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何やらおいしそうなにおいに誘われ、目が覚めた。


なんだろうか、このにおいは。親しみのあるにおいだ。

スパイシーなカレーだろうか。


カレーなんて作ったっけ…?

それよりもまだ寝たりない。

ふかふかベッドが私を引き留めている。

けれどお腹も空いてきた。カレーはちょっと大き目の人参と牛肉が入っているのが好きだ。


おいそうなにおいとカレーについて考えていると、だんだん意識がはっきりしてきた。


「そういえば、ここどこ…?」


ふかふかのベッドで寝ていたようだが、よくみてみるとベッドはもちろん、まわりの家具、壁紙などに見覚えがない。

暖かみのある木の家具やクリーム色の壁紙、花柄のカーテンなどは結構好みである。

そんな部屋でも見知らぬ部屋では落ち着かない。



「起きたのか」


部屋の奥から、一人の背の高い男の人がおいしそうな匂いの元を持って近づいてきた。

見たところ、あの茶色くごろごろ野菜が入っているお皿の中身はやっぱりカレーのようだ。


ところで誰だこの人と思い、カレーから目線をうつし顔を見て絶句した。


「み、耳…っ?!」


白くて丸いかわいらしいネコ耳がついている。

その男の人は顔立ちが整っていて良い体付きをしている分、ネコ耳の違和感がとてもある。


もしかしてそっち系の人? などと考えてしまう。



「あぁ、俺はトラ族だからな

お前は?」


「虎...?」


ネコ耳電波のガチムチなトラ族のお兄さん...?


どうやら私の理解を越える人に出会ってしまったようである。


「虎!!! そう、私虎に襲われてたんだ」


なんでこんな見知らぬ部屋にいるのか疑問だったが、私は突然森の中にいて、突然虎に襲われたはずだ。

決してカレーに気をとられていたわけではない。


生きていると言うことは運よく助かったのだろう。

きっとあの虎はお腹いっぱい、人間なんて興味外だったのだろうよかったよかった。

虎の一部として生きるにはまだはやい。


そう私は自分の中でしっくりきていると、そのネコ耳お兄さんは怪訝そうな顔をしながら私をじっと見ていた。


もしかして、このお兄さんが虎から助けてくれたのだろうか。


おそらくここの部屋の主はお兄さんだろう。

助けてくれてここにつれてきてくれたなんて、なんていい人なのだろう。



「襲ってない。

 …もしかしてお前ヒトか?」


確かにかわいい女の子を何もせず、ベッドに寝かしておいてくれたお兄さんは見かけによらずジェントルマンである。

かわいい女の子とはもちろん私の願望だ。


「もしかしてもなにも、人ですよ?」


まさかお兄さんには私が人ならぬ者に見えるのだろうか…。

さすがにかわいいはなくても、人には違いない。


「まさかと思うがロレーヌの人里からきたわけじゃないよな?」


どこでしょうかそのカタカナ地名は。


そういえばここはどこなのだろうか。

まず私の家の近くではないのであろうが。


私の家は寝坊しても大丈夫なように大学のすぐ近くにある。

まわりにコンビニやスーパー、飲食店や雑貨屋さん、歯医者などが近くにある便利なところである。


もちろん気がついたら森に迷い込んだ、なんてことにはならない。


「京都にいたはずです。 ここはどこなんですか?」


「キョート? どこだそれは。 聞いたことがないな。

 ここはアルバセだ」


「私もアルバセなんて聞いたことないですよ」


これは困った。

もしかして国外誘拐事件だろうか。


ただのそこらへんにいくらでもいるような女子大生を国外まで誘拐しようとする物好きさんがいたらの話だが。



「見たところヒト族のようだが…。

 まさか、異者なのか?」


「異者ってなんですか? ただの女子大生ですよ」


なんだか異者とは嫌な呼び方だ。


「女子大生? それこそ何だ。

 ちょっと待ってろ、地図を持ってくる」


地図。その手があったか。


アルバセ…。 全く聞いたことがない。

そんなに遠くまで来ていなければいいのだけど。



お兄さんは案外すぐ地図を持って帰ってきた。


「ほら、地図だ。 …ここはお前の知ってる世界か?」

あまり小説を書くことになれていないので、短め更新が続きそうです。 週に2,3回更新が目標です。

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