第二十八話 ドラゴンの住む街
第二十八話
こころ達は下にマグマが広がる端を渡り、先に見える出口へと歩いて行く。
幅20メートル、高さ15メートル 程の出口の穴からまだ岩の道が50メートル程続いている。
「フォードさん、まさか外なのか?」
ユウギは目の前に広がる大きな出口から見える星空や夜景を見て、此処が地底とは思えずにいた。
「疑うのも無理はねー!確かに俺たちは洞窟の入り口から、大分と下に滑り落とされたからなぁ!外だとは流石に思えんが、これは外にしか見えんぞ」
「お星様キレイ……」
リユウは夜景を見るなり、星空を見るなり喜んでいる。
先頭を歩いていたこころは、難しい顔をして道が途切れた所で足を止めた。
「フェイクか?……」
「どうしたココロ?」
ユウギが問う。
「お前ら、、、」
こころの左目からは薄く、本来の景色が写り始めていた。
こころは本来の景色と最初に見ていた景色とが二重に見えぼやけている。
「ボクから離れろ!!」
こころが叫ぶと、ドラゴンが噴いた炎が、ユウギ、リユウ、フォードの三人とこころの間を通り、
一頭のドラゴンが四人の真上を突き抜ける。
そして魅せられていたフェイクの星空や夜景がみるみる内に本来の景色へと変わっていく。
「おい!うそだろ!?いきなりドラゴンかよ!」
「リユウ!大丈夫か!?」
フォードとユウギは咄嗟に盾を出し、リユウを炎からガードした。
「ココ姉!!」
リユウが必死に叫んだ。
こころが立つ道の先端は、崖になっており、炎の威力で崖の先が崩れ落ちていく。
当然こころも頭を下に崖から落ちていき、身体をバク宙させ、崩れ落ちて来ている岩を踏み台にしリユウ達の元へ駆け上がる。
「ココ姉……」
リユウが涙して安心する。
「リユウは大丈夫だったか!?」
「うん!二人が盾になってくれた!」
「よかった!にしてもいきなり過ぎてビックリしたなぁ!また来やがった!」
ドラゴンはまたこころ達を目掛けて飛んできた。
フォードは二本の斧を引き抜き、攻撃を放つが全く当たらない。
リユウはユウギの背中に隠れている。
「ボクがドラゴンの背後に着いて攻撃するからその間に洞窟に戻れ!後で向かう!」
「わかった!!」
ユウギはリユウを背中に抱え、フォードと共に走り出そうとしたが、洞窟は見当たらない」
「おい!うそだろ!」
「洞窟ないよ!?」
「そりゃアクデブスラも止めるのも分かるわ、、、。ここはインキュバシタンボルグじゃねぇ!あの洞窟の境目から先は、次元が異なるこのドラゴンの住む次元と結ばれていたんだ!」
「ってことはオレ達どうやって帰るんだ!?」
「落ちるしから方法がない、、、」
「え!?」
ユウギの思考が停止した。
ココロはドラゴンの背後に周り止めを刺す、が、、、ドラゴンが放つ波動が強すぎる為、こころのシュビルナースレイブと摩擦が起き、境目で爆発する。
ココロは風圧の爆発で数十メートル離された。
「ウソだろ!?レベルなら圧倒的にこっちの方が高いのに、、、防御力だて余裕に差があるのに……」
するとドラゴンは姿を消した。
「いなくなった!?」
こころは一旦、三人の元へ戻る。
「ココ姉戻ってくる!」
空を見上げたリユウが指を刺した。
ココロはしくじった様な顔をする。
「ココロ!無事だったか!ドラゴンはどうなった?」
「いやー、それが逃げられた!アハハハ!」
「まぁ取り敢えず無事でよかった!」
フォードは笑顔で安心した表情で言った。
「やっぱり、、、空中から見えてはいたが、戻れないのは次元を抜けていたんだ!向こうからは入れて、反対側からは戻れないのは、ドラゴンが仕掛けた罠だろう!最初に魅せられていた景色も、敵を油断させ、攻撃をしやすいようにする為だった。ブスちゃんもこれを知っていて、罠には気をつけろと言っていたんだな、、、」
「これはただの討伐とは訳が違い過ぎて、今までやって来ていた事が小さ過ぎる。というか今が普通ではないのか!」
フォードは段々とこころ側に染められて行く。
