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第二十六話 イグニドラング

第二十六話

 「ジュニア……、安全は保証する。頼んだぞ」

 

 「わかりました!ルメ様!」


 ルメ様は、今日夕方には敵の大群が押し寄せて来る事をジュニアに伝え、くれぐれも住人達が恐れることがないよう計らい、魔界地下にある城の安全な場所へ移動するように声を掛け、誘導するよう命じた。


 ――こころ達はドラゴンの住むイグニドラングに向かおうとしていた。

  

 「おい!ココロよ!本気で行くのか!?」


 「…………???」


 フォードは少しビビる様子で尋ねる。


 「本気だ!それにフォードの武器だって今よりも強化できるんだろ?」


 「まぁ、、、うまく行けばだが、、、」

 

 「行かずに後悔するより行って後悔する方がましだ!その為にはリユウの安全にも最善を尽くす!」


 こころはガッツポーズを見せた。

 ユウギは途中で店に入ってきた為話が理解できてない。


 「あの……、ドラゴンとか聞こえてきたんですけど、、行くってどこへ?……」


 「ドラゴンに会いに行くんだ!ドラゴンが住む洞窟に入って、魔石を取りに行くんだ!それだけ!」


 「いやいやココロさん!無理でしょ!ドラゴンでしょ!?死んじゃうよ!?てか、オレさっき40体も魔物倒してきたばかりなんですけど、、、もう体力が、、、」


 ユウギは腰を低くし、こころへ猛アピールで拒否をする。


 「ユウギが来なかったせいでリユウが、、、」


 こころは、ユウギが不足した事により、リユウがドラゴンにやられてしまってもいいと、思想させた。


 「わかった!わかった!行きます!行きますよ!」


 ユウギの心中と半分声に出る。

 《オレは今日死んでしまうのだろうか、果てはこんなブラックな労働を毎日間も無く繰り返させられ、討伐中疲労死で倒れたオレは、魔物に食われる運命になるのだろうか……》


 「おい!ユウギ、さっきから何ブツブツ言っているんだ!早く行くぞ!」


 「ユウギ、大丈夫?ヨシヨシ……」


 リユウは背伸びをし、少し背を低くしているユウギの頭を撫でる。


 「あらあら、ユウギなんだかお兄さんと言うより弟みたいになっているわね。まぁ現に弟であって弟気質なんでしょうね。逞しい仲間が出来てお姉ちゃんうれしいわ!」


 多少面白がってそう言うエァナは、こころが付いている事で安心しきっている。


 「取り敢えずフォード!折れた斧みせて!」


 「何をするんだ?」


 「まぁ見てて!」


 すると黒い光が斧を持つこころの手から現れた。

 こころはフォードから斧の武器を受け取り、左目のブルーアイズで重心/質量/素材/構成などを分析し、術式無しで頑丈で取り回しが良くなった斧に進化させた。


 「まて!術式無しでこんなことが……」


 フォードは驚く表情を見せる。


 「もうオレは何も驚いていない自分が怖い、、、」


 ユウギはこころに出会って瞬殺され、蘇生させられ、余裕で使い魔と戦う姿や、ギルドでは悪目立ちするようなレベルを見せられ出来た為、強さの感覚が麻痺している。

 というよりユウギはその強大な強さが存在している事を目の当たりにし、自分がそのレベルでもなけりゃ、リユウよりもレベルが低かった事にただただ何を信じて良いものか分からなくなっていた。

 

 「後は、魔石をその斧に合成させれば終了だ!」


 「おー!なんと!」


 するとエァナが職業病で言葉を溢す。


 「フォード!今の斧、価値で言えば、ココちゃんの手間量含めて家三階建ての家三軒分ですよ!それにあの魔石となると、、、」


 フォードはごくりと喉を鳴らす。


 「逆に扱えず魔力が強すぎてフォードでも扱うのには訓練が必要になるかもしれないわ!」


 「まぁボクがもっている、このシュビルナースレイブには及ばないがな!」


 こころはバッグから剣を抜き出した。

 エァナなとフォードはその強大な魔力と聖力にゾッとする。


 「リユウも持ってるよ!はい!」

 一度手を叩き掌を広げていくと剣が光と共に現れた。


 「それは、、、」


 エァナは目を疑う。


 エァナとフォードは、本当に実在していたとは信じ難いと言ったような顔をした。


 「エマーノス!契約してる!レアリナがリユウなら扱えるって、持っていて欲しいってくれた」


 「ま、まさか、、、レアリナ様本人から!神話級の剣が今目の前に、これもおとぎ話ではなかったんだなぁ、、、」


 フォードもユウギと同じように感覚のマヒが起こり始めようとしていた。


 「これでドラゴンの洞窟へ出発だー!」


 こころは剣を上に突き上げると、リユウも同じようにエマーノスを突き上げた。


 「っでどうやっていけば良いんだ?」


 こころはエァナに尋ねた。


 「ココちゃん転移使える?」


 「一度行った場所であれば、、、」


 「なら大丈夫ね、ドラゴンは見たことないけど、洞窟手前までなら私は行ったことがあるから、記憶をココちゃんに移すわね。そうすれば転移可能にできるわ!」


 「おお!よかった!無駄な時間が省ける!」


 「記憶共有(メモーアパルジス)」……


 「完璧だ!エァナ!じゃ!行ってくる!」


 「はい!皆んな気をつけてね!」


――ジュニアさん!これは、、、

 

