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9 ドワーフ救出作戦

 総合評価が1000ポイントを突破しました。ありがとうございます!!

 目の前にある縦穴は、夜目が()く私でも底が見えないほど深い。

 私、その気になれば数百m先にいる蟻さえも、見ることができるんだけどなぁ……。

 いくら暗いとはいえ、底が見えないのは異常な深さだ。


 で、そんな深い穴の底に、どうやってドワーフ達を運んでいるのかというと、エレベーターである。

 まあ、エレベーターとは言っても原始的なもので、人力で動かすような感じだった。

 滑車式の井戸の仕組みを発展させたもののように見えるが、数十人単位の人間が乗れるように大型化させているところを見ると、完全に手動という訳ではなく、何かしらの機関(からくり)や魔法を用いて動かしているものだと思われる。


 たぶんこれは、ドワーフ達に作らせたものなのだろう。

 まあ、魔族がドワーフ達を日常的に運ぶ為に、多量の魔力を使って「転移魔法」を使うとも思えないし、自らの移動手段すらもドワーフに押しつけたということか。


「さあ、これに乗って行こうぜ、師匠!」


「待ちなさい、それを使ったらさすがに気付かれます」


『じゃあ、どうするのじゃ?』


「こうします!」


「お?」


『おお!?』


 私達はフワリと浮かび上がる。

 これは風属性魔法で空気を操って浮かばせている……のではなく、重力を操っている。

 ここ十年ほどは暇だったので、開発してみたのだが、魔力の消費が結構大きいという欠点はあるものの、空気を大きく動かさないので、隠密性には優れているといメリットはあった。

 というか、風属性魔法だと、裸マント状態の今の私では、色々と見えちゃうし……。


『凄……持ち上げられる感覚や、音がまったく無い……!」

 

 まあ、他者に魔力を感知されないように運用するのは、なかなかテクニックがいるけどね……。


「このまま()りて行きますよ」


 そんな訳で、私達は吸い込まれるように、縦穴の闇の中へと下りて行った。

 しかしゆっくりと下降している所為か、なかなか終着地点まで到達できない。

 数分かけてようやく底が見えてくる辺り、どんだけ深いのやら。


 ただ、私達はそのまま着地はしないで、影の中に潜り込んだ。

 感覚的には着地と言うよりは、着水に似ている。

 影属性魔法の「影移動」である。

 このまま影の中を移動すれば、敵に察知される可能性は低くなるはずだ。


「うお……なんだ、ここ……?」


『広いのぅ……』


 そこは巨大な空洞だった。

 ドーム球場の何倍かは広いな……。

 さすがにこれをドワーフ達が掘ったとは思えないので、元々存在していた空洞だろうか。


 そして奥へ進むと、チラホラとドワーフ達の姿が見えてくる。

 彼らは発掘作業の際に出た残土を捨てる為に、手押し車(ネコ)を使って運んでいるようだった。

 まあ、地属性魔法で圧縮して地中深くに送るとか、他にやりようもあるけど、余程熟練の術者じゃないと効率が悪いだろうから無理だろうね。


 だから手作業で、残土を運んでいるのだろう。

 それがある程度たまったら、エレベーターを使って上に運ぶんじゃないかな?

 確か上にはトロッコがあったから、それで外へと運び出すようだ。

 

 で、私はその作業に従事しているドワーフを、


「ほい、ボッ●ュート」


「!?」


 影の中に引き込んで、そのまま影の中を通して鉱山の入り口へと送り出す。

 勿論、「念話」で、


『後で里へと送るので、そこで待機していてください。

 他の者達もすぐに助け助け出しますから、後続にもそのように伝えてくださると助かります』


 と、言い含めておく。


 このようにして、集団から離れているドワーフから確保していけば、魔族がすぐに異常を察知することはできないだろう。

 勿論、いずれは魔族に気付かれるだろうけれど、それまでにできるだけ多くのドワーフを外へ連れ出しておけば、それだけ犠牲者が出る可能性が減る。


 そんな作業を繰り返しながら先へと進んで行くと、ドワーフ達の他に魔族と(おぼ)しき存在の姿も見えてきた。

 直立したヤギのような姿にコウモリの翼を持つ者や、シファと同様に普通の人間のような姿に(つの)や尻尾、そして翼を持っている者達など、その姿は様々だ。


 どうやら魔族は、ドワーフ達を監視しているらしい。

 そして──、

 

 巨大な物体が見えてきた。

 岩かと思ったら違うな。

 人工物だ!


「シファ……まさかこれが……」


『うむ、そのようじゃのぅ……。

 おそらくクジュラウスが掘り出そうとしているのは、これじゃろう……』 


 半分埋まっているし、全長が少なくとも数百m以上あるのでよく分からないけど、仰向け人の形に見える。

 なんだこれ……巨●兵か?

 イン●ィニティ?

 それともイデ●ン?

 ……いずれにしても、世界を危機に(おとしい)れるような存在である可能性は高いよね……。


 これは絶対に破壊しておいた方が、いいだろうなぁ……。

 後でどうにかしよう。


 その為にも、まずはドワーフ達の救出を急ごうか。


『ん……?

 ドワーフ達が減っていないか……?』


『半分くらいいないぞ。

 まさか逃げて……!?』


 気付かれたか。

 それじゃあ、残りのドワーフを一気に回収して、戦闘開始といきますか。

 本日から3日ほど入院するので、更新は暫く休みます。次の更新は週末くらいになるかと……。

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