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第二十話 アイエリアとギルド


 「おーーー。転生してきた時は殆ど眺める余裕なんてなったからなー。こんな街があったとは」


 「オレもこの街にくるのは剣士の試験から十年ぶりくらいだなー。すっかりこの前の争いの記憶は消えてるみたいだな……」


 レアリナが街を元に戻すと同時に住人達から争いの記憶を消しさっていた。


 「剣士の試験?」

 こころが聞く。


 「まぁガキの頃の話さ……」


 「ふーん、、」


 ユウギはそう言うとこころは多少気にしたくらいで深く聞くことはしなかった。

 街並みは明るく賑わっている。

 左右には出店がずらりと立ち並び、食べ物は勿論、家具や薬草や回復薬のポーションなども売られている。


 リユウの前を煙が通る。

 「いい匂いがする……」


 「お嬢ちゃんとそこの剣士さんよ!」


 出店で肉を焼いている店主に声をかけられる。

 三人が呼びかけに振り向くと、炭火している燻製(くんせい)の骨つきスモークが目に入る。

 こころの目はギラギラ輝き出した。


 「ニク!ニクー!ニクーーーー」


 屋台に向かって飛び出そうとしたこころをユウギが掴んだ。


 「まてまて!そんな勢いで飛び付いたら店ごと吹っ飛ぶぞ、、、」


 「いい匂いはあの店からだったんだ……」


 リユウは鼻を上げる様に匂いを嗅いだ。


 「どうだ!美味そうだろ!あんたら見慣れない顔だったからよ!一度食べてみてほしくてな!」


 ユウギはこころを片手で掴んだまま店主に声をかける。


 「あー、せっかく声をかけて頂いたのは有難いが今手持ちがなくて、、、」


 こころは肉に目をぎらつかせ、ヨダレが垂れ流しになる。


 「そーなのか!冒険者か!?」


 「そんな所だ……」


 「ガーハッハッハッハ!なら食ってけ!そんな感じじゃ、最近始めたばかりだろう!魔物狩りで稼ぐったって最初の内は皆んなそんなもんさ!」


 「リユウお金出す!」


 「それはパパから預かってる……」


 ユウギがそう言いかけた所に店主が間に口を挟む。


 「いいんだ!金はいらねーよ!ウチの自慢の肉を食って力つけて魔物狩りで稼いでまた来てくれよな!」


 「いや、そんな……」

 ユウギは遠慮を見せる。


 「ただで食べれるんだからいいだろ!?食べたい!食べたい!食べたい!」


 こころは愚づり手足をバタバタさせる。


 「グアッハッハ!そんなに食いたいのか!嬉しいねぇ!ほら!三人分だ!」


 リユウは手持ち部分をリボン付きにしてもらい両手で受け取った。


 こころは店主にそのまま咥えさせてもらった。


 「す、すみません……こんど必ず買いに来ます!」


 ユウギはお礼をいい、リユウもお辞儀する。


 「お肉のおじちゃん、ありがとー」


 「良いってことよ!じゃぁな!」


 店主は万円の笑みでリユウに答えた。


 三人は歩きながら肉を頬張る


 「上手いなこの肉!」


 「おいひぃ……」


 リユウはもぐもぐさせながらニコリと言う。


 「$&○%$■☆△♭*!」


 「ゆっくり食べろよ……。こころ!何言ってんだ!?口に含ませながら適当に喋るな」


 「タ¥○%$■☆ナ$☆♭#ジ▲!ユ※ダオ」


 「おいおい!ってこぼしてんぞ!……おい!汚い!拾って食うな!!」


 こころは下界で犬だった為、地面に落ちようが食べる癖がついていた。


 「てかさっきなんて言ったんだ?」


 「タ¥○%$■☆ナ$☆♭#ジ▲!ユ※ダオ」


 「食べ方なんて自由だろ、だと思う、、、」


 リユウはそう言い、こころは骨まで(かじ)りごくりと飲み込んだ後喋り出す。


 「そうだ!食べ方なんて自由だ!」

 

 「骨まで食うのかよ、、、」


 ユウギはリユウに感心した。


 「リユウちゃんよくわかったなぁ……」


 リユウはニコリと照れる。


 「にしても魔物狩りってなんだ!?狩って食べるのか?肉なのか!?」


 ユウギはこころに今の状況を教える。


 「今この現状では駆け出し冒険者ってやつだ!だからまずはギルドって所に行って住民登録とパーティーの登録書を作成して、、、えーっとまぁ行けばわかる!そこで仕事を紹介してもらって金を稼ぐんだよ」

 

