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第八話 授業

 

「ココロ様、教室に着きましたよ」


 教室はシアター型の円形階段教室になっており壁側全体に魔法陣がランダムに浮遊していて、不思議な音を奏でていた。


 「またなんか落ち着かない広さだな……」


 こころは開いている扉から教室内を見渡した。

 他の魂達が教室に入っていくと、犬の形から人間の姿に変わって行く。

 こころは元々どの場所でも人間の形を維持できるが、基本的に天界ではメティス様の力無しでは人の姿には変えられない。

 ルナシエがこころの方をチロチロ見る。


 「ココロ様、私も授業にお供してもよろしいでしょうか?」


 「っお!?ルナちゃんもいっしょか!その方が気を楽にして居られるからな!」


 こころが嬉しそうに言うとルナシエは喜んで先に教室へと入った。

 すると魔法陣がルナシエに反応し、犬の姿へと変化してしまった。

 ルナシエが自分の姿を教室の壁に掛けてある大きな鏡に写った自分の姿を見た。

 驚きながら彼方此方確認する。


 「ココロ様ー!これなんなんですか!?私犬になっちゃいました……。この姿で授業受けるんですか!?……。と言うか犬の姿私だけじゃないですかー!あーこれじゃ人生終わりですー!」


 「犬達の前で失礼なやつだな……」

 

 こころはそう言い、ルナシエはスネた。


 「アハハハハ、、、ウケる!ルナちゃんが犬だとそんな感じになるのか!可愛い可愛い!そのままでいいじゃないか!」


 「いやです!いやです!」


 「っお!ルナちゃん初めての反抗期……」


 「反抗期ってこれただの不可抗力じゃないですかー!ココロ様の意地悪……」


 「わかった、わかった元に戻してあげるからまってて!えーっと……あった!《ラテール》!」


 こころは右手の掌を左目の前へ出し、青と赤に包まれた光の線を腕に絡ませルナシエの方へ腕を振り伸ばした。

 するとルナシエの全身を光の渦が包み込んだ。

 教台で見ていたメティス様はこころがラテールと言う魔法を使えている事に驚いていた。

 ルナシエは元の姿に戻り一安心を見せる。


 「今日は私が特別に授業しますよー!みんな席に着きましょうねー!席は自由ですよー!」


  メティス様が手を叩き皆んなをまとめる。


  「ココロ様......?」


 ルナシエが不安にこころを見つめる。


 《なんだ?魔力の圧?動けん、、、。これは僕のじゃない……高位魔法?いや、ただの高位魔法や高位魔力なら一旦他の個体に意識を移せる事ができるはず……なんで使えない?僕の左目の魔力に誰かが気づいているのか?》


 こころは頭の中でそう思案する。


 こころは一秒足らずにして一瞬身体を動かせず何か凄い魔力の反応を感じ取っていた。

 その一瞬の隙にルナシエも同様にこころの反応に気づいた。


 「ココロどうしましたかー?」

 メティス様が声をかける。


 「だ、大丈夫でーす!」

 こころは何事もなかったようにルナシエと共に席に座る。


 《さっきのココロ様、何か魔力を封じられそうになっていたような、、、》

 ルナシエは心中気にしついた。


 《感覚でわかる。あの魔力の持ち主、この天界ごど跡形もなく滅ぼしてしまうくらいの力があった。》

 こころも気に悩んでいた。


 メティス様も魔力の殺気に気づいていた、しかしここでメティス様自信が手を出せば周りも混乱し、余計に敵意を及ぼす可能性もあった為、こころにあえて声を掛けるフリをして密かに心理魔法でこころと魔力を引き離す手助けをしていた。

 こころなら一人で魔力を解くことは出来たがメティス様もとっさの判断でのことだ。


 「さぁみんな授業をはじめますよ」

 

 メティス様の長い話が始まる。

 悪魔界、下界、天界の歴史や、人間との共存のあり方など様々な内容を物語の様に話していく。

 授業が後半に差し掛かると質問する時間わ与えた。

 

 「誰が質問ありますか?」


 「はい!」


 「じゃ、こころ質問をどうぞ」


 「動物天界と人間天界の魂の共存を叶えたい!」


 メティス様は難しい表情で答える。


 「ココロらしいと言えばらしい質問ね。ん、、、これはとても難しい事なの。ココロ達が住んでいた地球と言う下界では、魂を犬と言う個体に宿わせ、人と共存できるのですが、元々個体を持たない魂は動物天界意外の天界では無の存在と扱われる為、ココロと一緒に暮らしていたお爺さまやお婆さまは、今この場所に居るとしても次元が違い、互いの存在には気づけないのですよ。」


