第十四話 城の中へ
ディスメンタルを使いながら、ユウギ→リユウ→こころの順で手を繋ぎ門の結界を抜ける。
すると大きな庭にやいろんな動物や獣人の形をしたトピアリーが置かれており、噴水やベンチ、それに上から見上げれば庭全体にレアリナ城のシンボルの形に水が流れている大庭園になっている。
レアリナ城のシンボルは、左右に翼の生えた雪の結晶型の盾に上から中心に向けて剣が入っている形をしている。
「キレイ……」
リユウが目をキラキラさせる。
「天国よりもキレイじゃないか!センスあるな!メティス意外の上位神は昔くさいのばかりだからなぁ!お茶の葉が立ってるだけで喜んでいる連中ばかりだぞ!アハハハハ!」
ユウギ「罰あたんぞ……」
こころ「ところでユウギ!入口はまだ先なのか?」
ユウギ「いや、城には入口はない!」
こころ「え!?じゃどやって入んの!?」
ユウギ「八階まで飛ぶ!」
こころ「おいおい!気は確かかよ!どんな作りしてんだよ……。」
ユウギ「ココロ!俺を殺した時と同じように、二人を掴んであの突き出ているバルコニーがある八階まで吹っ飛んでくれ!」
ユウギは冷や汗をかきながら少し不安げそうな顔をしていた。
こころが問いかける。
「おいユウギ顔がやばいぞ……」
リユウが心配そうにユウギの顔を除く。
「ユウギ大丈夫?」
ユウギは誤魔化しきれていなかった。
「お、おーぅ、心配ないさ!なんせレアリナ様に使える剣士だからな!」
「見たこともないレアリナによくそこまで……。健気だな」
「俺は真面目だからな!」
「まぁいいや……。リユウは片手で抱き抱えるから、ユウギは俺の身体に捕まれ!」
「ここでいいか?」
ユウギはこころに捕まり心中思う。
「女の子の身体ってこんな感じなんだ……」
こころは相手が触れている事で心の中を聴くことができる。
「おい!貴様!今余計なこと考えたろ!このまま宇宙の果てにまでもぶっ飛ばすぞ……」
「いえ!何も考えていません!ココロ様!それではよろっ……しぃーーーくーーー!」
ユウギがまだ言いかけの所でこころは
飛んだ。
すごい風を切る音と共にジェット機の翼からよくみる飛行機雲が出来る。
「っおーっと!行き過ぎた……」
こころは城の高さの2倍飛んでしまった。
庭の大庭園全体を眺めたリユウは頬を赤くし目を見開き驚いていた。
「ひぃやーーーーー!死ぬーーー!」
ユウギは悲鳴をあげる。
遊園地にあるスペースショットの様に急降下する際の無重力状態。
リユウは初めての感覚に興奮していた。
八階バルコニーに着陸し一旦三人が離れる。
ユウギの顔は四つん這い状態で青ざめていた。
リユウはユウギに気遣って芋のオヤツを出して声をかける。
「これ食べる?」
「ごめん、、、今は死ぬ……」
リユウの気遣いに優しく応えるユウギ。
こころが八階バルコニーから部屋への扉の前へ立つ。
ユウギはまだ四つん這い状態で、大事なところを押さえ出した。
こころ「よし!いくか!」
ユウギ「ココロ……」
こころ「ん?」
ユウギ「もら、、、」
こころ「それ以上言うな!!!」
扉を開け結界を潜る。
八階は一つ部屋になっていて学校の体育館約5個分の3700畳の広さ。
その部屋は密に結界で覆われており、ディメンタルスを持っていたとしても、入るのには少しエネルギーを消耗させられ、体重は重く感じ頭痛が生じたりする。
部屋に入り切ったところでエネルギーは回復し症状も治る。
辺りを見渡すと何種類もの魔法陣が浮遊していた
。
「この階に入ればもうディメンタルスは必要ないから手を離せるぞ」
「おー!やっと自由の身か!」
こころは喜び歩き回る。
「別に捉えてないです……」
ユウギがそう言うと、こころとリユウは壁や天井に描かれている神秘な景色や天使の絵を歩き見渡して行く。
「この八階の中心部に九階扉への《転移時空管》があるからそこに取り敢えず進もう」
