表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/3

2.悪役令嬢転生したわたくしの、シナリオなんて始まらなかった話。

ただただ主人公が喋るだけなものを書きがち。

皆様ごきげんよう。わたくしベイリー公爵家長女、クリスティナと申します。

わたくしが王太子殿下の婚約者になって早8年、今日は学園の入学式でございます。

わたくしの王妃教育も順調に進んでおります。ええ。それはもう血反吐を吐きそうなほどに順調ですとも。前世の経験が一切役に立たないまるきり一からの王妃教育、その間に無理矢理時間を作って指導していただいた魔法、流石に剣は許してもらえませんでしたが、下手な中級魔道士よりはよっぽど強くなりました。肉体的にも精神的にも。。。真面目に死ぬかと思うこともありましたが、これまで努力しておかげで外に出ても一人で自衛はできるでしょう。

後は家事ですねぇ。まあ、この世界ご都合主義というか何というか、最低限のものは‘日本’にいるときとそう変わらないので何とかなると思っております。




そうそう、王太子殿下含め攻略対象の方々のお名前が判明いたしましたのよ。王太子殿下のお名前はアーサー・ホワード様。お兄様はアーロン・ベイリー、騎士団長ご子息様はチャールズ・テイラー様、学園一の秀才はまだ確証があるわけではありませんが、恐らくデューク・キャンベル様でしょう。そしてヒロインさんのお名前ですが、ちょうど1年ほど前からフローレス伯爵にはセレナという隠し子がおり、最近になって見つけ出し、引き取ったという噂が立ったのです。そして容姿がとても美しく、ピンクブロンドの髪をしているそうなので、恐らくこの方で確定でしょう。ピンクブロンドはこの国では珍しいですし、何よりヒロインのカラーリングですしね。性格など知りたかったのですが、流石に会ったことも無い先ほどまで興味も無かった様な伯爵の娘のことを知りたい、などと言っても怪しまれるだけなので、我慢しました。




そして殿下とわたくしの関係ですが、それほど悪くはありません。初めてお目にかかったときから腹黒さんになりそうな気はありましたが、今や立派な腹黒さんでございます。頭が恐ろしく切れる方なので、わたくしはいつも、シナリオについて考えるときは頭の中が顔に出ていないかヒヤヒヤなのでございます。勉強などわからないところがあれば教わることがある程度には関係は良好ですわ。


お兄様は残念ながらわたくしの勘違いでは無く、シスコンでした。可愛がって下さいます。嬉しいのですが正直やり過ぎでは、、と思うこともあります。なにせ人目を憚らない。とても恥ずかしいのです。少し自重をお願いしたいです。


後お二方ですが、お話させていただいたことはありますが、正直内面を見定められるほどの回数お会いしておりませんので、何とも言えませんわね。まあ、優秀だということは聞こえておりますので現時点では大丈夫だろうと踏んでおります。



冒頭でもお話しましたが、今日は学園の入学式。待望?のヒロインさんとのご対面です。さあ、どんな方でしょうか?

同じクラスのようでしたし、観察しやすいのは助かりますわね。





※※※※※※※






入学してから3ヶ月が経ちました。


誰か何とかして下さい。 いや、わたくしがしなければいけないのかも知れませんが、アレと関わりたくありません。


なんていうかひどい。もうひどいとしか言いようがない。

一週間もしたら、アレ(ヒロインという言葉に対して失礼になるのでもう最近は「アレ」で済ませています)の性格が見えてきました。とにかくすごかった。

形容するのが難しいですが、ぶりっ子、と申しましょうか、いやあれはもう“ビッチ”といっても過言では無いと思います。とにかく自分の容姿に自信がおありなようで。

声をかけるのは爵位関係なく見目の良い方。婚約者がいらっしゃってもお構いなし。

初日はまだ大人しくしてらっしゃったので気づきませんでしたが、入学して3日目あたりから片鱗が出てきてましたわね。ロックオンして殿方にすり寄ってベタベタベタベタと。そんなに全女生徒を敵に回したいのでしょうか。



一応わたくしだって注意いたしましたのよ。殿方にみだりに触れてはなりません。と。ですが、「あたしがかわいいからって嫉妬してるんでしょ!!」などと言われましてはね…………。

そもそも論点が違いますし。どういう頭してるんでしょうね。自信過剰というものです。




まあアレは男性にも疎まれていましたけれども。




最初はクラス内だけでしたが、皆様まともな方々でしたので逃げ回っておられました。

するとアレは懲りずに別のクラスの殿方にも手を出そうとしておられました。もちろん、殿下にも。

しかしクラス内でこれだけやらかしているのですから、他クラスに話が聞こえていないわけが無く、殿下含め攻略対象の方々も、ほぼ全生徒の方が相手にしておりませんでした。




お気づきになりましたか。そう、‘ほぼ’なのです。

どこの世界にも馬鹿はいるものですね。上級生が3名ほどアレに引っかかってしまいましてね?

その3名がまたすごい方々で……

わたくしが学園入学前に噂になっておりましたが、男爵家の方2人と子爵家の方なのですけれども、平民の女性に乱暴したとかで謹慎処分になっておられたはずです。そのまま退学にでもなってしまえばよろしかったのに。

そんな訳で学園中がアレに引っかき回されその噂で持ちきりでした。まあ問題になっていた3名と固まってくれたおかげで動向は見やすくなりましたが良かった点はそれだけですわね。

しかし何を思ったか、アレは殿下を諦めなかったのです。そのまま下半身が緩い者どもとよろしくやっていればよろしいのに。本当に愚かですわね。



そのまま放置するというのは最初から論外なのですが、流石に殿下に手を出そうとするのを黙って傍観しているわけには参りません。仮にも未来の夫婦ですしね。殿下も鬱陶しがっておられますし、対策をとる必要があります。まあ要するにざまぁですわね。実は明日がざまぁもとい断罪決行日。

はあぁぁぁぁぁぁ。めんどくさいぃぃぃぃ。関わりたくなぁぁぁぁい!!!

…………………………。


よし!


寝よう。





※※※※※※※





今日は朝から全校生徒を集めます。そう。朝から断罪です。教師の皆様の協力も得ているそうです。皆様アレをどうにかしたいのです。ベッドから出たくありませんでした。気が重い。

アレのなにを断罪するのかですが、言ってしまいますと学園内の素行すべてですわね。アレにちょっかいをかけられた方のご実家からも学校に苦情が入っているそうです。まあわたくしからしたら学校職員の方で何とかして欲しかったのですが、不幸にもここには殿下とその婚約者のわたくしがいます。自分で何とかしろってことですねわかりたくないですがわかります。

それで今までの行いでも謹慎処分くらいにはなったのですが、どうせならすべてきれいにしてしまった方が良いだろう、ということで証拠を‘作ろう’としていたところ、やらかして下さったのでございます。


アレが件の‘3名とも’と、関係を持ったことが判明いたしました。

ちなみに調査方法は企業秘密ですわ。


動かぬ証拠として、映像記録を魔道具にて記録しております。いろいろとやることが省けて助かりました。

というか本当にすごいですわね。殿下を狙っておきながらほかの方と関係を結ぶとは。



さて、もうすぐ断罪の時間です。生徒の皆様はもう講堂に集まり終えている頃でしょう。

わたくしも準備をしなくては。心の。


ここまで来たんですもの!




派手にやってやりますわ!!




ヒロインまだ転生者かわかりませんでした……。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