第七話 いや煽り耐性低ッ
久しぶりの投稿です。待ってた人はごめんなさい。待ってなかった人は謝ってください。
体力テスト当日。最初の種目は50メートル走である。みんなが友達と談笑したり、黙々とストレッチしている。その中に1人で出番を待っている俺はーーー
(やべぇ、めっちゃ緊張する。)
物凄く緊張していた!
ただでさえクラスのみんなから嫌われているのに、辻に勝たなければならないというプレッシャーも相まって俺の心は限界を迎えていた。
そんな時、ポンと肩が叩かれた。陸人である。
その時、俺の脳裏にこれまで頑張って来たことが思い出された。
(そうだよな…一緒に筋トレして来たもんな…
こんなんで弱気になってちゃダメか!)
すっかり自信を取り戻した俺は陸人と一緒に最後の筋肉調整をすることにした。
[辻視点]
うぅ〜ん。さっきから見てたけどォ〜ナカナカ、すばらし〜い絆?友情?じゃァ〜ないか。それ自体はァ〜賞賛にィ〜値するかもォ〜ねェ?
だけど、
そんなァ〜甘いものだけではァ〜この僕ゥ〜には勝てないよォ〜?どこまでェ〜しがみつけるのかァ〜楽しみにしてるゥ〜。
◆◇
筋肉の準備も完璧。ストレッチも抜かりない。
あとはやれる事をやっとこう。そうだな…辻の邪魔でもしてくるか。
そんなことを考えていると、前から辻がやってきたので早速、俺は辻を煽ることにした。
「辻って言うてすごくなくね?ていうか喋り方キモすぎて吐くわwww」
そう俺が言うと、辻は落胆したように言った。
「はァ〜〜〜 所詮君も凡人かァ〜。そんな言葉にしかァ〜頼ることが出来ないなんてェ〜、実力がァないんだなァ〜。」
言い返された俺は、頭が真っ白になった。
(ふざけんなよ!俺が凡人だって?上等だ。ボッコボコのボコにしてやるぜ!)
その1連の流れを遠目で見ていた陸人は思った。
(辻……やるな。自分は全く動じず、相手の精神をかき乱す。なかなかできることでは無い。あと加藤の煽り耐性低すぎ。)
◆◇
『次に呼ばれた方は前に出てきてください。
加藤ラフレシア君、綿 陸人君、辻 逞君。』
ついに俺らが呼ばれた。最初からまさかの直接対決かよ。燃えるぜ。そう思っていると、陸人が声をかけてきた。
「いくら僕らが頑張ったからって、勝てるとは限らない。油断せずに行こう。」
「ああ。」
そう会話を交わし俺はスタート地点へと着いた。俺の左レーンが辻。右が陸人である。さああと少しで始まるぞ。
『では参ります。位置について、よーい』
ドン!
「おらあああ!!」
ピストルの音と共に俺は陸人に背中を思い切り押された。
これが俺の今回の策略その1だ。名付けて、【音速スタートダッシュ】。1人がもう1人の背中を思いっきり押すことで、スタートした直後でも素晴らしいスピードを出すことが出来る。というものだ。デメリットは1人が止まらなくては出来ないことだが、俺らは長い筋トレとイメトレによって、一緒に走りながら背中を押しあうことができるようになっていたのだ。
まだまだ策略はある。ここで引き離して大差をつけてやるぜ!
星を5にすることによって、世界が救われません。