リユウはこころに尋ねる。
「これからどうするの?」
「取り敢えず落ちるか!」
「お前までフォードさんと同じことを……。おい!もしやまた、、、」
――ギャーーーーーーーーーー
「ココロー!生きて帰れる保証はあるのかー?」
「まーかーせーろー」
ユウギは泣き叫び落ちて行き、フォードは冷静にココロに伝えた。
「任せたーーーー」
「リユウ!しっかり捕まっていろよ!」
「うん!」
赤黒く染まっていた景色に地上が見え始める。
こころは、アクデブスラを地面へと叩きつけた時と同様に、次は四人分入る様に、結界から波動を出して地面への衝撃をゼロにする。
風が靡き、髪が勢いよくかき上げられる。
こころ達は人気のない灯りだけの街に降り立った。
「何だここは?ドラゴンが住むと言うより、人間が住んでそうな街じゃないか!」
「ユウギよ!大丈夫か?」
「あぁ、なんとかな。」
フォードはユウギを立たせる。
あたりを見渡すと、空は多少オレンジ混ざりで赤黒く、中世ヨーロッパを匂わす様な、ランタンの街灯が無数に灯され、道は全てレンガで作られており、三階から四階建ての住宅が立ち並んでいる。
こころ達は適当に歩き、狭く長い階段を見つける。
「リユウ!また階段競走だ!」
「うん!やろーう!」
「ケガすんなよー」
ユウギは二人にそう声をかけ、こころとリユウは拳に力を入れ階段を駆け上がって行く。
「ココ姉、、、なんだか不気味だね」
階段を駆け上りまだ住宅地が続いていた。
「そうだなぁ、、、。しかし人気が全くないのは何故だ?家の中の電気は点されたままだし、取り敢えず住人探してみるか……」
――トントン
「すみませーん!だれか居ますかー?」
「すみませーん」
「誰がいませんかー?」
鍵が開いている家もあれば閉まっている家もあり、声をかけても全く反応はない。
――ぐぐぐぅ、、、
「リユウお腹空いたのか?」
「うん……」
少し上唇を尖らせ、こ恥ずかしそうにこころへと返事を返した。
「よし!リユウ!今はこれしかないけど食べよ!」
「ぅお!お芋のオヤツゥ!」
こころはバッグから、焼き芋を入れる様な紙袋を出し、ベーコンが巻かれたお芋のオヤツを詰め混んだ後、リユウに渡した。
頬を赤くし、嬉しそうにリユウは紙袋に手を入れ、一つずつゆっくりと食べる。
「帰ったらいっぱいニク食べような!」
「うん!」
――1日前のデウシスヴロウヘル
……デウシス様、、お呼びですか、、、?
デウシスの目の前に、魔術師きと共に現れのは、デウシスに使える7体の大悪魔の一人、ジエル。
赤髪で、毛先は肩よりも長く、胸のラインまで伸びている。
前髪は抜け感満載の、ウェーブかかった左目隠れの髪型。
性別は女性で、悪魔界からの派遣で、50年程、地球で肉体を持ち過ごしていた経験がある。
「お前に頼みがある……」
デウシスを前にジエルは片膝を着く。
「なんなりと……」
「レアリナ・メティアズは分かるな……。」
「あ、、はい!」
ジエルはレアリナが隠している強大な強さを知っている為、驚いた顔をした。
「その妹、ルーメニタスを捉えてきてくれ」
「あの、、レアリナの妹がルーメニタス!?」
「そうだ!実の妹に当たる。やつを捉えれば、向こうからも何か仕掛けてくるだろう、、、。そうなればレアリナにその事を知らせ、こちらに出向かせる。そうすれば奴らの街はもぬけの空同然、ただの住人だけとなる、、。その間に、非結晶石を探し出す、といった所だ、、、簡単だろ?」
「はい、、しかし!レアリナ自身の相手は誰が?……」
「相手をしなくていい」
その言葉に少し安心するも、ジエル自身デウシスを強く恐れている為、冷や汗が出始める。
「私の城の結界に入ってしまえば、レアリナは無効化状態になり、身動きも取れなくなる……。だから大丈夫だ、、、」
「な、なるほど……」
「ジエル、頼んだぞ!」
「あ、はい!私ジエル!デウシス様からのご命令に感謝し、私を使える使い魔と共に、エゴイディーアに行って参ります!」




