第三十八話 それぞれの決意...
こころはレアリナに、リーナが頭の中で起きた現象を尋ねると、すこし難しそうな顔つきになり、リーナに頭を下げて謝りだした。
「ごめんなさい!リーナ」
「あ、謝らないでください……。レアリナ様が謝ることなんて、、、」
「一体何があったんだ?」
こころはそう言って二人を見つめ、リユウと首を傾げながら顔を合わせた。
「いつかは、こんな日が来るとは思っていたわ。今から全てをお話しします、、、。リーナ・アンファレル。地球名、安藤里菜。私が、地球へ訪れた際、たまたま一人の少女が、目の前で交通事故で息を引き取ったの。そして、その魂の心の中から、異世界転生と言うものに凄く憧れを持っていたわ。その為、私が少女の記憶を預かり、こちらの世界へと連れてきたの。その魂こそがリーナなのです」
「わ、私がこころ様と同じ地球で産まれ生活を?」
「はい、、。そして記憶を預かっている理由は、リーナに心残りがあったからなの、、、。こちらの世界では笑顔で一から過ごして欲しかった……。そんな私の勝手な思いで、リーナを連れてきてしまったから、中々記憶を戻してあげることもできなかったの、、、。リーナ、記憶を戻してもずっとこの世界にいてくれるかしら?私はリーナが大好きなのです」
「ボクも好きだぞ!料理も上手いし!」
「リユウも大好き!」
「私しも皆様が大好きですよ」
リーナは笑顔で言葉を返した。
レアリナは言いづらそうにしているが、リーナは記憶を知る覚悟はできている様子である。
「リーナ、、。私、、、」
「大丈夫です!レアリナ様!どんな過去があったとしても、私はどうせ死んで転生した身です!死んだ時点で地球での私、安藤里菜は終わったのですから!」
レアリナは涙を見せ、ニコリと微笑ましい顔をした。
「リーナ、では記憶を戻します。その際に沢山のフラッシュバックが流れてきますが、耐えられなくなったら途中でやめていいですからね」
「はい!お願いします!」
リーナはゴクリとツバを飲み込み目を閉じた。
レアリナはリーナのオデコと自分のオデコを当て始めると、二人のオデコの間から閃光の光が放てられた。
次第にリーナの頭の中から産まれた頃から地球を去るまでの記憶が、フラッシュバックしていく。
少し頭痛を伴う為、眉間に力が入る。
数分後、レアリナはオデコを離し、そっとリーナから三歩離れた。
リーナはゆっくりと目を開ける。
視界はぼやけているが徐々にピントが合っていき目の前にいるレアリナを見つめた。
レアリナは、恨まれるのではないかと少し不安そうにリーナを見る。
「リ、リーナ、、。大丈夫ですか?」
「はい!レアリナ様!私は大丈夫です。」
リーナはニコッと笑いレアリナに近づいてきた。
レアリナはもう何をされても構わないと、目をギュッと瞑る。
レアリナの心中はリーナに対しての恐れしかなかった……。
――一方、ライアはエァナの店へ訪れていた。
店に入るがいつものことながら姿が見当たらない。
「エァナさーん!私でーす!ライアでーす、、、」
………………。
「あれ?留守ってわけないわよね、、、。入り口開いてるし、、。」
するとライアの真上に、紫色をした魔法陣が突如現れた。
「え!?なに?」
ドン!!
