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東の悪魔と西の賢者  作者: アベリアス
神白島編
4/10

第4話

 フロア奥にある従業員通路に入ると、左右には各部署のネームプレートが視界に入る。

 まるで市役所のように、企画室や運営室、会議室などが表示されていた。


 通路の突き当たりの右側に、事務室があり、池永はドアを開いた。


 室内には、従業員が三人。

 リホは緊張しながらペコペコと頭を下げ、館長室へと入室した。

 ドアを閉めると、池永は手を差し出し、高級感溢れる長いソファーに座るよう誘導した。


 ソファーに座るとお尻が柔らかく沈む。


「緊張なさらなくても大丈夫ですよ」

「はぁ、はい」


 久慈原は、思わず愛想笑いをしてしまう。


 池永は、自分のデスクから写真立てを持ち、小さな冷蔵庫からペットボトルを取り出すと、ソファーの長さにバランスよく合わせた、木製のテーブルの上に置いた。


 写真を見た久慈原は、見覚えがある。といった表情で池永に顔を向けた。


「左側が私の父親です」

「わかります。祖父と仲が良かったんですね」

「蓮司さんも、この写真をお持ちだったんですね」

「はい。棺に入れてしまいましたが……」


 そこには、祖父か持っていた写真と同じ物があった。

 2人は肩を組ながら写真に納められている。


「私の父、池永頼利(いけながよりとし)は警察予備隊に従事していてね」

「警察予備隊……ですか?」

「今で言えば、自衛隊員ですね」

「この写真は、1954年に自衛隊法と防衛庁の公布がされた時の物です」


「だから、二人は軍服のような格好なんですね」

「父は1978年に、除隊しましたけどね」

「なるほど……だとしたら、記念写真みたいな感じなんですね」


 池永は再び立ち上がり、デスクの引き出しから日本地図を取り出し、テーブルに広げた。


「紙面に載っている神白島の場所を見て下さい」


 言われた通り、記事に載っているオーサカ湾に目をやった。


「ない……?」

「そう。いつからなのか分かりませんが、現在の地図に神白島は表記されていません」


 どうしてだろう?

 久慈原は自然と首を傾げた。

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