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いざ!異世界へ




「さて、後は大魔王の正体と、バッドステータスについてだったな」





私は無言で頷いた。





「まず、バッドステータスについてだが・・・」





そう言って前置きをした後男は続けた。





「バッドステータスの種類は、千差万別だ。何が付くかは完全にランダムだし、私にも想像が付かない」



「ただ、一つ言えることは先天性の永続効果があり、異世界の住人は何かしらのバッドステータスを必ず持つ」





先天性の永続効果?いまいち聞き慣れない言葉だった。





「例えるのなら、それは貴様の持って生まれた身体の一部の様なものだ。能力とかで補っても特殊能力は効果時間がある」



「つまり、バッドステータスを能力で直そうとしても、効果が切れたら元に戻ってしまうという事だ」



「バッドステータスを中和するには、同じく永続性があるアイテムを使用するか、特殊能力を使い続けるかの選択肢が考えられる」



「まあ、バッドステータスそのものを直せる伝説級のアイテムもあるようだがね。詳しくは知らん」





なるほどね・・・


バッドステータスは自分の持って生まれた障害みたいなものか。


軽く考えてたけど、相当なペナルティじゃないのそれ・・・?





「何のバッドステータスに掛かったかは転生後に巻物を見れば分かるだろう。その巻物はくれてやる」



「ありがとう」





私はお礼を言うと、考えを巡らせた。


バッドステータスは転生したら、すぐに確認した方がよさそうね・・・


もし、永続性のある毒状態なんかに掛かってしまったら、すぐに解毒の方法を見つけないと大変なことになる・・・


毎日毒消し草を食べる生活とか送りたくないけど。





「そして最後に大魔王に関してだが・・・・」





そういうと男は少し間を開けて、顔を伏せた。


笑みが完全に消えている。


侮蔑や、嘲りなんてものも全く見当たらなくなった。


さっきまでとは別人の様な佇まいだ。


そして、重い口調で続きを話し始めた。


えっなになに?どうしたの?





「・・・大魔王に関しては正体は何もわからない。だが、明らかに神を超えた力を持っている」





えっ?神を超えた力?


男は顔を相変わらず伏せて、プルプル震えていた。


声も心なしか震えている気がする。





「我々神々全ての力を使っても奴を封じ込めるのが精いっぱいだ・・・」



「そしてそこがお前がこれから行く異世界【エビルプリズン】だ。”悪の牢獄”だな・・・」





男の震えが最高潮に達している!とてつもなく恐ろしいらしい。


えっ・・・ちょっ・・ちょっとタンマ!?、大魔王ってそんなやばい存在なの!?


聞いてないよそんなの!!?





「さて、時間が来たようだな。お前の健闘を祈っているぞ!!」





ニカッ!!





そう言って顔を上げた男は、さっきまでとは打って変わってとっても晴れやかだった!!


そして、手を挙げてパチンと手を鳴らした。


私の周りに光が集まってくる。


私の視界が徐々に白く霞んでいく・・・


え!?え!?どういうこと?なんで急にそんな晴れやかになったの?


魔王が恐ろしいから震えてたんじゃないの?


・・・・・


そこで、私はハッと気づいた!!





だ・・・・騙されたあああああああああぁぁぁぁ!!!!!





この自称神は転生者を牢獄に放り込んで大魔王の贄にするつもりだったのだ!!!


どおりで他より条件がいいと思った!





「ちょっちょっとタンマああああああああああああああああ」





私はありったけ叫んだが無駄だった。


目の前はさらに白くなり、私の意識が遠のいていく・・・





「はーーーっはっはっはっ!!大魔王討伐期待してるぞ!遠坂玲奈よ!!」





男は高笑いをして私を見送っている。



やり直しを要求しようにももう、声が出なかった。



テメーめええええええええええええ覚えてろよぉぉぉぉぉ・・・・



私の意識はそこでパタッと途切れた。。。






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― 新着の感想 ―
[良い点] MP5……これは辛い。 そして大魔王が強すぎる。 神は玲奈を贄にするつもりですね。 魔法もグロースとミニマムだけ。 これは色々と厳しそう。 でもこれでどんな物語を書くか、楽しみです!
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