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第三十七話 リーナの記憶


 ――ゴーン!ゴーン!ゴーン!


 家全体が鐘の音で揺れ響き渡る。

 

 こころ「ななななんだ!?この音は!」

 りゆう「耳がこしょばいよー」

 ライア「わわわわ!なになに?」

 ユウギ「…………」

 

 ――皆様ー!おはよーございまーす!


  次にリーナの声が家全体に響き渡る。

 こころ達は、どデカい鐘の音で無理やり目を覚まさせられ、朝食が用意されている、一階の食卓へ向かった。


 「皆様おはようございます!」


 「おはようございますじゃないわ!おい!リーナ!なんなんだ!?あのベルの音は!目覚ましどころか、脳みそやられて死んでまうわ!」


 「死ぬかと思ったー」


 「リユウも、、、」


 ライアもリユウも目を擦りそう口にした。

 そして、リーナは説明をし始める。


 「一つ一つ部屋へ出向かうのも面倒だと思い、皆様が留守の間に一人で作りました!巨大ベルの目覚まし時計です!そしてこのメガホン!」


 「あーもー!説明せんでいい!」


 「えーーー!?させてください」


 「いらん!いらん!いらん!」


 「ココロ様のケチ!」


 「ケチで結構!てかリーナそんな性格だったか?」


 リーナの性格はめんどくさがり屋であり、その為要領はいいが、大胆な行動を取ることがある。

 最初は猫被りな性格だが、慣れてしまえば結構我が強い所もしばしば見え始める。


 「おはよ、、」


 凄まじい音だったことにも関わらず、ユウギはまだ寝たままであったが、遅れて自分から下へと降りてきた。

 こころはユウギに問いかける。


 「おお!皆んなもういたのか」


 「おい!ユウギ何もないのか?」


 「何が?」


 「何がって、でっかいベルの音、、、」


 「ん?……」


 ライアは人を疑うような呆れた顔を見せ、こころはユウギを老人扱いした。


 「マジかよ、、、。剣士のクセに警戒心が無いと言うか、、、ただ耳が遠いのか、、、。貴様老人か?、、、」


 「老人扱いすんじゃねー!と言うか何があったんだ?」


 「まぁ、聴こえてなかったならいい……」


 「リユウお腹すいた!」


 ライアはリユウを撫でた。

 リーナも椅子に座り、手を合わせ始める。


 「皆さん、手を合わせて……」


 ――いただきます!


 「よしよし!リユウ!ボクがこのホットケーキを切ってあげよう!」


 「ココ姉、リユウ自分でやれるよ。それにナイフ上下反対だよ」


 「っあ、、、アハハハハ!あ!ホントだ!上下反対だ!こうだ!これで、」

 

 「ココ姉、ナイフの方を持ったら危ないよ……」


 「おー!そうだったそうだった!」


 「ココ姉、ナイフはこうやって持つと使いやすいよ!はい!」


 こころは、リユウにホットケーキを切ってあげようとしたが、使い方がイマイチ分からず、結局リユウに教えられてしまう羽目になってしまい、苦笑いをし落ち込んだ。

 ユウギは平然した姿で頭を掻き、テーブルに並ぶ朝食を見つめる。

 

 「美味そうな朝飯だ!」


 ライアは、剣の契約の件で、悩んでいるのか、少し硬い顔つきになっている様子だった。

 気にかけたユウギぎはライアに声をかける。


 「ライアどうかしたか?」


 「な、なんでもないわよ。早く朝食すませるわよ!私、今日はエァナさんの所に行かなきゃだし!」


 こころ達は、気にはしていたが、敢えて触れないように黙っていた。


 《トワイライト・グラディウス》

 ドラゴン族、トワイライト家に代々伝わる伝説級の剣であり、一つの国を滅ぼす強大な力を持っている。

 そして、かつては仲間であった、デウシスに騙されていることに、ライアの母は気づいた。

 敵対しているデウシスヴロウヘルの魔力も共有し、トワイライト家の血液を流し込む事で使用可能となる。

 ライアは、剣を使用する事で、直接奴らと関わる事もなく、位置も把握はれない事は理解しているが、敵対しているデウシス側と魔力を共有し、正義として戦うと言う、複雑な個人的な悩みに胸が痛みつけられていた。

