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第二十五話 エァナの店


 「冒険者様ですか?」

 店のオーナーが尋ねる。


 「この街を救った冒険者だ!」

こころは手を腰に当てそう言った。


 「まぁ、まぁ、可愛らしい。それなら動きやすい格好の方がいいわね。可愛い子にはより可愛いのを……。《あのピンク髪のお嬢ちゃんどこかで……》」


 オーナーは、冒険者に憧れる冒険者ごっこをしている女の子と思っていたが、妙にこころへ違和感を感じる。

 そして、こころは何となく紙にデザインを描き、オーナーに見せた。


 「今の服の上に、こんな感じの羽織るものを作ってやってほしい!」


 「はい!かしこまりました。それではサイズを測らさせて頂きますね」


 オーナーは髪で片目が隠れており、垂れた目の可愛らしい26才前後の女性。

 服以外にも魔法道具や便利グッズなど、店にはずらりと並んで売られている。

 

 「ココ姉お金持、、、」 


 「大丈夫だ!リユウのは使うわけに行かないしなんとかなる!」


 ――その頃ユウギは、、、。

 

 「はい!魔石です!」


 「こ、こんなに!」


 「あの兄ちゃん一人であんなに取ってきたのか!?」


 エマとウィズと冒険者達はビックリしている。

 疲れきったユウギは討伐した魔物に入っている魔石を袋にたくさん集め、ギルドに持ち帰っていた。

 エマが魔石を査定し、報酬をユウギに渡す。

 一様、まだランクは初級冒険者扱いの為、討伐依頼も制限される。

 ただ散りも積もれば山となり、40体の魔物を討伐してきていた。


 「ご、合計金額400000オウベルガです……どうぞお納めください」


 初級冒険者でギリギリ受けられるかどうか。

 ウィズ は元々ユウギのレベルを知っていた為、許可が降りたのだ。

 中級冒険者でも受けることのあるレベルの依頼で、一体の魔物に対し10000アルベルガの価値のある魔石を持つ。

 中級冒険者でも倒せて三〜六体程で体力に限界が来る。

 あの上級冒険者であるフォードも一度に10体は倒せない。


 ――「ぉお!!リユウ可愛いじゃないか!よく似合ってる!」


 リユウは身体を一周回りアクセサリーが浮き、スカートが広がる。

 オーダーメイドした服はフード付きの赤茶色いポンチョで、胸元は左右ベルトで止められるようになっており、耳が出せる様に穴が開いていて、左耳の穴の淵にはピアスみたいにアクセサリーが垂れ下がっている。


 「とてもお似合いです!そう言えばまだ聞いていませんでした。お二人の名前は?」


 「ボクはココロ!」


 「リユウです……」


 「ここちゃんとリユウちゃんね、、、私はエァナ・アウトレイです。これから宜しくね」


 オーナーはそう言うとココロを呼んだ。


 「ココちゃん、ちょっと、、」


 ココロは首を傾げエァナに近づいた。


 「あなた、転生者ね。後ユウギを宜しくね」


 こころはそう耳打ちされ、一瞬驚いたが直ぐに理解した。


 「なるほど、エァナはレアリナの記憶があるんだね。薄々と気づいてはいたが、、、互いに魔力が強いと隠しきれないもんだな……」


 「そうね」


 「まぁ任せてくれ!エァナ!所でいくら払えばいい?」


 ガタン!!


 「なんだ!?」

 「ヒィ!!……」

 

 こころとリユウが驚く。


 急に店に入ってきた大柄の男がエァナに向かっていく。


 「エァナ!斧の持ち手が折れちまった!ヒール効果のある魔石と合成させてくれないか!?」


 「フォードじゃねーか!」

 

 こころは男に声をかけた。


 「ぉお!ココロ!久しぶりだなぁ!無事戻ってきていたのか!その可愛い獣人は?」


 「リユウて言って、レアリナ城に向かう途中で保護したんだ!」


 こころはフォードにレアリナに会うまでのことをエァナの前で話し出した。


 「そうか、、、あれはやはり本当だったんだな!……オレは信じていたんだ!レアリナ様は存在すると!」


 フォードがレアリナ城を目視できたのは、ルメ様が魔界からレアリナ城を訪れた際、その当時より強い結界を張る協力として、最初に張っていた結界を消した瞬間だった。

 

 「っでそのユウギと言う剣士の実の姉さんがエァナってことだ!」



 「レアリナ城を守る剣士のお姉さんだったのか!それにレアリナ城と関わりある人がこんな近くに居たなんて、、、」


 フォードは頭を抱え驚いていた。


 「こんな機会がないと中々言えるこじゃないからね、、フォード!くれぐれも漏らさないようにお願いしますね」


 「そりゃ!もちろん!」


 「ここでボクと出会ってからのフォードの記憶けしてあげよっか?」


 ココロはニヤついた顔をする。


 「おい!ココロよ!勘弁してくれよー」


 皆んなが笑い合う。


 

