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東の悪魔と西の賢者  作者: アベリアス
神白島編
1/10

第1話

 亡くなった祖父の遺品整理を頼まれた久慈原里穂(くじはらりほ)は、オーサカ都鶴見(つるみ)区にある、祖父の家を訪れていた。


 そこで、押入れの奥から、お中元に渡すような古びた箱を発見する。

 中身を確認すると、小箱に入った赤い宝石の付いたネックレスと新聞の紙面が一枚。

 そして、これらを里穂に残す。と、書かれたメモが入っていた。


 なぜこんなものを私に?

 疑問に思った久慈原だったが、遺品整理を優先させ、1通り整理を終わらせた。


 自宅のマンションに戻ると、興味本位で紙面を読み始める。

 この紙面の発行元は創成新聞社の紙面で、1980年に創刊と書かれていた。


【強行された自衛隊軍事訓練、神白島(かみしろじま)にて】


 特集記事なのか、見出しに関するものが、つらつらと書き綴ってある。


 記事によれば、1975年。

 オーサカ湾の淡路島と泉佐野を直線状に結んだ場所にある神白島。

 住人は160人弱と、集落と呼ばれるほどの人口だった。


 しかし、神白島の真下を通るオーサカ活断層帯が起こしている、スロースリップ現象により、本土への避難が可決された。

 島民は抵抗を示したが、1978年。

 人口は、自然死も含め急激に減少し、限界集落となり、社会的共同生活が困難になった島民は、政府の説得により島を破棄。


 約30名が本土へと渡った。


 しかし、真相は違う。

 実際、その日は人口調査という名目で島に上陸。

 政府から派遣された役員数名と、選抜された自衛隊員が派遣された。

 そして、島民30名を()()()のだ。


 神白島に上陸した我々は、狂気に満ちた島民と邂逅した。

 島民は、羅真(らしん)様の降臨を妨げるなと、突然、襲い掛かったからだ。

 私の知る限りでは、その戦闘で自衛隊員や役員、合わせて6名が死亡した。

 制圧後、1980年に島は沈み、オーサカ湾から姿を消した。


 政府の圧力なのか、密約なのか。

 秘密厳守を言い渡され、現在も公にはならず隠されている。


 記事を読み終えた久慈原は、好奇心からパソコンに向かった。

 1980年、創成新聞と検索エンジンに入力する。

 マイナー新聞なのだろうか。

 創成新聞社に関する記事は出てこない。

 次に、神白島、沈む、1978年と入力した。

 しかし、これもヒットしない。


 もっと時間を掛けて検索すれば出て来るかも。

 ふっ。とパソコンの右下にある時刻を確認すると、仕事に支障が出る時間だった。


 後ろ髪を引かれながら、久慈原は仕方なく眠ることにした。

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