《転移時空間》
エレベーターの様に行き先は決める事はできず、元々定められた場所に移動するカプセルの様な筒状になったマシーンみたいなもの。
ユウギを先頭に進んでいく。
リユウがこころに声をかけた。
「ココ姉!魔法陣回せるよ!」
リユウは魔法陣に手を触れ上から下へと掌で振り下ろした。
すると八階全ての魔法陣がリユウの回した魔法陣から連鎖して回り始める。
「何をした!?」
ユウギが言う。
こころが魔法陣を見渡すと、下界でこころが生まれた瞬間から16年間分の映像が何個もの魔法陣内から映し出され始めた。
こころは感動した顔で過去を思い出しながら見渡していく。
ユウギやリユウにも自分の生まれた時から今に至るまでの映像が魔法陣から見える。
「みて!リユウ!この人がボクのお母さんだよ!それに、ケンくんとサキちゃん!」
こころは張り切って言った。
「リユウはパパとママが見えてる……」
リユウがそう答えると三人は理解をした。
「この魔法陣から見えているのは自分の過去ってことか……」
こころは見渡しながらそう言った。
みんなが同じ映像が見えているわけではなく、他者の過去は見えていない。
「オレ、親に女物の服着させられてる……」
「お前あっち系だったのか?」
こころが左の頬に右手の甲を近づける仕草をしながらユウギに言う。
「違うわ!物心ついとらん幼児期が女の子みたいだっただけだ!」
「アハハハハ!」
こころが笑う。
「人の過去でからかうな!」
そして、3人が出会う所でまでの映像が流れ、だんだん薄くなっていき魔法陣の回転はゆっくりと収まった。
三人は過去を懐かしんだ後、八階の中心部に向かう。
「めちゃくちゃ広いな……。何の為にこの部屋を作ったんだ?」
こころが気にしていた。
するとユウギが語り出す。
「この部屋は強度な結界のエネルギーを溜めているんだ。ディメンタルスでも入るのにギリギリだ。レアリナ様や他の剣士や魔術師が闘いに破れたとしてもこの八階の結界エネルギーが保っている限りは無人で攻撃を城全体から放ち続けることが出来るらしい……多分な……」
「そう言えばレアリナって、、、」
「様をつけろ!様を!」
「あぁ。っで、レアリナってのはめっちゃ強いのでか?」
「はぁ、もういい…」
「っあ!諦めた……」
「お前が言うことを聞かないからだろ!つか強いてもんじゃない!神の域を超えている神なんだ!」
「じゃぁまんまじゃねーか!強い神とか適当に言っとけ!神など手が及ばん!だとかなんか言い方あるだろ?」
「それじゃぁ神を侮辱してることになるだろうが!」
「真面目だなーぁ。じゃ、これが神としよう!」
「ほー。なかなか上手いな……」
ユウギが褒める。
「リユウも描きたい」
こころは魔法のバッグから紙とペンを出し、そこにまぁまぁリアルに神様を描いた。
そしてリユウにも紙とペンを渡す。
こころは右の掌を紙に向け魔法を放つ。
「……フォール!」
すると紙に描いた神様の顔が身体を残し燃え焼けてしまった。
「おい!なにやってんだ!」
ユウギが焦る。
「これくらいの気持ちはないとレアリナに評価して貰えることなんてないかもよ?……」
「んなわけあり得るか!」
リユウも何かが描けた。
「見てー」
リユウは最初から首がない神様を描いた。
「おい!おい!おい!リユウちゃん!どこでそんな見たこともない絵を学んだんだ!?」
「おーリユウ!なかなかのセンスだぞ!」
「この二人は悪魔か……」
「リユウお絵かき好き!」
そんなやり取りをしながら八階の中心部、転移次元空管にたどり着く。
こころ達は一人ずつその次元空管に入って行く。
身体全体に光が絡みつく様にこころ達を覆う。
転移が始まると上下裂ける様にして光は引っ張られ消えていった。
先にユウギ→リユウ→こころの順に9階へつく。




