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第6話 神殿

第2章に切り替わりました。

2章からも引き続き楽しんで頂けると嬉しいです。

それでは最後までお楽しみください。

 


 初めて元クラスメイト達と顔を合わせてから、6年の月日が流れた。




 この6年間、俺たちはこの世界の常識や簡単な作法、国のことなど勉強していた。



 基礎的な体力づくりなども交えながら。



「とうとうこの日が来たみたいだな」



 瀬戸裕也改めロークが空を、そして目の前に悠然と佇む純白の建造物を仰いでそう呟いた。



 この世界の仕組みでは、サーナスに住む全ての知性種族にステータスという己の基礎能力を数値化したシステムを与えられる。



 これは創造神が世界を安定して統治するための手段と伝えられている。



 さらに、ステータスの他にその者の適正に見合った『天職』が与えられる。



 天職は、生きる術として、そしてその職業もしくは派生職の効率化のためのあらゆるスキルや補正を付与する。



 例えば騎士などであれば、剣術スキルや身体能力の補正などがつく。



 一般に7大職業と言われているのが『村人』『商人』『魔術師』『騎士』『戦士』『賢者』『勇者』



 その他に『王』や『聖者』など限られた者にしか与えられない職業もある。



 職業は無数にあると言われているが、基本的にバランスが一定に保たれている。



 特に『賢者』『勇者』に関しては数は常に同じに揃えられている。


 さらにこの世界には、勇者は10人、賢者は100人と、数が常に一定に決まっている。





 そして人間は11の誕生日を迎えたものが、決まった日に聖者のもとへ赴き、天職付与を行われる。



 この歳になるまでは天職を与えられないのだ。



 そして、元2年3組は全員が11になったところで、天職付与の日を迎えたのだ。



「ここが神殿かぁ。 なんて、大きな建物なんだ」


 俺はその大きな建造物に圧倒され、口がぽかんと開く。



 まるで教会のような見た目だ。



「よくぞいらっしゃいました。 さあこちらへ」



 神殿から1人の神父が出てくる。



 温厚な顔を持つ彼は長い白髭を伸ばし、年季の入ったしぐさはいかにも聖者らしい。



 2年3組の一行はぞろぞろと案内されるままに中に入っていった。




 赤い絨毯の敷かれた廊下を神父を先頭にして大所帯で歩く。



「あのー、俺たちの他にはだれもいないんですか?」



 神父のすぐ後ろを歩いていた佐藤が尋ねた。



 佐藤とはクラスメイトの男子で、今はメルクと呼ばれている。



「ええ、今年は君たちの村以外では子供が産まれなかったそうです」



 神父は髭をさすりながら少し悲しそうな声音でそう言った。



「ここらへんの集落にはなかなか人が集まらんでなぁ、ほとんどが王都周辺に移住してしまう」



「そうなんですか」



 メルクはつられるように静かな声音で頷いた。



「まぁそれはともあれ、今年はこんなに来てくれたんだ。 わしも久しぶりの大仕事でウキウキしておるのだよ」



 この静かな雰囲気を和ませようと神父は緩やかな笑みを浮かべて佐藤たちに笑いかけた。



「さあ、つきました。 ここで天職の付与を行います」



 神父が案内した場所には大きな結晶があった。





今回も最後まで読んでいただいてありがとうございます。

ついに第2章が開幕し、話もここから大きく展開していきます。

次話も楽しみにしていてくださいね。


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