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プロローグ
「生きるのが苦しい」
僕に向かって、そう言って泣いた友達がいた。
「生きていればいつか幸せになるなんて、思えない」
僕には死んだように生きることと、生き生きと自殺すること、どっちが幸せで、どっちが不幸なのかなんて分からなかった。
「俺はさ、これでも頑張ったんだよ。死ぬほど努力した。でもね、やっぱダメだった」
彼の腕には、白い線になったリストカットの痕、青い痣、赤いやけどいっぱいあった。
彼の生きた証だった。
「今までありがとうな、ごめん」
彼は何かが吹っ切れたように笑って、死んだ。