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夢のお医者さん





 もー。

 目が覚めると、そこにはうしさんがたくさんいました。

 右を見ても、左を見ても。

 どこを見ても、うしさんがいっぱい。

 みんな、もーもーとないています。



 でも、1匹だけ。

 その中で、助けて欲しそうに泣いているうしさんを見つけました。



 どうしたんだろう。

 早く助けてあげなきゃ。



 横に置いてあったばんそうこうを持って、急いでうしさんの元へと向かいます。

 すると、そこには足をけがしたうしさんがいました。



 どうしたの?

 だいじょうぶ?


 そう声をかけると、うしさんは悲しそうになきます。

 早く助けてあげなきゃ。



 いたいのいたいのとんでいけ。



 お母さんから教えてもらった魔法の言葉を言いながら、ばんそうこうを貼ってあげます。

 すると、うしさんはとても元気になりました。

 顔を近づけて、舌でぺろぺろなめてきます。

 とてもくすぐったいですが「ありがとう」と、そう言っているのです。



 そう思うと、なんだか心が嬉しくなります。

 心配していた他のうしさんも、みんなが笑顔になって、もーもーとないています。



 まだ、けがを直してあげたばかりで、うしさんはうまく立てません。

 でも大丈夫です。

 だって、おかあさんから教えてもらった"()()"をかけてあげたのですから。

 きっと、寝て起きた頃にはきれいに治って元気もいっぱいです。



 さて、ここには、他にどんな動物たちがいるのでしょうか。

 うしさんたちに大きく手を振って、お別れをします。



 すると、今度はうしろからニャーニャーというなき声がきこえてきました。

 いったいどんな動物さんなのでしょうか。



 ライオンさんかな、とりさんかな、それともおたまじゃくしさんかな。

 なんだかわくわくします。



 近づいてみると、それはねこさんでした。

 1匹の大きなねこさんの周りに、小さなこねこさんたちがいて、どうやら家族のようです。

 お母さんと私も、他のヒトからみたらこんな感じなのでしょうか。

 ちょっぴり恥ずかしいです。



 あたまとくびを優しくなでてあげると、ねこさんたちは大喜び。

「もっともっとー」と、からだを寄せておねだりをしています。

 いやされますね。

 もう、ずっとここに居たいくらいです。



 にゃーにゃー。

 にゃーにゃー。



 ねこさんたちと遊んでいると、今度は「ワンっ」というなきごえが聞こえてきました。

 いったいどんな動物さんでしょうか。



 お猿さんかな、お馬さんかな、それともあひるさんかな。

 なんだかどきどきします。



 歩いて行くと、そこにいたのはお犬さんでした。

 わんわん、わんわんと泣いていて、とってもかわいいです。

 ねこさんも、犬さんに取られないようにと、にゃーにゃーないてくっついてきます。



 嬉しいです。

 楽しいです。

 ここは天国です。

 きっと、さっきうしさんを治してあげたごほうび。

 ゆめのお医者さんにもなれて、こんなに幸せになれて。

 とってもとっても嬉しいです。

 なんだか、涙があふれます。



 でも、まだみんなをなでなでしていたいので、涙をふくことはできません。

 これもしかたが無いことです。

 だって私は、とってもしあわせなのですから。

 このままずっと、夢が続いてくれればいいのに。

 やっぱり、ちょっとだけそう思います。



 でも、私はお医者さんになりたいのです。

 なので、はやく起きて、お勉強を頑張らないといけません。

 だから、この夢のお話ももうおしまいです。

 色々な動物たち。

 うしさん、ねこさん、いぬさん。

 みんなに囲まれて、ふかふかで温かいです。

 それじゃあ、おやすみなさい……。









そう、きっとこれは夢のお話。


大丈夫です。

少し怖いと思うところがあるかもしれませんが、それも何かの気のせいです。

そう思えば、心も体も楽になれると思いませんか?





⚠️幼い子向けに作りはしましたが、"意味がわかれば怖い話"というものを本気で取り入れてみました。

時間がある方、是非とも考察等していただければ幸いです。


答え合わせは後程しましょう。

後書きの最深部にでも書いておきます。


⚠️(2回目)1月3日、

スクロールするとすぐに答え合わせが記載されています。

ネタバレ?になりますので、気をつけてご覧ください。

そして、これを見て気持ち悪くなってしまう人もいると思いますので本当に気をつけてご覧ください。


あくまでも裏設定。

こういう事かもしれないね

という感じです。











































これは、1人の少女の夢のお話ーー


などではなく、自動車衝突事故によって意識不明の重体になってしまった少女が最後に見たの夢のお話。


牛さん

足を怪我しているとありましたが、それは自分の足が既に再起不能になっていることを現しています。


ねこさん

お母さんみたい

お母さんが「起きて」と体を寄せて泣いていることを現しています。


いぬさん

ねこさんと遊んでいる際、いきなりあらわれたと思います。

ですが、それはこの世から突如として去ぬ、つまり死んでしまった事をだんだんとこの子自信が自覚していったことの現れです。



順番


牛さん(もう! なんで! なんでなのよ! とみんなが泣いています)

猫さん(怒っても戻って来ないと察した親族が、猫のようにすり寄って奇跡を願います)

いぬさん(先程記載した通り、多分この時に女の子は死んでいるので。その事実を目の当たりにしたみんなが、わんわんと泣いています)



涙を拭けない

本文では動物たちを撫でていたくて、とありますが

実際は自分の両手が吹き飛んでいるため拭けないだけです。


……はい。お気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、この時には既に、少女は自分の有り様について完全に理解をしてしまっています。


なので、最後らへんの文である

「このままずっと、夢がつづいてくれればいいのに」

という文は、現実を受け止めきれない。

というよりかは受け止めたくない、という願いが込められており。


その後の文である

「でも、私はお医者さんに~~~頑張らないといけません」

については、完全に現実逃避。

というか、そうであってほしい。

そうであるはずだ。

という願いが込められております。





つまり、

怪我をしているのは自分の体の部位であり、最後は目覚めないことを示している。という事ですね




これ、結構闇が深いと思うのですがどうでしょうか。

裏テーマとしては、『この話を読んだ時期による、感じ方、及び考え方の変化』です。


あと、今回解説していないだけで、実際はもうちょっと色々な伏線に思えるような物や、時間の経過と彼女の心境の変化を表している物があります。





ーー気分を悪くされた方、いらっしゃいましたら申し訳ございません。

でも、これだけは言わせてほしいのです。



彼女の夢は、賢くて立派なお医者さん。

ですが、もし、この先何かしらの奇跡で目が覚めたとしても、

決してその夢が叶うことはないのです。


しかし、彼女が生きた証は本当に少なくとも私たちの心に残り、刻み続けます。

その分だけ、力強く、笑って楽しく生きていきましょう。










もしこのお話が面白いと思っていただけたり、続きが気になると思って頂けた方。

今後の活動の励みにもなりますので、

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― 新着の感想 ―
[一言] 可愛らしい夢ですね。 いろんな動物と触れ合えると良いですね^_^
2024/01/02 20:54 退会済み
管理
[気になる点] 場所によって漢字のところと漢字じゃないところがあるけど、これって何かあるのかな?
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