「いったーい!!」
「エァナさん!?」
エァナは自分が作った魔法陣から、背中側から落ちてきた。
ライアは突然の出来事に驚いたが、直ぐに手を貸しエァナを立たせてあげた。
「だ、大丈夫ですか?」
「あ、ありがとうライちゃん、、。」
「私、、、決意しました!これから剣と契約をかわして、ドラゴン族の剣士を代表して戦うわ!沢山の人達に幸せになってもらいたい!もちろんココロ達とも幸せに暮らしたい自分の気持ちもあるわ!」
ライアは笑顔で自信に満ち溢れていた。
エァナは少し微笑ましい表情でライアを抱きしめた。
「ライちゃんがこの剣と契約することはわかっていたのよ。それがライちゃんですもの!まっていました!これからは貴方達がこの国、いや、この星でいきる者達の希望です。プレッシャーかもしれないけど、ライちゃんにココちゃんにリユウちゃん、それに弟のユウギのパーティーなら私は安心して、この剣、トワイライト・グラディウスとの契約を進めるわ」
「はい!宜しくお願いします!」
ライアはニコリと笑顔でエァナの両手を握った。
――「リーナ、、、」
レアリナはリーナの過去の記憶を写し終えるとリーナは、涙しながら清々しい微笑みを見せていた。
「、、、私、、この世界へ来て幸せです!レアリナ様、気にしないでください!私は皆様が大好きです!私は多分、他の人達よりも特別な場所に来ていて、憧れの異世界で生活が出来ているのですから!」
「リーナ、、、」
レアリナは少し涙を浮かべ微笑みを見せリーナを前から抱きしめた。
そして、ユウギについてこころはレアリナに話を持ち出した。
「感動の所申し訳ないんだけど、、ユウギを強化してほしい!レアリナ頼めるか?」
「ん、、、ユウギね。強化は出来るけどココちゃんでもできるんじゃ、、?でもどうして?」
今やユウギは、あー見えてインキュバシタンボルグ最強の勇者のランクであるが、こころやライア達から見れば中の下より少し下のレベルである為、弱いと思われてしまっている。
レアリナとメティスが二人の力を合わせても、こころのレベルに辿り着けるかどうかである。
「いやー、ユウギは男だろ?男が出稼ぎに出て僕達女性人はこの世界で優雅に過ごすのも有りかなーって、、、アハハハ」
「ココ姉、それは可哀想だよ、、、」
リユウが後ろから呟く。
こころは少し目の周りを赤くしゴネ始めた。
「だって闘うの疲れたー!日本は平和だった。お母さんが帰ってくるのを出窓で待ちながら景色を見渡したり、おやつ食べたりのんびり過ごしてたんだ。お母さんに会いたいよー。お芋のオヤツも砂肝も食べたい!地球に帰りたいよ、、、」
レアリナはこころに寄り添い抱きしめた。
「ココちゃん、この世界に来てずっと頑張ってきたものね。本当は寂しくて地球にいるお母様に会いたくて会いたくて、それでも本当の気持ちを隠して皆を守りながらここまでやってきたのよね。ここちゃん、ありがと。私の勝手かもしれないけど、あなたに会えて私は幸せなのよ。それにリユウちゃんやライちゃんも皆んなココちゃんの事が大好きよ。」
「ユウギが抜けてる、、」
リユウがそこっと口にこぼす。
こころはレアリナに抱きしめられながら、少し涙をこぼしたと同時に口角が上がった。
「レアリナ、、ありがとう!僕は大丈夫!いつかこのインキュバでお母さん達と過ごせる時が来るまで待ち続けて、今のパーティーで大いに向かえるさ!そして、リユウ!リーナ!これからもよろしくな!じゃライアとユウギ迎えに行くか!」
「少し重荷が抜けたようね。切り替わりが早いのはここちゃんらしいわ」
こころはまた一段強い意志を表情に浮かべいつもの雰囲気を取り戻し、レアリナも安心していた。
レアリナは頼まれていたユウギのレベル強化の事をこころに確認した。
「ココちゃん、ユウギの強化は?」
「レアリナ!うん!っと頼む!」
「オッケー!頼まれたわ」
こころ、リユウ、リーナはライアとユウギを迎えにギルドを出た。
――レアリナの心中
「なるほどね、、ユウギの強化を私に頼んだのはここちゃんの優しさからね、、。確かにその方が理に適ってるわ。ウフフ」
こころがレアリナにユウギの強化を頼んだ理由は、自分では限度を超えてしまいユウギに傷を負わせてしまう可能性と、やはり慣れ親しんだ関係では、ユウギ自身どこかだらけてしまう事もあり得る。
そして、後に魔王軍との争いに立ちはだかる時、今のユウギではレベルが全く足りていないのも、こころには分かっていた。
そしてレアリナは過去に魔王軍との闘いに一旦勝利を収めている経験がある為、その信頼からこころはレアリナに頼んだのだ。




