第三十五話 トワイライト家に伝わる剣
「ここがギルドだ!」
こころはギルド入り口前に立ち、扉を開ける。
「お久しぶりです!ココロさん!リユウさん!ユウギさん!それにフォードさんまで!あれ?フォードさんパーティー入りしたのですか?」
「いやいや、俺は付き添いみたいなものだ!」
「そうなのですね」
ギルド内は、勇者のユウギや、上級冒険者のフォード、それに背の低い、獣人のリユウに、それらを後ろに、先頭を切って、堂々としているこころ達にざわめいていた。
「エマ!久しぶりだな!」
「はい!ココロさん」
「あれ?ウィズは?」
「ウィズさんは有給で旅行に言っているんです、、、」
こころは首を傾げていた。
そして、リユウに囁く様に喋りかける。
「おい!リユウ、有休てなんだ?」
「ゆっきゅ?」
リユウも首を傾げ、ライアの裾を掴み、ライアに聞く。
「ライア、ゆっきゅて何?」
「わ、私に聞かれても、、、。ねぇ、ユウギ!ゆっきゅってなんなのよ!?」
「はぁ、、、。有給てのは、働いている人達がその会社から、賃金が支払われる休暇日の事だ。俺たち冒険者はフリーだから関係ないけどな」
「働かずにお金が入るなんてめちゃいいじゃない!」
「バカ!ずっとじゃないぞ。日数だって決まってるんだから」
「なーんだ!」
「上手く稼げば、冒険者の方が休めるぞ!」
「まぁそれもそうね!」
ギルド内にいる冒険者達は、確かにこころ達は、凄いパーティーだと認識しているが、内容が内容だけに、常識が普通ではないことに違和感を感じる。
「あの子達、戦えてもそう言うのは疎いのか?……」
「さぁ、、、」
「お初にお目にかかりますが、そちらのお嬢様は?」
「ドラゴン族のライア!」
「初めまして、ライア・トワイライトと言います」
「ド、ドラゴン族!」
エマはそうこころに尋ねると、大きな声でドラゴン族といい、エマもつい声を上げてしまい、ギルド内に響き渡る。
その後、ライアはお辞儀をし、またギルド内がざわめいた。
「え?ドラゴン族?」
「ま、まさか、人の姿じゃないか?」
「いや、ドラゴンは人の姿にも変えられるって聞いたこともあるぞ」
「あいつら、ドラゴン族まで、ヤバくないか?」
ユウギやフォードやリユウは、ジロジロ見られているのが嫌になってきていた。
ユウギはココロを呆れた様な目で見つめていた。
「エマさんまで。おい、、、ココロ、お前のせいで」
「どうせそんなの!バレるのは時間の問題だ!このままボクのレベルだって、、、」
「あー、やめろ!それ以上は言わないでおく」
ユウギは悪目立ちを恐れる。
勿論、エマはドラゴン族の適正をするのは初めてであり、少し緊張を気味ではあるが、恐る恐る浮かんだパネル内を除いた。
「最初にココロさんのを見た時は訳がわかりませんでしたが、それとは別にライアさんのは、恐らくこの国で一番レベルが高い。それに防御力は一万。本来万単位と言うのは神レベルと言うのに、」
エマは心中そう語った。
ライアの適正をギルドで見てもらい、住人登録も済ませなきゃ行けない為、レアリナの元へ向かう。
ユウギ、フォード、ライアの三人はエレベーターに向かうが、、、。
「なぁ、リユウ、、」
「わかってるよ、、」
こころとリユウは拳に力を入れてた。
「あーまたか、、」
ユウギがそう言うと、ライアは尋ねる。
「え!?なに?」
「階段競走だよ、、、。あの二人、前に来た時もやってたんだ」
「なるほど!」
「元気でいいじゃないか!グゥアッハッハ」
ライアとフォードはそんな仲の良い二人を見てニコニコしていた。
「いくぞ、リユウ!」
「うん!」
「「よーい、、ドン!」」
こころとリユウは五階まで一気に駆け上がっていった。
ユウギはエレベーターのパネルに手を触れた。
「じゃ、俺達も向かうか」
「おう!」
「はーい!」
――ッチーン。
エレベーターは5階に着き、扉が開く。
「っあ!もう三人が来た」
「もう三人」
こころとリユウはエレベーター側に振り向いた。
「あの方々がもう三人ですね。それにあの時のもう一人さんも一緒だったのですね」
案内人さんがそう言うと、こころは笑い出した。
「ユウギ、良い名前つけてもらったな!もう一人さんだって!アハハハハ」
「普通にエレベーター使っただけで、何であだ名を付けられなきゃ行けないだよ!だったらココロは、、、もうリユウから離れられないさん、、、」
「なぁ、リユウ今日何食べたい?」
「ホットケーキ!」
「人の話を聞けい!!」
「まぁ、楽しい仲間じゃないか!」
先に進むココロ、リユウ、ライアを見て、ユウギは突っ込み返した後、フォードに軽く肩を叩かれ、ユウギは、キラキラした瞳でフォードの両手を握りしめた。
「フォードさん……」
「そこまで来るとなんか気持ちわりぃなぁ、、、」
ライアはステキな雰囲気ある五階に魅了されていた。
「ステキね、、。」
全員、扉前にたどり着き、ライアとフォードは驚いた。
「特別なものだけが許される本登録の扉ってこの扉なのかよ!えげつねぇ扉だな!普通の住人は、一階だけで済ませて終わりだからなぁ、、、」
「こ、これは、神に反対意思を意味する、彫刻の門の一つよ」
「そう言う意味があるのですか、、、確かによく見るとそんな気も……」
案内人さんも扉に関しての意味までは知らなかった。
「この扉に認められたら良いのよね!」
ライアは何故か、元から知ってるかの様に、翼のドアノブに手を添え、折る様にして押した。
