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クラス転生譚 〜最弱無職の成り上がり〜  作者: 美夜尾maru
第10章 〜望まぬ再会〜
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第108話 望まぬ再会②

およそ2ヶ月ぶりの更新になります。

更新停止していて本当に申し訳ありません。


現在も試験勉強により、一応更新停止期間中なのですが、少しだけ時間に余裕ができたので、今回更新させて頂きました。


少し短くなってしまっていますが、最後まで読んでいただければ幸いです。


かなり時間が経ってしまっているので、暇がある方は是非、初めから読み直して頂けると嬉しいです。

 



 その時、俺の左肩にちょんと叩かれた感触があった。


 ラフィーの頭から手を離し、感触のあった方に振り向くと、エルフィアが心配そうに俺とラフィーの顔を覗き込んできていた。


 その様子を見るに、どうやら先程の念話は俺とラフィーの間だけのものだったようだ。




『2人ともすごい怖い顔してたけど、何か、あったの……?』

『あ、ああいや……』



 エルフィアの不安気な表情を見てようやく気づいたが、俺の顔は、自分が思っていた以上に強ばっていたようだ。



 俺はすぐにでも、エルフィアの心配を拭ってやりたいと思ったが、とっさに俺の中に生まれた躊躇が次の言葉を詰まらせた。


 まるで「まて」と、自分に言われているような気分がした。



 しかし、その逡巡の正体にはすぐに気づいた。



 晴人、それに元クラスメイトとの因縁。


 レイアースの地下でエルフィアにもちらりと語り零してしまってはいるが、果たして俺にそれを言う権利はあるのだろうか。



 俺が彼らとの間に抱える鬱憤を話せば、エルフィアはきっと俺の味方をしてくれるだろう。


 もちろん、それが俺の思い上がりだということは重々承知している。


 しかし、もしそうなれば、それは彼女に俺の身勝手な思いを押し付けてしまうことにほかならない。



 結局は俺の我儘だ。

 エルフィアが、彼らと仲良くするのが気に入らない。


 ただそれだけ……。


 そんな、あまりに身勝手で子供じみた我儘に、傲慢に彼女を付き合わせていい道理など決してないのだ。



 既に、河村晴人もとい、アーサ・ライルボードは壇上へ登り、代表の挨拶を始めようとしている。


 やつが【勇者】だということは既に多くの新入生、及び学園関係者にも知れ渡っているようで、会場は再びさんざめいた。


 あいつがいるということは、元クラスメイト達も当然この学園に入学しているのだろう。


 瀬戸 裕也───ローク・ラシュダットが新入生代表でなかったのは少しだけ意外だったが。


 どうにもこうにも、奴らと同じ場にいると考えるだけで、また吐き気がしたが、先程のラフィーのおかげでひとまず落ち着き、エルフィアの方へ切り替えた。



「……」



 まだ迷いも躊躇もある。

 それでも、このまま何も言わずに黙っているわけにはいかない。



 俺は意を決して、元クラスメイトとの間にある因縁、そして俺を陥れた張本人がこの学園にいること、

 それら全てを俺はエルフィアに、はっきりと伝えることを選択した。


 たとえ傲慢な事だとわかっていても、結局それが俺の本音なのだ。



 しかし、俺がそれらを語ろうとした時、ラフィーが念話で待ったを掛けてきた。



『マスター、これはあたしから説明してもいいですか?』

『え、あ、ああ。 それは、いいけど……』



 俺の代弁をラフィーが名乗り出た理由に少々首を傾げずに居られなかったが、ひとまずここはラフィーに任せることにした。


 彼女の事だ、きっと何か理由があるのだろう。



 俺がそう返すと『では』と前振ってエルフィアの方へ視線を向けた。



『フィアは、以前宿で話したことを覚えていますか?』



『宿で話したこと?』


 ラフィーの質問に、エルフィアは少しだけ首を傾げたが、すぐに思い当たることを見つけたような素振りをすると、



『あの、ユウが酷い扱いを受けてきたっていう話のことよね?』



 エルフィアが確認するようにそう聞くと、ラフィーは『はい』と頷いて、



『2人でマスターのベッド潜り込んだ時です』



 そう返してきたラフィーに、エルフィアは急に頬を赤くして、あたふたと呟く。


『あ、あれは、その、つい、勢いで……!』



 俺もエルフィアの恥ずかしがるような様子を見て、あの日のことを思い出すと、何だか照れくさくなり、無意識に頬を人差し指でかいた。



 ラフィーとエルフィアの口ぶりからも分かったが、どうやら、宿で話したというのは、俺達3人で王都に来た初日のことらしい。


 そして、その日にラフィーは既にエルフィアに俺の過去の境遇を話してたってわけだ。



 なるほど。


 だから、ラフィーは自分から話させてくれと言ったのか。


 確かに、そうした方が俺から話すより、明らかにエルフィアにはスムーズに伝わる。



 しかし、エルフィアに既に伝わっていたのなら、あんなに悩むこともなかった。


 そう思わなくもなかったが、間違いなく、ほっと安堵している自分がいた。



 そして、ラフィーを通して、俺を陥れた張本人であるアーサや、元クラスメイト達がこの学園に入学していたことをエルフィアにも共有した。



 それから、ミシェド学園入学式は予定通り、滞りなく終了、閉会した。


 ただ、結局俺達は、ケイルの挨拶以外ほとんど何も聞いていなかったが。




最後まで読んでくださり本当にありがとうございます。


3月頭からは、恐らく本格的に更新を再開できると思いますが、

それまでに今回のように時間が出来た場合には、更新していこう思います。


その都度、活動報告で前日に伝えさせて頂きますので、よろしければ気にしていただけると嬉しいです。


今後とも【クラス転生譚】をよろしくお願いします。



もしかしたら、今週末も更新できるかもしれません。

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