 ジュニアと浸しい住人が不安そうに尋ねてきた。

 「この国に敵が近づいているみたいなんだ、、、。でもルメ様は安全を保証すると約束してくれている。それに何か策があるみたいなんだ!取り敢えず先に言っていてくれ!皆さん!理由は城の地下にたどり着いたら話します!今は取り敢えず前へ進んでください!」


 「わ、わかった!また後でな!」


 「おう!」


 ――一方こころ達は転移し洞窟の中に入っていく。


 

 「この洞窟、ドラゴンが居るように感じさせない雰囲気だな、、、かなり神秘的だ。それにこれは鍾乳洞ってやつだな!」


 フォードは真っ暗な洞窟を、光の魔石で照らしながらそう言った。

 ユウギはその石を物珍しそうに見つめていた。


 「フォードさんのその石は?」


 「光魔石だ!持っていないのか!?冒険者はには必須アイテムだぞ。これがなきゃ暗い中の討伐は無理だからなぁ!」


 「なるほど、、」


 「だが、必須アイテムだけに値が高い……」


 リユウはこころより少し前に走り出し、鍾乳洞に流れる透き通った川をそっと除く。


 「お魚だー、、、っあ!跳ねた!」


 「リユウ、あまり離れすぎるなよ、、」


 「はーい!」


 こころはリユウを心配し、そこから数十メートル歩くと分かれ道に突き当たる。

 急に止まるこころにフォードは声をかけた。


 「どうした!?」


 「分かれ道だ!……どっちにいけば良いんだ?ん!?何が聞こえる……なんだ?近づいてくるぞ!」


 「なんだこの音は!?」


 分かれ道になっている左側の奥から無数の甲高い鳴き声のようなものが聞こえてくる。

 ユウギは焦り、フォードは勘が働く。


 「……まさか」 


 こころは引きずる顔をしながらフォードに言う。


 「まさかってなんだ!?」

  

 「襲われたら不死の魂をもっていたとしても、直接毒を喰らえば死ぬ、、、。」


 「なんだんだよそれ!」


 リユウはこころの背中から顔を出し、じっと奥を見つめる。


 「おい!こっちにくるぞ!」


 ユウギはもう逃げたくて仕方がない。

 フォードが灯を照らすと、赤い目をした三つ目のコウモリらしき大群が勢いよく飛んできたのが見えた。


 「き、気持ち悪ーーーーー!リユウ!一旦逃げるぞ!」


 「おい!置いていくなよ!なんなんだあれ!」


 「オレは走るのが苦手なんだ!あ、あいつらは猛毒をもつ人食いコウモリだ!」


 走るのが苦手と言っても大柄のフォードは身長も高く、歩幅が広い為、速さはユウギとさほど変わりはない。


 「ココロ!お前あれくらい直ぐに倒せるんじゃないか!?」


 「ユウギ!よく見ろ!あんな気持ち悪い口をしたよくわからん生き物気持ち悪くて戦いたくないわーーーー!!!!」

 

 直径1メートルはあるコウモリで、口の中に口があり、歯は奥向きに剣山の様になっていて、一度口にした獲物は逃れないような構造になっている


 「何とかして逃げ切るぞ!」

 

 こころはそう言いダッシュする。

 急に平行なら道から80度近い坂に差し掛かり滑り落ちた……。


 「おいおいおい!嘘だろ!?」


 ユウギは失神寸前。


 「ぅぉおおおおおおーーーーー」


 こころはジェットコースター気分で、リユウを股に支え楽しそうに滑り落ちていく。


 ウォータースライダーの様に急加速で大きな筒の中を通るように長い坂を滑っていく。

 すると奥からオレンジっぽい光が見えた。

 出口に差し掛かる……。

 出口の先が少しU字かがっており、こころ達は一気に上へと飛び出した。

 ……そしてまた急降下、、、。

 ユウギは完全に気を失った。

 こころ達は地上に見えた広い溜池へ落する。


 ブクブクブクブク……


 数メール沈んだあと、フォードはユウギを抱え水面へと向かう。

 こころとリユウも水面へと向かって泳いだ、

 水面から顔を出すと、そこにはマグマの玉泉洞の様になっており、空洞の天上は10メートル以上高くロケットのような石柱が無数に出来いる。

 マグマの地下帝国の様な景色が広がっていた。


 こころとリユウは犬かきで陸上に上がる。


 「にしても此処(ここ)は……」


 「ココ姉!見て!」


 「ぉお!キレイ……本当にドラゴンなんて居るのか?」

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