第一話 加藤入学と同時に骨折
ぱわーーーーーーーーー
「ここが西山中学校か…」
入り口と書いてある正門前で俺はつぶやいた。
俺は今年から西山中学校に入学する、加藤ラフレシア3世、13歳だ。
俺はこの学校で成し遂げたい野望がある。それは、「学校で1番の奴になる」ということだ。
俺は幼稚園でも小学校でもいつもテストは1位。運動神経もずば抜けていて、みんなから1目置かれる存在だった。
この西山中学校は、世界から見てもトップクラスの生徒たちが集まる、俗に言う1流中学だ。俺はここで1番になり、昔のような優越感に浸りたいのである。
「よし……行くぞ」
そう俺が野望への1歩を踏み出そうとした瞬間、
ドンッ!!!!!バキバキバキ!!
いきなり隣から強い衝撃が加わってきた。
「何すん――」
「あ゛?」
咄嗟に隣を見ると、そこに立っていたのは身長は優に15mを超えるゴリラのような体格をした男で、強い威圧感を振りまき、俺を睨んできていた。
俺はその威圧感に飲まれ失神、失禁し、さらに先程ぶつかった衝撃で、入学初日から全身複雑骨折をしてしまった。
――――目を覚ますとそこは保健室だった。
「あなた死ぬところだったのよ。」
そう後ろから話しかけてきたのは、えげつない美貌を持った女教師だった。
「ああ、自己紹介が遅れたわね。私の名前は大念よ。」
「……大念さん?」
聞いたことがある。この西山中学校には通称3Bと呼ばれる、えぐい美貌を持った美女が3人いる。その中に大念という名前があったはずだ。
「ええ、そうよ。もう体も動くみたいだし、教室に行ってきたらどう?」
「あれ、俺の体って折れたんじゃないんすか?」
「なんとなくくっつけといたから大丈夫よ。」
髪をかきあげながら大念は言った。
全く大丈夫じゃないことを言われたが、もう時間が無いので急いで教室に向かうことにした。
「大念さんあざっす」
「いいのよ、また腕が取れたら言ってね」
バタン!
大念は保健室に1人残され、誰に聞かれるということも無く呟いた。
「あの子の顔、どこかで………」
星をつけてね