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クラス転生譚 〜最弱無職の成り上がり〜  作者: 美夜尾maru
第10章 〜望まぬ再会〜
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第105話 入学式へ

更新遅れて本当に申し訳ありません!

毎週模試っていうのは思っていたよりキツいんですね……。

 




「おーい、そろそろ行くぞー?」



 木製の扉を軽くノックして、部屋の中で着替えていた、エルフィアとラフィーに呼びかけた。


 すると部屋の中から「「はーい」」と、返事が返ってくる。


 ロッドハンス王国王都での拠点として滞在していたこの宿屋では、費用の節約のために3人1部屋を借りていたのだが、さすがに彼女らの着替え中は俺は外に出ることにしていた。


 ラフィーはまあともかくとして、エルフィアも、別に着替え中だけ後ろを向いてくれていれば気にしないと言ってくれたのだが、そういう問題以前に俺が気まずすぎるからな。


 そうこうしているうちに、扉の向こうから、すたすたと急ぐ足音が近づいてくる。



「お、お待たせ」

「お待たせしました、マスター」



 きしりと音を立てて扉が開くと、そこには、王立ミシェド学園の制服を着た2人の少女が立っていた。



「ど、どう? 変じゃない?」



 エルフィアは、その服装を着慣れないからか、どこか恥じらうように体をもじもじとさせて言った。


 白を基調としたカッターシャツの上から紺色のノースリーブブレザーを羽織っており、襟元からは一際主張の強い朱色のネクタイがさがる。


 ブレザーにはちらほらと綺麗な装飾も見られ、左胸の辺りに、ミシェド学園の校章が縫い付けられていた。


 ちょうど膝上ほどまである、チェック柄ネイビーのスカートからは、長く白い足がスラリと伸びている。



 一瞬その姿に俺は目を奪われてしまった。

 この世界に生まれるまでは、日常的に見ていた制服。

 それまではなんとも思わなかったはずなのに、今、エルフィアとラフィーが自分と同じ制服を着ていると思うと、なぜだか妙に照れくさくなる。


 そのせいか、一拍ほど反応が遅れてしまった。



「あ、ああ。 全然変じゃない。 2人ともよく似合ってると思うぞ」



「そ、そう? よかった……」

 エルフィアは、ほっと息を零し、頬を緩ませる。


「ありがとうございます! マスターもよくお似合いですよ」

「そ、そうか?」

「はい! 着こなしてるって感じです」



 ラフィーが「だよね?」と言うような視線を向けると、エルフィアはコクコクと頷き、頬を少しだけ赤らめる。


「うん。 格好いい」



 2人のそんな言葉に、俺は照れくささと嬉しさに頬を熱くした。


 確かに、この類の制服は着慣れてるといえばまあ着慣れてはいる。


 この世界ではあまり見ない服装だが、俺にとってはこちらの世界の服より見慣れている類の装いだ。


 しかし、制服姿は愚か、様相を褒められたことなど一度もなかったから、2人の言葉は無性に嬉しいものだった。



 俺は擽ったさを誤魔化すように笑って、頬を掻きながら「ありがとう」と言った。


 そして、最後に部屋の中に忘れ物がないかを3人で確認し、ミシェド学園へ向かった。




 俺とエルフィアのミシェド学園への入学が決まったのはつい先日のことだ。


 レイシアが、俺達が拠点としていた宿に突然来て、推薦試験の合格の通知と、俺とラフィーの制服を渡してくれた。


 その前日に行われたエルフィアの筆記試験の合格も、既に知っていたようで、彼女の制服も一緒に持ってきてくれていた。


 サイズに関しては、合わなかった場合、あとから交換することができるそうだが、有無を言わさずぴったりの物を用意してくれていた。


 ラフィー専用の制服を用意してくれたのもそうだが、俺たちのサイズを把握していたのも、多分レミエルの仕業だろうが、まあ、気が利いている。


 そんなこんなで、俺たちのミシェド学園への入学が決まっていったのだ。




 道中、入学の経緯についてなど、他愛ない話をしているうちに、とうとう学園に到着した。



「間もなく入学式が始まるので、新入生はあちらへ向かってください!」


 門を抜けると、見覚えのある女性が声を張って、俺たちと同じ新入生達に案内をしていた。



「シエルさん」


 俺がその女性に近づき声をかけると、彼女は振り返り、俺達のことに気づく。


「あら、クラウスくん。 それにエルフィアさんにラファエル様」



 そう、俺たちのことを順々に見て言った彼女は、シエル・アルタス。

 短い灰色の髪に、紫根の瞳が印象的な女性だ。

 このミシェド学園で事務員として働いており、あの日、俺の特別推薦枠試験の受付をしてくれた人である。


 シエルの挨拶に、エルフィアとラフィーはぺこりとお辞儀する。



「これも事務の仕事なんですか?」


 俺がそう訊くと、シエルは小さな溜息をついて、肩を竦めた。


「いえ、事務の仕事ではないんですよ。 私って、ここに務めてからまだ二年目の下っ端なので、こういう仕事もやらないとなんですよぉ」



「た、大変なんですね」


 苦笑いでそう返すと、シエルは何かを思い出したようにはっとした。



「……て、愚痴なんて聞いて貰ってる場合じゃありませんでした。 もうすぐ入学式が高等部のアリーナで始まるので、あなた達も早く行ってください」



「分かりました。 シエルさんも頑張ってください」



 シエルの言葉に従い、俺達は入学式が行われる、学校棟エリアのアリーナへと足を向けた。







最後までご拝読ありがとうございました。

弟に「もっと1話1話短い方が読みやすい」と指摘を受けましたので、1話2000文字弱程にして、どんどん更新していこうかと思います。

と言っても、毎日というのは、この時期まだ厳しいので、できる限り更新ペースをあげていこうと思っています。

これからも、本作を楽しんでいただければ幸いです。

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