長ー!創立祭のことなんですがぁー」

「お前ぇ!俺の言うことが聞こえなかったかぁ!」

ここできめる。

「黙れよ糞が」

俺のガンは異常な威圧があるらしい(不良とガンの練習をしていたらそうなった説が最有力)。見事に新人は口を動かしているが声が出ていない。本能的に俺を刺激してはいけないと判断したのだろう。

「会長ー。俺達出し物したいんですけどー?これどーっすか?」

へらへらしながら紙を渡す。会長の前ではこうやってふざけ混じりでやらないとまともに喋れる気がしない。途中でキレそうになる。

「一ノ瀬?部長は?部長一人で出直せ。」

「会長ーいいじゃないですかぁ。会長は必死に部活やってるんですからぁ。それとも俺と話したくないんですかぁ…?」

「とりあえずこの物品販売の内容は?」

俺としたことが紙にそんなことが書かれていたことを忘れていた。しかも内容全く知らない…

「えっと…」

「会長さん。それは漫画だそうです。」

陽毬が知っていたようでとりあえずホッとする。しかしなんでまた漫画?

「漫画…それは認めよう。ただし血とかがでるグロテスクなやつは認めない。しっかりそれを把握するように。もう一つのゲーム喫茶も健全なゲームにするように。」

そこでポンと判子を押す。石原はこの前のこともあってあまり喧嘩腰では無かった。が、一応確認のためにちょっかいをだす。

「あ!会長?最近この街が物騒なんですよー?この前なんてうちの可愛い後輩が不良に絡まれるわ、俺はバイクにぶっ飛ばされるわ。まぁ全員全治一ヶ月くらいの怪我を追って逃げていきましたよ。もっと学校周辺の防犯に気を配ったらどうでしょう?俺じゃなかったら危ないですよ?」

石原は軽く目をそらし、「考えておく。」と言い黙った。用済みの生徒会室から出る途中、新入りに再び威圧的な目線を送る。生徒会室からでると陽毬がその場に座り込んでしまった。

「ドキドキしました。一ノ瀬先輩威圧的すぎですよぉー。こわいです。」

「あははぁ。まぁ何とも無かったから良かったよ。」

陽毬の手を掴んで立たせ、部室に帰ろうとすると、後ろから肩を叩かれた。振り向くと風紀委員がいた。

「唯先輩に咲さんじゃないですか!生徒会に用ですか?」

と、隣にいた陽毬が制服をつまんで軽く引っ張った。

「一ノ瀬先輩?こちらの方々は?」

「あぁ。こちら、風紀を乱す風紀委員長の天音唯先輩と真面目な風紀委員の大山咲さんだ。」

「委員長としての威厳を保てなくなるような発言を聞かされたが、聞かなかったことにしよう。それより純人はまたいけない連中を病院送りにしたというのは本当か?」

唯はいやらしい手つきで俺の胸の当たりを触ってくる。

「えぇまぁ。久しぶりにスタンガンも浴びましたしね。」

「一ノ瀬君、ちょっとこわい発言だよ?私、君がこわいよ。」

咲に気をとられているといつの間にか唯が体を俺の体に預けていた。

「それにしても純人の体は固くてたくましいなぁ。お姉さんメロメロだぞ。」

と純人と唯の間に陽毬が出てきて両手で二人を離そうとするが力がなく、あきらめて唯を思いっきり押し、二人の距離を開け、純人の腕を抱きしめた。

「おや?その少女は私達の邪魔をするのか?名前は?」

「葉月陽毬です。先輩にあんまり近づいちゃダメですぅ!」

「ほぉー、葉月ちゃんは私達の関係が気にくわないか?」

陽毬はより強く腕を抱きしめ、

「せ、先輩はボ、ボクの!…」

「ボクっ子か…それでボクの何だ?」

陽毬は顔を真っ赤にして固まっていた。そして口を開く。

「ボクの部の先輩ですぅ!」

それを聞いて唯は、陽毬が抱きしめている腕とは逆の腕を掴んで自分の胸のの上に置く。

「それならお姉さんと純人が性的な関係でもいいだろ?」

ここは突っ込むべきか?別に性的な関係になった覚えはないが、しょっちゅう弾力のいい手置き場を使わせて貰っているのは性的な関係にはいるのか?

「とにかくダメですぅ!ボクと一ノ瀬先輩はこれから部活なんです!続きはまた今度やってください!行きましょう!!」

陽毬に引っ張られ(無力だが)部室に連れ戻されそうになった。

「それじゃあ俺は部活行くんでー!創立祭で出し物やるので是非来てくださいー!」

部室に戻ると、三人で会議をしていた。どこから持ってきたのかホワイトボードに、何やら案を書いていた。

「先輩!どうでした?」

「あぁ。しっかり許可をとってきたぞ?」

「あ!それで今景品を決めてるんですけど…どれがいいと思いますか?」

ホワイトボードに目を移すと三つに絞られていた。1、部費からの景品2、一ノ瀬先輩と一日デート券3、一ノ瀬先輩のファーストキス。1と2はともあれ、3のファーストキスの情報はどこからきてるのか…海成に喋ったっけ?と真剣に悩んでいる俺を見て百合が驚いた表情をしていた。

「先輩怒らないの?」

「何が?」

「だから言ったろ?純人はこう言うのノリノリだろ?」

「俺を餌に女子を集めるのは成功だが、ゲームのルールと形式は俺に考えさせろ。あと、これだと男子がつれないからお前ら二人も一日デートで奉仕とでも書いとけ。なぁーに心配は要らねぇ。」

百合と困った顔をし、陽毬はもしそうなった時のことを想像したのかオロオロしていた。

「まじ心配するな。初心者が戦っても勝てないよ、俺にはな。」

対戦形式は、四人体制で、一対一の戦いをして勝ったやつは俺との勝負する権利を得るようにすれば問題ない。俺が負けることはまずないだろう。そして、連戦しないことにより集中力の持続で勝率を上げる。場所は闘技場、デスマッチでいいだろう。この事をみんなに説明し、ゲームへと没頭した。俺と陽毬は大会のための特訓をし、残りの三人は景品や、部屋の飾りを進めていた。海成は大会に出ても勝つ気はないらしい。そんなこんなで大会の予選の日がやって来た。予選は2日かけて行われる。午後五時から午後十時までかけて行われ、A1からA4でAからHまで、計32ブロック、一ブロック64人となる。勝ち抜いた出場者は一週後、同じアルファベットの出場者同士でトーナメントを行い、勝者がオフライン決勝トーナメントに進む。今から一週間後の大会に進むには、六戦勝たなければならない。今日は二戦勝てばいい。大部前に抽選が行われたが、ゲー研出場メンバーは抽選からは漏れなかった。トーナメントはどこかは分からない。時間だけが教えられた。トーナメント表が完成するのは今日の十時になるわけだ。俺の時間はいきなりの五時だった。海成も五時で、陽毬は六時半とのことだった。そして五時になる。いよいよ戦いがはじまる。そして俺のブロックは今までにない激戦区になるとは運営の他誰も知らない。

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