 するとこころはまた意外なことを喋り出す。


 「なるほど、此処(ここ)じゃない此処として一緒には居られるのか!ただ次元の問題なら僕には考えがある!そもそも次元という囚われ方に違和感があった!僕が魔法のバッグからオヤツを取り出そうとした時、次元の歪みでじいちゃんの腕を引っ張り出してしまった!あの時皆んな腕を確認していた!じいちゃんの腕は動物天界の次元に無として扱われなかった!全身は無理だっとしてもなにか答えがあるはずなんだ!どうも不可能な気がしない!メティス様!僕は転生先でもう一つの目標が出来た!天国みたいに老人ホームの様な場所ではなく、望むものには一緒に過ごしてきた下界の人間、僕たちの家族と死なず年取らず一生幸せに暮らせていける天界、いや。国を作ってやる!この動物天界の横っちょくらいにな!」


 こころは強く輝かしい顔で皆んなを圧倒させ、

もはや昨日から色々見せられてきた周りは、今頃驚くこともなく、こころの発言に対し馬鹿にする者はいなかった。


 メティス様も驚いているた。


 「本当にこころは不思議な子ですね。まだ小さな魂でありながらこれほどの考えられる力があるなんて。私、、、実は神々のあり方にはずっと懲り懲り(こ ご)していましたのよ!ココロのお陰で目が覚めましたわ!よし!私もココロに協力しますよ」

 メティス様がそう言うと、周りのみんなも喜んだ。


 

 「ココロ!ありがとな!なんかこんな気持ちになるなんて初めてだよ!」


 「下界も天界も愛は同じですのね!」


 「やっぱり君は天才か!?」


 ラウク、メイラ、ジェルダーがこころに言う。


 「っま!こころ様だからな!アッハッハッハ!」


 そうこころが胸を張って言った。


 授業終わりの鐘が鳴る。


 「授業はこれで終わりにします。みんなおつかれさまです」


 授業をお開きし後、メティス様はこころを部屋に呼んだ。


 「ココロが帰ってきてからはこの天界も凄く良い雰囲気になったわ。また居なくなるのは寂しいけれど、転生先でも元気でね。っあ!後インキュバシタンボルグの中心部にレアリナ城と言うお城があって、そこにレアリナ・メティアズと言う私のちょっとしたお知り合いがいますから、そのレアリナにこの結晶を渡して欲しいの。後、なにか困る事があればそこを頼ればなんでもしてくれますわ」


 こころはそうメティス様に言われ了解をし、そのあと何か照れ臭そうに言い始める。


 「わかった!メティス様、、、あの、わがままいっていいですか?」


 「なんですか?こころ」


 こころは目をギュッと瞑り拳を握り締め勢いで言い始める、、、。


 「メティス、って呼び捨てで呼びたい!あー、後、敬語よりもタメ口でしゃべりたい!そ、その方がボクらしいと言うかココロらしいと言うか、、、ハァ……」


 「っふふ。こころ、最初に比べて喋り方も変わってきていましたものね。気にしていたのね……私はココロががそうやって気軽に接してきてくれるのをとても嬉しく思っていましたのよ。ここじゃ皆んなお堅いから退屈もしていましたし。これからはメティス!って読んでくださいね。」


 「メ、メティス……」


 「はい!ココロ」


 「メティス!」


 「ココロ」


 「メティスー!」


 「ココロー!」


 部屋が二人の言い合いで響き渡る。


 するとこころの左後ろ角に立っていたルナシエが二人に声をかける。


 「あのー、そろそろ本題に……」


 「そ、そうですね」


 メティス様は小恥ずかしそうにし、こころはカチッと固まり叫んだ。


 「ボクは何をやってんだー!恥ずかしい……」


 ココロは部屋の扉に頭を向けぶつけながらそう言うと、扉前で見張りしていた剣士と魔術師が扉の振動にビックリしていた。


 「そんなにぶつけると顔が潰れちゃいますよ」


 メティス様はそう言い再び語り出す。


 「今から転生に向けて大切なお話を始めますね」


 「転生?っあ!そうだった!」

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