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効果時間





「・・・・」





今日も私は瞑想をして目の前の消しゴムに向き合っている。


能力を使い終わった後、私はいつも筋トレ→ランニング→瞑想とお決まりのコースを消化する。


今ではすっかり馴染んだ一連の作業である。


ちなみになぜ瞑想をするかというと、現在のMPの貯蔵量がいくらあるのか知覚しやすいからだ。


最初は何も分からなかったのだけどこの作業を数週間続けてきたらなんとなくそれが見えてくるようになった。


自分の中のエネルギーともいえる魔力の奔流が私の中に感じられる。


そして、その流れの大小によって自分のMPがどれくらいあるか感覚的に分かるのだ。


私は自分の中の魔力の奔流に意識を向ける。





よし・・・満ちたわね。





私は目を開けて壁に掛けてある時計を確認する。


前回能力を使ったときから丁度4時間経つ。


どうやら時間ぴったりだったようだ。


私は巻物を広げて自分のステータスを確認した。







◇転生者基本情報




名前:遠坂 玲奈

年齢:18歳(寿命:未設定)

身長:17.5cm

体重:52.5g

BWH:8.7 5.6 9.0



Lv:2

HP:5.5

MP:8

STR:3.6

DEF:1.9

INT:1.4

VIT:2.4

CRI:0.6

DEX:2.0

AGI:5.4

LUK:1.1



プライマリースキル:グロース、ミニマム


タレントスキル:大器晩成、酒乱、逃げ脚、テンプテーション


バッドステータス:1/10縮小化(永続)


所持アイテム:転生者の巻物、ディバイドストーン


所持クレジット:0



現在位置:クレスの町 ブロンズ通り302番地 フランベルジュ家



---------------------------------------------------------------






よし、MP回復確認・・・・・・・・・・OK。


ついでに体重確認・・・・・・・・・・・OK。





・・・ふぅ


ようやく戻すことが出来たわね。





エノクが仕事に行っている間部屋の中をランニングをして幾星霜。


私の体重もようやく元に戻った。


短いようで、長かった2週間だわ・・・


彼の料理は美味しくてパクパクおかわりしてしまうのが悩みの種ね。


これからはちょっと自重しよう。


さてと・・・


思索を終えた後、私は目の前の消しゴムに向き直った。


そのまま手を掲げ時計の時刻を確認する。





"13:14"





チッチッチ・・・





秒針が12を指し”13:15”になった瞬間、私は魔法を詠唱した。





「グロース!」





ズゥン…





消しゴムの横の長さは5cmから5.5cmに増加している。


私はしばしの間そのまま時が過ぎるのを待った。


・・・


私は今MP【8】でグロースを詠唱した。


今持てるMP全てを使った上での発動だ。


しかし、消しゴムの大きさはMP【5】で発動した時と全くと言っていい程変わっていない。


もしかしたら、さらに細かく検証すれば大きさは変化しているのかもしれないが、


少なくともミリ単位で見ても大きさに変化はなかった。


以前見た補助魔法の研究書によると1.2倍に対象を巨大化させるためには【1,000】を超える魔法効果が必要だった。


Lvが2に上がろうが今の私がひっくり返ってもその効果に辿り着くことは出来ない。


分かっていた事ではあったんだけど、実際に結果を見るまでは少しは大きさの変化を期待していた。


でも、結果はご覧の通りだ。


ただし・・・変わったものがないわけではない。





私は再度時計を確認する。





チッチッチ・・・





秒針が12を指した瞬間・・・・・時刻は"13:25"になった。


私はそれと同時に目の前の消しゴムを確認する。





"5.5cm"





まだ、消しゴムに掛かっている巨大化の効果は掛かったままだ。


そして、それからちょうど36秒過ぎた後・・・





シュン…





消しゴムは元の大きさに戻った。


・・・そう、大きさに関しては全くと言っていいほど変わっていない。


だけど、効果時間に関しては変わっていた。


時間にして、10分と36秒。


4時間前に能力を掛けた時はMP【7】で発動したのだけど、その時の効果時間は10分と24秒だった。


そして、前日に【6】で掛けた時は10分と12秒。


ここから分かることはMP【1】上げるごとに12秒間効果時間が増えているということだ。


もし、この法則が今後も同じように通用していくなら、MP【5】上がるごとにちょうど1分間効果時間が延びていくだろう。


まあ、だから何なんだという感じではあるけどね・・・


現状、全く役に立たないとまでは言わないけど、グロースもミニマムも用途はかなり限られる。


日常生活で役に立つ事と言ったら、物を持ち運ぶときに少々軽くしたりする程度かしら?