 「えー仕事ー、したくない、、、。下界にいた頃はずっとニートしてたんだから」


 こころはめんどくさそうな顔をして肩を下ろしながら歩く。


 「お前魔王倒すとか言って張り切ってたじゃないか!」


 「お金を稼ぐのと戦うのは別だ!」


 「はい、そうですか……。とりあえずギルドに向かうぞ!」


 「ギリュド。ギリュド。」

 リユウは嬉しそうにする。


 目の前に大きな建物が見えた。


 「ここがそうだな!よし!入るか!」


 ユウギはそう言い、こころ達三人はギルド玄関前の階段を上がる。

 三段階段を上がると両開き扉がある。

 ギルド内は、天井に高級そうなシーリングファンが無数あり、正面には案内所(インフォメーション)

 こころとリユウはまたいい匂いに惹かれる。


 「またいい匂い!」

 「ココ姉の好きなお肉の匂い……」


 「とりあえず今の目的を果たすぞ!」

 「はーい!」

 「はーい」

 こころとリユウは手をあげる。

 ユウギは案内所で目的を話す。


 「あの住民登録とパーティーの登録をしにきました」


 「わかりました。では順番にお子様とお父様にこちらのディスプレイに手を触れてもらいますのでお願いします」


 可愛らしい受付嬢二人に頬を赤くするユウギ。


 「い、いえ!家族ではなくて、友人みたいなもので……」


 「それは失礼しました。見た感じ家族に見えましたのでつい、、、」

 

 「ユウギがお兄ちゃんでココ姉はお姉ちゃん!」

 リユウは嬉しそうに小さな声で呟いた。


 受付嬢エマ(新人)

 受付嬢ウィズ (受付のチーフ)


 最初にユウギが空中に浮いたディスプレイに手を触れ、次はリユウの前にディスプレイが降りてきた。

 片手でいいのだがリユウは両手を当てる。

 最後にこころが手を当てた。

 ディスプレイは元の位置へ戻りエマが操作を始める。

 するとこころ達三人の出身地や情報が出てきた。

 

「剣士様なのですね!最近はただ強く見せている格好だけで来る方もおられますのでビックリしました。剣士の証が何よりの証拠です。レベルも素晴らしいです!お強いのですね。」


 旧インキュバでは平和が続いていた為、ユウギは何年も街には足を入れていなかった。

 街の住人はレアリナがいるアルウェルクをおとぎ話の様に思っている為、ここでは剣士は上位の存在となる。


 「なに!?あいつ剣士なのか!?」

 「マジかよ!」

 「つえーんだろうなー、、、」

 

 周りがざわつく。

 そもそも剣士の証を手にするには年に二回、旧インキュバで行われる試験に合格しなければならない。

 ユウギは親から離れレアリナの元で育ち英才教育でアルウェルクで育っている為、剣士の証を手に入れたのは十四歳の頃だ。

 通常は十八〜三十歳が受ける対象として多く、80人中1人合格者が出るか出ないかの厳しい試験である。実はレアリナが遠い昔に万が一の事を思い作り出した試験である。

 

 《情報》


 Name【ユウギ・アルトレイ】

 出身地:インキュバシタンボルグ

 年齢 :24才

 性別 :♂

 種族 :人間/剣士の証公認済み

 Lv :300

 HP :620/MP:570

 攻撃力:765/防御力590


 「次はリユウさんね……。え!?嘘!あの、これ壊れていないですよね?」


 エマは隣にいるもう一人の受付嬢ウィズ に聞く。

 ウィズ は魔法使いであり少々エネルギーを消費するが適正を正確に自ら調べることができる。


 「リユウさん、両手をこちらに……。」


 適正を始めるとウィズ の手から紫色をした光がリユウに伝っていき、また光はウィズへ帰っていく。


 「間違いなく正確な数字ね。とても強いのですね。戦いの経験は?」


 「ないけど、ユニコーンの(つるぎ)と契約してる……」


 リユウはそう言い剣を見せた。


「なんと、神話級の剣、、、エマーノス……。信じられないですが確かに強大な魔力と聖力を感じます。この剣と契約できる者は限られています。生きている間に見ることができるなんて……」


 「リユウ強いの?」


 リユウは自分でそう聞いた。


 「強いと言うレベルを超えています……」


 剣と契約してからリユウのレベルはまだ幼くして上級冒険者のレベルを軽く超えていた。


 Name【リユウ・ウェアル】

 出身地:インキュバシタンボルグ

 年齢 :7才

 性別 :♀

 種族 :獣人(犬)

 Lv :680

 HP :1000

 攻撃力:2860/防御力:1780

 素早さ:101

 剣の聖力 :18000/剣の魔力20000

 魔法力:658


 「では次、ココロさん」

 「っはーい!」

 エマとウィズ が二人でディスプレイを覗く。


 「……………………」


 二人は放心状態になった……。


 Name【ココロ】

 下界 :エンドウ ココロ

 性別 :♀

 出身地:地球《556才》止まり。

 種族 :人間/元犬

 Lv :8516

 HP :29514/MP:20059

 攻撃力:37564/防御力:19174

 魔力 :29294/聖力 :20218

 素早さ:50000

 魔法力:特定不能

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