第十九話 消えたリユウ達
こころ達は、住人を探し続けるが、誰一人とも見当たらない。
「この地はどうなってるんだ?」
ユウギはそう言いながら頭をかぎ、前を歩くリユウを見守りながら、フォードと後ろを歩く。
すると、こころの前に突然お芋のオヤツが落ちてきた。
ふとを後ろを振り向いたこころの目には、リユウが見当たらない。
ユウギもフォードも突然リユウが消え焦っている。
「リユウ!リユウ!おい!なんで見てなかったんだ!?挟む様に歩いていただろ!」
こころは、二人に怒鳴った。
「い、いや、見ていたさ!でも一瞬にして消えたんだ!消されたかの様に……」
「オレも見ていたが、本当に消えたんだ!」
「クソ!まぁ仕方ない、、怒鳴って悪かった……。手分けしてリユウを探すぞ!」
「リユウーーーー」
こころは必死に呼びかける。
左目の魔力で気配を感知しようとしても、全く反応はない。
「リユウちゃーーーん」
「フォードさん、俺はこっちを探すから……ココロ、、、」
「どうした!?」
「フォードさんが、、、」
すぐ真横にいたフォードが、ユウギが振り向いた時には既に姿を消していた。
「うそだろ!フォードまで、、、」
こころの表情が険しくなる。
「ユウギ、、、ドラゴンは賢いんだよな?」
「昔からそう聞かされているが、、、」
こころは何かの気配を感じ取っていた。
「来る、、、」
「来るって、何が?」
「ドラゴンだよ!」
すると、いきなり空から一頭のドラゴンが現れた。
「ユウギ!一旦逃げるぞ!……あれ!?ユウギ?……」
ユウギの姿をも消え、こころ一人になってしまった。
こころは、地面を蹴り飛び上がり、建物の屋根を伝って、ドラゴンが噴く炎を避けて行く。
「あー!どうなってるんだ!少なくとも、何処かに移動させられたには違いない!なんだ!?前からもドラゴンだと!?」
こころは挟み撃ちされるが、前後から噴かれた炎をバク宙して避け、後ろに居たドラゴンの首に乗る。
「ドラゴン!リユウ達をどこやった!?」
「お前が我達を倒せたら教えてやる!倒せたらの話だがな!」
こころを乗せたドラゴンは急上昇し、赤黒く広がっている雲を抜けた。
そして、急降下し始め、遠心力で振り落とそうと、斜め下向きなる位置に、こころが来るように、身体を傾けながら急カーブで加速していく。
「しぶとい奴め!我のイヴァネシーゴが貴様には効かなかったのはその魔力のせいか、、、」
「それがリユウ達を消したお前が持つ能力か!?」
「だったらどうした!?」
「早くリユウ達に会わせろ!」
「なんども言わせるな!」
「あー!なん度でも言わせてやる!」
こころは、シュビルナースレイブの強意な魔力で、殺してしまわない位までに調整し、ドラゴンの首の鱗へ当て、3億ボルトの電流を流そうとする。
「愚かめ!我に剣など何の役にも立たんぞ!」
こころをバカにする様に、ドラゴンはずぶとい声でそう言った。
しかしこころは、ニヤける。
「というか、、、君、、弱いね……」
「なに!?」
こころは鱗と鱗の隙間に剣の先を咬まし、剣を持ちながら、身体を逆さに浮かし攻撃を放つ。
「ドラゴフールメン!」
すると金に輝く竜が現れ、ドラゴンの身体に巻き、あらゆる箇所に稲妻を放つ。
「この我が!お前は一体!?ライア!気をつけろ!」
こころが挟み撃ちされた際に、正面から飛んできていたドラゴンが叫ぶ。
「お兄様ーーーー」
「もう一頭は軽めで、、、ほい!」
こころは向かって来た、もう一頭のドラゴンの背後に周り、軽くかかと落としで地面へと突き落とした。
こころは倒れたドラゴン二頭にヒールを使い回復させる。
「…………」
「そろそろ、リユウ達の居場所を教えてもらおうか?」
こころは足を開き、手を腰に当てる。
「まさか、こんな娘一人に、我らドラゴンが、、、。殺される所かヒールで回復させられるとはな……」
「こんな娘とは酷いぞ!別に最初から殺すつもなんてなかったし、戦うつもりもなかったんだぞ!」
「ではなぜ!?」
「再生の魔石!ディスレグティオを求めてきたんだよ!」
「そうだったのか、、、。悪かった……」
「お兄様!敵ではないのですか?……」
「そうらしい、、、。まずはこの結界を解こう」
兄のドラゴンがそう言いうと、口を開き、光り輝いた一直線の波動を真上に放つ。
赤黒い雲が避け穴が開き、結界が解き放たれてく。
すると、また地底とは思わせない様な、虹色がかった青い空が広がり、景色も明るい街並みに変化していく。
住人達も姿を表し出し、何もなかったかの様に明るく過ごしている。
そして、兄のドラゴンと妹のドラゴンは、、。
こころは驚いた。
「二人ともさっきのドラゴンか!?」
二頭のドラゴンは、人間の身体に変化し、妹のドラゴンが語り出した。
「はい!私たちは地底、イグニドラングに住むドラゴン族です」
「ドラゴン族!?じゃ、此処に住む人達は皆んなドラゴンの血を受け継いでいるのか!?」
「全員ではありませんが大半がドラゴン、小半が元地球に住んでいた人間です。人の知恵のお陰で、これだけ住みやすい国に代わり、今や皆が幸せに暮らせる場所なのです」
兄のドラゴンが語り出す。
「申し遅れました。我の名はイグニス。そして隣が実の妹であるライア」
「ボクはココロ!よろしく!」
「ココロか、宜しく。我らドラゴン族は、あの様な姿で外で暮らすとなると、他者から恐れられ、戦闘になってしまうのも見えています。肩身の狭い中での生活になるに違いない。その為、先祖の時代が地底に、住みやすい国を作ろうと考え、出来た国がイグニドラングなのです」
「なるほど、、、《なんか切ないな》でもいい街だな!そう言えば、あの結界は敵が攻めて来た時に使うのか?」
「はい。ココロが洞窟を抜けた時点で、気配に気づいていましたので、油断しているところを狙うおつもりでした。しかし、不思議な力を獣人の子から感じました。とても純粋で温かな温もりを。ですので、ココロがあの三人を囚らえていると言った勘違いから、この本来のイグニドラング側に、三人を転移させ、保護した形になりました。
建物などの形は同じなのですが、住人達の被害を避ける為、いざとなった時に使用する闇を彩った次元空間です。そこにココロだけを残し、倒す予定でいたのですが、、、。必要なかった様ですね……」
「ココロって強いのね!」
イグニス語った後に、妹がこころへ興味を持ち出した。
「まぁ、ドラゴンに勝つくらいだからな!」
こころは、まさかこんな状況になるとは思いもしていなかった為、安心したように気が抜ける。
ぐぐぐぅー、、、
「お腹減った……」
「アハハハ!ココロ!うちのお城に遊びに来てよ!美味しい料理もあるし、仲間もそこに居るわ!」
こころは目をキラキラさせた。
「おニクある!?」
「もちろん!」
「ココロ、是非来て欲しい。それに迷惑をかけたお詫びもさせてくれ」
「よし!わかった!連れて行ってくれ!」
すると、イグニスはドラゴンの姿に戻り、ライアとこころを乗せて、イグニドラングの中心部にある城へと向かった。