これの有効活用の道はまだまだ遠いわね・・・


私はそう考えた後、おもむろに再度巻物を広げた。







◇転生者基本情報




名前:遠坂 玲奈

年齢:18歳(寿命:未設定)

身長:17.5cm

体重:52.5g

BWH:8.7 5.6 9.0



Lv:2

HP:5.5

MP:0

STR:3.6

DEF:1.9

INT:1.4

VIT:2.4

CRI:0.6

DEX:2.0

AGI:5.4

LUK:1.1



プライマリースキル:グロース、ミニマム


タレントスキル:大器晩成、酒乱、逃げ脚、テンプテーション


バッドステータス:1/10縮小化(永続)


所持アイテム:転生者の巻物、ディバイドストーン


所持クレジット:0



現在位置:クレスの町 ブロンズ通り302番地 フランベルジュ家



---------------------------------------------------------------






・・・・はい。


ステータス、Lvともに変動なし。


やっぱりそう簡単には上がっていかないか・・・





Lv2まで上がるのに私は3週間の時間を要した。


これが早いか遅いかと言われると、なんとも言えない。


ただ一つ言えるのは、Lvは上がれば上がるほど必要な経験は伸びていくということ。


次のLv3に上昇するためにはさらなる時間を要すると考えるのが妥当だろう。


しかし、一つ好材料があって、今の私にはこの”ディバイドストーン”がある・・・





私は胸元に光る銀色の石を見た。





・・・今の私じゃ得られる経験なんて微々たるものだけど、エノクから半分の経験が今後は流れてくる。


まだ、それがどれくらいかは未知数だけど少なくとも小人になっている私より経験を得られる機会も多いはずだ。


少しでもLvを上げてしっかり彼をサポートできるようにしなくちゃね・・・


いずれ冒険に出るとしても今の私はまともに戦う事が出来ない。


もっぱらサポート役に徹する他ないだろう。





私は一通りステータスを見た後、今度はタレントスキル欄を確認した。


その欄には4つの項目があり、そのうちの一つに私は目を留める。





”酒乱”





先日、アナライズを掛けられた時はバレやしないかとひやひやしたけど、なんとかバレずに済んだ。


まったく・・・な~にが酒乱よ!!


これの表記のおかげでどんだけ苦労させられたのか分かっているのかしら・・・


他の3つの項目についてはハッキリどういう効果があるかまでは分からないけど、なんとなく有用そうな能力であることは分かる。


でも、”酒乱”とやらに意味や効果があるのか全く分からない。


正直取り外したいんだけどね、これ。


消しゴムで削ればいけるかしら・・・・・・無理か。





目の前の消しゴムで消そうとしたけど諦めた。


どういう原理なのか知らないけど、この巻物は外界からの干渉を一切受けないのだ。


私と共に1ヶ月ここで共に過ごしたわけだけどシミやシワ一つ付かない。


当然、内容の書き換えなんて事も出来るはずない。


摩訶不思議なアイテムね・・・





そういえば、意味が分からないものと言えばもう一つあったわね・・・





今度はステータス欄の上部の方を見る。


そこには年齢の欄の横に”(寿命:未設定)”という文字が表記されていた。


これもちょっと意味が分からないのよね・・・


いや正確には分かるんだけど、どう処理すればいいのかが分からない。


・・・


この世界へ転生する条件の一つに”寿命の任意設定”が出来るというものがあった。


つまり、自分で寿命を決めてそれを全うすれば晴れてより良い転生先を選べるという話だ。


しかし、その設定とやらがどうやるのかが分からない。





私は険しい表情を浮かべながら寿命未設定の欄を無意識に指でなぞった。


ところが、その次の瞬間・・・





ブォン・・・





!!!? 


巻物からフォログラムのようなものが空間に浮かび上がった!





うわお!びっくりしたぁ・・・・な、なにこれ!?


驚かせんじゃないわよ・・・まったく。





フォログラムにはどうやら数字の羅列が表記されているようだ。


一番上の80から110までの数字が縦に並んで記載されており、一番下には”設定”と”キャンセル”のボタンがあった。


私は恐るおそる空間に浮かび上がったそれに触れてみる・・・





ポーン・・・





反応する!?


私の指に反応するの、これ?


私が羅列されている数字の列の余白をスマホの感覚で触れると、リストは私の動きに合わせて上や下に動いた。


え・・・ま、まさかこれって・・・・





「プ・・・プルダウンメニュー~~~~~!!?」





私は衝撃の事実の発覚に思わず頭を抱えて呻いた。




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