 「ココちゃんたら、、、面白い子ね。っあそうそう、その斧に魔石と合成させるにしても、滅多に出回る魔石ではなくて貴重なのよ。今は元に戻す事しか出来ないわ」

 

 「だよな、、、あんな効果な魔石に見合った金を持ってるわけじゃないしな、、、」


 「自分達で取りに行けばタダじゃないか!その魔石ってどこに行けば手に入る?」


 「おい!何を!!」


 フォードは突然のココロの発言に驚いた。


 こころはエァナに問う。


 「ドラゴンが住む洞窟、イグニドラング。ここから北西に山を越えた先にある地よ。ドラゴンはこちらが攻撃しない限り大人しいのですが、警戒心が強く近寄れば敵と見做し攻撃を仕掛けてくるかもしれません。もしそうなれば上級冒険者でも立ち向かえないでしょう、、、」


 「いこう!」

 「リユウも行きたい!ドラゴン見たい!」


 「気は確かかよ!命知らずのお嬢ちゃんたちだ!」


 「大丈夫だ!この前の使い魔達もボッコボコにしてやったからな!」


 「使い魔!?」

 

 フォードは記憶を消されている為知らないが、エァナは記憶が残っていた。


 「やっぱりあの時の、、、」


 エァナはこの店の前でこころが女の子を使い魔から助けた様子を見ていた。

 エァナはレアリナの元使いの上位魔術を持つ戦士で、エァナの希望でこのインキュバで店を出しごく普通の住人として生きていくことを選んだ。

 なので髭を生やしたフォードよりも遥かに歳上である。


 「ココちゃんなら大丈夫そうね、、、あ、あとお使い頼んでいいかしたら?」


 「こりゃ止められんな……」


フォードはもう諦めるように身の安全を願うしかない様子だ。


 「なんだ?」


 「魔石を店で売る分も取ってきて欲しいなーって、そしたらリユウちゃんのポンチョタダでいいわ!それと、それなりの金額も支払うわよ」


 恥ずかしそうにエァナがこころに頼む。


 「お!本当か!ありがと!」


 「ここちゃんは頼もしいわね」


 「ココ姉なら絶対大丈夫!」


 ――ガタン!!


 「おい!やっと見つけたぞ!!」


 討伐から戻った髪の乱れたユウギがこころ達を見つけた。


 「って、、、リユウちゃん!なんだ!その可愛らしい姿は!」


 ユウギはリユウの頬と自分の頬をすりすりする。


 「ユウギくしゃい……」


 「………………」


 「嫌われた!?オレ、リユウちゃんに嫌われた!?お嫁に行けませーーーーん!」


 「お前男だろ、、、」


 こころがユウギに冷たく言う。

 ユウギはエァナが姉とはまだ気づいていない。

 

 「アンタがユウギという剣士さんか!?」

 

 「ああ、そうだか、、、なぜ?」

 

 「そこにいるココロが転生してきたすぐに道案内をした者さ!」


 「そうなんですか、、、」


 ユウギは疲れきっていた。


 「ユウギ、、、」

 エァナが呼ぶ。


 「え!?なぜオレの名を?」


 「覚えていないのも無理ないわ。一緒に過ごしたのはたった4年ほどでしたものね」


 「ね、姉さんなのか!?あのエァナ姉さんなのか!?」


 「ユウギ、私を覚えて、、、」


 「当たり前じゃないか!!姉さんがいた事はちゃんと覚えているよ!姉さん昔は髪をおろしていなかったし、目も今よりきつかったから気づかなかったよ!でもなぜ、あの頃はまだ幼かったのに、姉さんがオレだってわかったんだ!?」


 「そりゃ姉弟愛ってやつね!」


 「ぅわーユウギ、お姉さんに気づけない何て、、、」


 「まだ幼かったんだ!仕方がない!」


 「ボクは気づいていたぞ、、、」


 「ココちゃんは賢いですね!」


 「………………」


 ……ユウギ?

 エァナが首を傾げる。


 「そんなのチートじゃねーかーーーー」


ユウギはリユウ甘えるようにしがみ付き叫んだ。


 「っという事で!行くか!ドラゴンが住む……」


 「イグニドラング……」


リユウが言う。


 「そう!その!イ、※▼♂ニュ$インギャンヌな!」


 「ユウギ!フォード!リユウ!行くぞ!」


 「おー!」


 リユウとこころだけが掛け声と拳を上げた。

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