すると、また神の背中から血が流れていき、扉が開き始めた。
案内人さんを後にし、皆んなは光の中へ入っていき、扉が閉まる。
「レアリナーーー」
「あら、元気にしてましたか?リユウちゃん」
「うん!」
レアリナは相変わらず、リユウに気に入られている。
「ココロちゃんにユウギも元気そうね」
フォードは、空想や幻とされていたレアリナに会えた事に感激のあまり、思考が停止している。
「お二人は初めてのお顔ですね」
「初めまして。私は、ココロ達に頼んで、イグニドラングから此方へ引っ越してきました、ドラゴン族、ライア・トワイライトと申します」
「じ、自分は、ここイキュバ産まれであります、フォードでありましてありますです!」
礼儀が良く、落ち着きあるライアと変わって、フォードは緊張のあまり、変な敬語になってしまっている。
レアリナはフォードの言葉遣いに笑った。
「アハ、初めまして、私はレアリナ・メティアズと申します。そして、フォードの事はよく知っているわ」
「何故なんですか?」
「まだ貴方が少年だった頃、お城の使いの者に、転移で戻されてしまいましものね」
「なんと、ご存知だったのですか……。」
「ウフフ。それに、ライアちゃん。貴方がメティちゃんがが言っていたドラゴンの娘なのね」
「メティちゃん?」
「メティスってライアのこと知っていたのか!?」
こころは驚いた。
「メティちゃんこと、メティス・フェアルは、ココロちゃんの天界の母であり、動物天界の神で、ライアちゃん本人とメティちゃんは、面識はありませんが、メティちゃんは、ライアちゃんのお母様とは、古い知り合いなのです。当時、ドラゴン族は悪魔の使いとして動いていたのですが、トワイライト家から代々受け継がれてきた、伝説級の剣、、そのトワイライト・グラディウスが、悪魔達に狙われている事に気付いたドラゴン僕は、悪魔と対立。そして、ライアちゃんのお母様は、メティちゃんに「剣を安全な場所へ」と剣を託し、メティちゃんから私へ、私からエァナに託したの」
「そうだったのね、、、」
すると、こころはレアリナに尋ねる。
「じゃ、今までこうなるって分かってたってこと?」
「正解」
「俺たちがイグニドラングに行くことも、ライアが此処に来る事になると言う未来を?、、、」
「ユウギの言う通りよ。アカシックレコードからある程度の未来を覗けるのですが、なぜか今は未来や過去も、当時程修正が困難になってきてしまっていて、危ない思いをさせてしまったわ」
「そ、そろそろこのケース下ろして良いか、、、?」
「っあ!フォードごめん!ありがと!」
重すぎて身体をガタガタ震わせていたフォードから、ライアは軽々と片手でケースを受け取った。
「ぉお!ライア力持ち」
「え!?だったら自分で持ってた方が……」
リユウはライアを見上げて言い、ユウギは軽くそうライアに問いかけた。
すると、こころは腕を組み足を広げ口を開く。
「ユウギ!レディーに重たいものを持たせるのか!?恥かかしめ!」
「お前が言うな!その魔法のバッグにも入れられただろ!」
「リユウ!フードがズレているから直してやろう」
「うん!」
「人の話を聞けい!!」
ユウギはまた、ココロに誤魔化された。
フォードが背中に抱えている、二本の斧の武器は合わせて四十キログラムだが、ライアの剣は、百キログラムを超えていた。
力には自信のあるフォードでも、百四十キログラムを長時間抱えているのは流石に限界はある。
「レアリナさん、、、これ、開けられますか?」
ライアはレアリナの机にケースを置いた。
「大丈夫よ!ライアちゃんの血が必要だわ。少し良いかしら?」
「はい!」
「じゃ、誰か、血が足りなくなるといけないから、ヒールをライアちゃんに当ててもらえるかしら?」
「結構大変そうじゃないか!?」
フォードはライアを心配する。
「過去に、このケースの開け方を知っていた悪魔達は魔王の命令で、色んな生き物の血で試したと言う歴史があるわ。最後には魔王直属の者の身体までも犠牲にし。そのせいで、命を落とした者も少なくはないの。この剣の鍵は、血液のDNA。ドラゴン族でも、トライワイト家の血液ではないと、反応しないようになっているらしいの。剣はトワイライト家であれば二キログラム位の重さになり、相手側にはそのままの重さ、約百キログラムで攻撃が伝わる凄い剣なの」
「そりゃフォードさん、こうなるわけだ。それにしてもセキュリティー頑丈すぎるだろ!」
ユウギはそう口にした真横で、フォードはまだ腰を痛めていた。
「それだけ恐ろしい物でもあるのよ。使い方一つ間違えれば、剣に意識を囚われてしまい、飲み込まれ、永久に帰ってこれなくなるわ」
「シュビルナースレイブとどっちが強い!?」
ココロは剣を出し、レアリナに聞く。
「そりゃ、ココロちゃんの剣よ」
「っわーい!わーい!やっぱこいつは最強なんだな!どーだ!」
「子供か!お前は!」
「ずっとそうだけど?」
「じゃ、大丈夫です、、、」
子供らしい大人気ないココロに呆れを見せるユウギ。
「でも、一つだけ、シュビルナースレイブや、リユウちゃんが持つエマーノスには、存在しない力が宿っているの。それは、星を一つ簡単に滅ぼすことができる力よ……。そしてその剣は、デウシスブロウヘルの闇の力も共有しているという事………」
「なんなのよ、それ、、、」
ライアは複雑な気持ちに囚われる……。




