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いただきます

作者: さくら


小学生だったある日 気づいた。




うそでしょ。


ぎゅうにく って 牛のお肉?


ぶたにく って 豚のお肉?


とりにく って 鶏のお肉?


うそでしょ。


牛のお肉をたべてたの?


豚のお肉をたべてたの?


鶏のお肉をたべてたの?


うそでしょー


大ショック。


このことに気づいた日から お肉が こわい。


お肉が食べられなくなった。


お肉になる工程が 頭に浮かぶ。


見たことないけど おおまか想像できる。


おそろしい。


食卓に お肉が のぼる。


何にでも お肉が入ってる。


コロッケにも グラタンにも カレーライスにも。


トンカツも唐揚げもステーキも ハンバーグも

全部 お肉。


お父さんとお母さんに言えない。


絶対 好き嫌いせずに食べなさいって言う。


お腹すいてない


こう言うしかなかった。


でもお腹すいた…



ふと ベットの中で また気づいた。


あれ? 魚は?


魚は 食べられる。


なんでだろ。


次の日 お母さんに お魚が食べたいと 話す。


焼き魚 煮魚 おいしい。


しらす おいしい … 全然 大丈夫。


魚は こわくない。


そう思っていたのに


おじいちゃんの 古稀のお祝いで 親戚が集まることになりました。

お父さんが 「いきうお料理店に行くぞ」と言いました。

よかった。 魚料理だ。うお という言葉に 魚だと確信しました。

いきうお の意味も知らず ホッと胸をなでおろしました。

お父さんとお母さんと弟と4人で車に乗って おじいちゃんとおばあちゃんのおうちに寄って おじいちゃんとおばあちゃんを乗せて6人でお店に向かいました。


お店に着いて 看板が目にとまりました。

活き魚料理 いき って 活っていう字なんだーと ちょっと おもしろいな と思いました。

お店の中には 大きい水槽があって 魚がたくさん泳いでいました。

案内された 大きな和室には もう 親戚が 何人も来ていて 小さいいとこ達は 広いせいか走りまわっています。

おじいちゃんとおばあちゃんが1番奥に座りました。

いとこ達が おばあちゃんに駆け寄っていきます。


お母さんは出入り口の近くに座りました。

わたしはその横に座りました。


お父さんが 飲み物と料理を持って来て とお店の人に頼んでいました。


親戚も そろいはじめました。


しばらくすると お店の人が 飲み物と料理を運んできました。


弟が

お刺身だー

と とても うれしそうにしてました。


また

ん?

と気づきました。


おさしみ って 生 ?


また こわいという気持ちがおそってきました。


そして

目に飛び込んできたのが 鯛のお造り。


鯛が 頭 とヒレと尾と 骨 だけになってるのに動いていました。

みんなは 「おいしそうー」と言ってました。


思わず 隣にいたお母さんに抱きつきました。

そのあとのことは あまり おぼえていません。


おそろしい。


その日から 魚も食べられなくなりました。


どんどん 食べられるものが 減ってきました。



またベットの中で 気づきました。


たまご だったら 食べられる。


たまごかけごはんに 目玉焼き スクランブルエッグ。


お母さんに頼んで 作ってもらいました。


おいしい。


しばらくして だんだん 顔のない 魚のしっぽ のほうなら 焼き魚や煮魚は 食べられるようになりました。


お刺身 と お肉は 食べなくても なぜだか

好き嫌いせずに食べろなさい

と おこられることは ありませんでした。


とある日 小学校の理科室での授業中


クラスメイトが なにやら 見つけて ざわざわ騒ぎはじめました。


なにかなと 気になって 見に行きました。


見るんじゃなかったと後悔しました。


小指ほどのヒナが 床に落ちていました。


5年生になると たまごの授業があるんだょと お姉ちゃんのいるクラスメイトが 教えてくれた。


家に帰っても 授業中のことを 思い出して

冷蔵庫の中のたまごを 見て こわくなりました。


またしても たまごも 食べられなくなってしまいました。


家族で ごはん 食べるときは

お腹すいてない

というしかありません。


食の細いことを 心配してくれます。


でも こわくて 食べられないのです。


いとこに 「本当は こわいんだ」と こっそり話をしたら そのいとこは 「じつは わたしも 貝の授業を受けてから 貝がたべられなくなっちゃった」と教えてくれて こういうのは自分だけではないんだと ホッとしました。

「そのうち 気がついたら食べられるようになってたよ」とつけくわえてくれたけど 本当にそんな日がくるのだろうか。


たしかに 魚のしっぽ側なら 食べられるようになったなぁと思いました。


しばらくして たまごが 入ってると わかってても

パンやケーキは 食べられるようになりました。


いとこが言ってたこと に うなづけました。


ですが あいかわらず お父さんやお母さん まわりの大人たちは 食の細い子 だと思っています。


連休に おじいちゃんおばあちゃんのおうちに 弟と二人で 遊びに行くことになりました。


おばあちゃんが ホットプレートで お好み焼きを作ってくれました。

ひとつは わたし用に チーズ入り

となりに 弟用の 豚肉入り 。

たまごを といてるところを見てなければ 食べられる。


弟が お皿やコップ お箸 を 用意しました。

そのあいだに わたしは 冷蔵庫から ソースやマヨネーズ 紅しょうが 青のり かつお節 麦茶を出すのを手伝いました。


お皿にうつした お好み焼き

仕上げに ソースやマヨネーズ、青のりやかつお節を かけました。

かつお節は 食べられます。

かつお節のかつおは 魚だと その時知らなかったのです。


冷めないうちに 先にめしあがれ

おばあちゃんが言いました。


テーブルについて

いただきます

と 弟と二人で

手を合わせ 食べはじめました。


おばあちゃんは おじいちゃんとおばあちゃんの分を

焼きはじめました。


お好み焼き おいしい。 おいしい。 おいしい。

お腹がすいていたので 箸がとまりません。


おばあちゃん お好み焼き おいしい

と 言ったら

それはよかった と

にっこり 笑ってくれました。



すると 弟が

こっちが チーズ入りだ 間違えた

と言いました。


えっっ じゃ わたしのは 豚肉入り?


ソースやマヨネーズを 上にかけたら 見分けがつきません。

弟が お皿を 置き間違えたのです。


でも 拒絶反応は おきませんでした。


豚肉入りお好み焼き おいしい

おかわりしたい


そう思いました。


これを機に だんだん お肉が食べられるようになりました。


スーパーに並ぶまでの工程を 受け入れられるようになったわけではないけど

年月とともに こわさが薄らいできました。


お刺身も 親戚が 城下カレイを 食べに連れて行ってくれて おそるおそる 食べてみたら

ポン酢で食べるというのが 物珍しかったのもあったせいか さっぱりして とてもおいしく感じました。


おばあちゃんが

「食卓にのぼるまでに携わってくれた方々や

食材の命をいただくことに感謝して

ごはんを 食べる前には 必ず手を合わせて

いただきます と言いましょうね」

と言いました。

ほんとに そうだなと思いました。


ごはんを食べる前には 必ず 手を合わせ

いただきます

を言うようにしてます。































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