 溜息した後、ライアはこころへ喋りかける。


 「ココロ達はどうするの?」


 「んー、、、。まずユウギには依頼討伐に行ってもらって、、、」


 「また一人討伐かよ!そんなパーティーありか!?」


 「ありあり!ボクとリユウは別の用事があるから」


 「ココ姉とお出かけ!」


 「悪魔か!」


 「ユウギ!ボクがいた日本と言う国では、男は出稼ぎ!女は家でゴロンゴロンだ!」


 「はい、そうですか、、。行けばいんだろ!行けば!ちくしょー!」


 「っん……痛い、、、」


 突然リーナが両腕で頭を抱え込んだ。

 

 「リーナ、どうした!?」


 ユウギがリーナへ振り向き声をかけた。

 リーナの頭の中で何かが浮かび上がり始める。

 

 「に、ほ、ん、、東京、、ゲーム、、漫画、、アニメ、、アナタは誰?」


 ――キーーーーッドーーーン。


 ピーポーピーポーピーポーピーポー、、、。


 

 ぐるぐる頭の中で、街や人通りなど、色んな景色が混ざり合う中、一人ぼやけて見える、髪が薄い紫の女性らしき人物が、リーナを見つめていた。

 そしてリーナは倒れ込んだ。

 ユウギは慌てて、ソファーへと抱えつれていき

 リーナへ必死に問いかける。


 「リーナ!リーナ!大丈夫か!?」


 こころやリユウもリーナに問いかけた。


 「リーナ!」

  

 「っあ目覚めたよ!」


 ライアはすぐに水を差し出した。


 「大丈夫?リーナ、、、水よ。」


 「ありがとうございます……」


 こころは何があったのかリーナに問い出した。


 「リーナ、何が起きたんだ?」


 「えーと、、よくわからいですが、地球と言う場所に居たような、日本?という場所の、景色や、他にも薄っすらと見えたりして、、、。それが何なのかはわからないのですが、でも、ココロ様が日本と言われた後に、頭が急にグルグルと、、でも、それがなんの記憶なのかまでは、、、」


 こころは悩ましい顔つきを見せ、リーナの記憶の中を、左目を使い除いた。

 すると、映し出された景色は、こころが住んでいた地球その物の景色であり、どれも見覚えがあるような感覚になった。

 そして、こころは口にした。


 「もしかしてリーナは、この地へ転生してくる前に、ボクと同じ地球で生きていたのかもしれない」


 「まさか!地球人だったと言うことか?」


 「地球て遠いの?」

 

 ユウギはある程度理解はしていたが、ライアは、地球を知らなかった。

 ライアはこころが語り始めると、地球に興味を持ち始めたような顔つきをし始める。


 「あぁ、次元が全く異なる星だ!普通には行けないけど、ボクの魔法のバッグは、地球の次元と繋がっていて、エネルギーを繋ぐことは出来る」


 「すごい星なの!?」


 「ん、、、。天国でもあり地獄でもあるような星だけど、不幸も幸も感じ方次第で、オールジャンルな星さ!」


 「難しい、、よくわかんないわね……。でも一度は行ってみたいわ!」


 「リユウも行きたい!地球!」


 リユウはこころからお芋ベーコンのオヤツをこころからよく貰っている為、地球にはまだまだ沢山美味しい物があるのではないかと、期待を膨らませ、頭の中で、色んな食べ物を想像していた。

 

 「地球もいい所だけど、ボクはこの星も好きだぞ!皆んなにも出会えたし!まぁ、リーナの件は、落ち着いた頃にレアリナに聞いてみた方が良さそうだな!」


 こころは、リーナに関してレアリナに聞くことにし、一先ず、それぞれの目的に、ユウギは一人討伐へ向かい、ライアはエァナの店へ向かい、こころとリユウは、レアリナに会いに、ギルドの五階に向かった。


 「あらー!ココロちゃん!それにリっちゃんまで。元気でしたか?」


 「お、お久しぶりです。レアリナ様。お陰様で元気に皆様とも仲良くさせていただいておりますです、、、」


 リーナは恥ずかしそうに、頬を赤くし、両手をもじもじさせ、目を合わせたり外らせたりしながら口を小さく動かして喋る。


 「レアリナー!いい匂いする」


 リユウは相変わらず、レアリナに抱きつきに行き、レアリナのドレスから放たれている匂いの虜になっていた。


 「あらあら、リユウちゃん。相変わらずですね。ココロちゃん達、今日はどうしたのですか?」


 「まぁ、少しリーナの事が気になって、レアリナなら何か知っているだろうと思ってさ。リーナの頭の中から地球での微かな記憶、それに、リーナを見つめるレアリナが見えたんだ……」


 「・・・・・」

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