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いつも読む専門でしたが、お話をかいてみたくなり連載を始めました。誤字、脱字等ありましたら教えていただけると幸いです。
「どうしてこんなことになったんだろう…」
そう呟く私に返事をしてくれる人は誰もいない。
いつものように学校へ行き、家に帰ってきた。
そしてお腹が空いたから、好きなトマトリゾットを作って食べた。
ご飯とトマト缶とチーズで簡単においしく作れるトマトリゾットは良いものだ。
トマト缶があればリゾットもミネストローネもトマト煮込みもパスタも作れる。
トマト缶にはお世話になっている。
一人暮らしの私にとって、料理は手軽に安く簡単にできるのが望ましい。
空腹が満たされれば、当然眠たくなる。
一日学校で疲れていたし、眠たくなってきたから、洗い物はあとでいいかな、と思いながら
横になったところまで覚えている。
目が覚めたときにはなぜか森の中にいた。
周りを見渡すと、見たこともない花が咲いていて、見たこともない木の実がなっている木がある。
紫と白の小さな花。
そこらへんの道端に咲いていそうな花である。
ただ、ぼんやりと淡く光っているように見える。
私の目が正常だったらだが。
木の実はぱっと見柘榴っぽい。
食欲を無くす青色をしているのを除けば。
幸いにもご飯を食べたあとだったから、この実にチャレンジしなくてすみそうだ。
青空を飛んでいる普通の見慣れた小鳥にいやに安心する。
「ここはどこ…? 私は 美優…」
迷子になったときのお決まりのセリフ。
本気で迷子(?)になっているのだから笑えない。
そして冒頭に戻る。
ここがどこで、どうして森の中にいるのかはわからないが、
とりあえず誰か人を見つけたい。
こんな怪しい森の中で一人でずっといるのは耐えきれない。
そう思い歩き続けることおよそ30分。
川を見つけた。
川をたどっていけばいずれ森から出られるだろうし、ちょうど喉も乾いてきていたので助かった。
見る限り、きれいそう。
現代っ子の私のお腹は川の水に勝てるだろうか。
迷っていても仕方がない。
きっと大丈夫だろうと飲んでみようとしたときだ。
「誰だ?」
突然後ろから男の人の声がした。
「っ!!!」
私は思いがけないことにびくっとし、声にならない悲鳴をあげた。
そしてすぐその声のした方に振り返り、
「きゃああああああ!!!」
その声の人物をみて再び悲鳴をあげた。
今度は声もきちんとでたようだ。
振り返ったそこにいたのは真っ白な虎だった。
疲労と驚愕が積み重なったのか、そこで私の意識はログアウトしてしまった。