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11話 二丁拳銃

時刻は11時。寝るつもりだったが、どうしてもパソコンをいじりたくなった。いつも通りに電源をつけ、インターネットからグラドニルのページを開きログインをする。特にやりたいことはなかった。その画面を見ているだけでもいいのかもしれない。ボーっとしていると、チャットが届く。

『Belu:やぁ。久しぶり!もうかしこまることはないよね?』

突然のチャットに驚くが、冷静に対応する。

『パーフェクター:何の用だ?』

『Belu:ここじゃあれなので、VCしませんか?いろいろ聞きたいことがあるので。』

VC?一体何のことだ?

『パーフェクター:すいません。VCとは?パソコンのことは詳しくはないので。』

『Belu:ボイスチャットですよ。今から操作方法教えましょうか?』

言われた通りに操作をする。話によるところ、グラドニルオンラインでは、FPSではVCが必須なため、直接グラドニル専用VCを作ったという。公式ホームページからダウンロードし、音声認識をする。パソコン自体にマイクが内臓されていたため、付属のイヤホンを耳につけ、会話をはじめる。

「はじめまして!僕はBeluです。今回はINFINITEーPERFECTの試験モニターをしていただきありがとうございます!で、どうでしたか?パラレルとの戦いで何か掴めましたか?」

やっぱり運営と関わっているだけあって、パラレルとの一戦も知っていた。そして、武器のモニターやら、なんやら、このゲームはある意味次世代型なのだと、初心者の俺にも分かる。

「こちらこそ。パラレル戦はあなたの差し金ですかね?」

「いえ、パラレルがあなたをグランに引き入れようとしていたのを小耳に挟みまして、あなた結構有名人ですよ?謎のHG使いやら、運営の人とか。」

「そうさせたのはあんただろ?とりあえず今の武器は正直弱い。この先使いこなしても勝てる相手は限られそうだ。レールガンとは違って通常弾もないし、特にインフィニティ・バレットに限っては一対一でも使えない。」

「そうですか…あなたがそう言うのでそうなのでしょう。あなたは我々が専用武器を配付している理由が分かりますか?」

「知らない。」

「そうですよね。専用武器があるのはグラドニルだけですもんね。我々はゲーム業界に革命を起こします。アニメや漫画の世界に憧れる人も多いです。そんな方々の多くは現実が嫌いになったり、現実が二次元の世界よりもつまらなくなったりしています。それでゲームにのめり込みます。そこでも現実はあります。現実以上の弱肉強食の世界が…」

言われてみればそうなのかもしれない。ゲームには勝敗がつく。だが現実世界には勝敗がつくことはあまりない。あるのはスポーツとか選挙だけだ。実際に勝敗がつく物事は少ない。

「確かにな。」

「だから我々運営は、そんな一人一人のために、ゲームを作ろうと考えています。」

「だが、そんなことをなぜ俺に?」

「あなたは次の大会の予選を勝ち抜き、一部のプレイヤーの妬みの対象になります。が、同時に憧れにもなります。そのタイミングで我々は専用武器の一般配付を行っています。」

ということは、レールガンも多くの人が持っているということになるのか?

「レールガンは?」

「レールガンも半年前に期間限定で配付されましたが、あまりいい評価は得られませんでした。」

「そうか?レールガン使いこなせるやつ多そうだが?」

「妬みプレイヤーの多くは言い方が悪いですが、雑魚です。課金の二文字で上級プレイヤーを表し、誹謗や中傷を行います。RPGプレイヤーはまだひよっこです。RPGの大会で優勝しても正直なところ、実力は反映されません。それこそ課金プレイヤーたちです。僕はFPS派なので、そこを勘違いしてもらいたくはありません。だから実際の実力者のみに専用武器を配付しています。あなたは知らないと思いますが、我々は普段の戦いを全て観戦しています。努力が報われる世界なのです。ここは。」

「あんたが何を言いたいのかさっぱりだが、俺は天才だ。何でも出来すぎて困っている。そういう人間だ。」

「そうですか…とりあえずあなたに武器の修正をしたので渡しとこうと思って、既にあなたのメールに入っています。それでは本選であいましょう。」

プチっとなって通話が終わった。正直言ってることが理解できなかった。FPSは努力が成果になるのかもしれないな、他のゲームと違って。俺は、とりあえずメールに入っていた武器とメッセージを読む。

『GM:あなたの活躍はよく聞きます。この武器は今の専用武器をこちらに送信してからお使い下さい。』

素直にINFINITEーPERFECTを送り返し、新たな武器の詳細をみる。名前はINFINITEーPERFECT.HG。以前と変わらないHGのようだ。武器の詳細を見ると、以前とスキルも何も変化していなかった。とりあえずPvPをしようと画面を開くと招待がきた。とりあえず部屋に入った。すると、

『ドミノ:はじめまして。Beluに変わって私が相手を致します。』

準備し、スタートを待つ。スタートが押されカウントダウンがはじまる。いつもこの時間は長く感じる。ステージに移動した。場所は闘技場。円のフィールドは隠れるものも何もない、まさに戦いの場って感じだった。そして、バトルがはじまる。相手の武器はショットガンだった。ショットガン使いとはやり合ったことが無かったから楽しみだ。と、いきなり突っ込んできてスキルを使ってきた。両足で踏ん張りショットガンをこちらに向ける。これなら空中に逃げるが吉だ。《F1F3F3》『エアダウン』いつもなら空中に飛んでからした方向に散弾を放っていたが、今回は空中に飛んでから、した方向に乱射していた。二丁の銃で。いわゆる二丁拳銃ってやつなのか?そんなことを考えていると上方向に思いっきり撃ったショットガンの弾に体力を削られた。吹っ飛ばされて着地する。物は試しようだ。《F1F4F4》『インフィニティ・バレット』を放つ。が体力は減ったが、SPは一ドットすら動かなかった。もう一発試そうとすると、クールタイム60のカウントダウンが始まっていた。レールガンと違って、ラグなしで撃てる弾でこれなら使い勝手がいい。これならいけるそんなことを考えていると、再び接近してきたショットガンに撃たれ吹っ飛ばされてから乱射させられた。ショットへの対応を知らないがために完敗だ。だが、これならいける。純粋にそう思えた。その日は朝までひたすら戦闘し、気がつくと14レベになっていて、五時を回っていた。予選大会まであと一週間

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